赤坂の虚空蔵にて 八月二十八日奥の院  
俳聖松尾芭蕉は、元禄二年八月下旬、奥の細道の名作を大成した長途の旅の疲れを大垣で休め
九月六日。伊勢の神宮に詣でるため出立、谷因ら親しい俳友門人たちに見送られ、高橋(船町港)
から水門川を船で下り、別れを惜しみつつ旅を終えた。このとき芭蕉は赤阪金生山の虚空蔵菩薩に
詣でて詠んだ句が天理図書館所蔵の特別本「漆嶋」から発見された。