「化学と工業」1997.Vol.50,No.9

[back]


超音波でC60をつくる
超音波化学反応とは
超音波は物質中を伝播する疎密波、つまり音でありその力学的なエネルギーで化学結合を切断することは不可能に思える。一見無理そうなことが起こる理由は、液体中での気泡の生成と消滅による。強力な超音波によって生じる音圧が負圧のときに液体が機械的に壊れ気泡が発生し、逆に正圧のときに気泡は押しつぶされ圧壊することがある。これはキャビテーションと呼ばれており、これによって高温(約5000℃)、高圧(約1000気圧)の極限環境が発生し、化学反応が進行するのである。
ベンゼンを壊す
液体ベンゼンに超音波ホモジナイザー(出力600W、周波数20kHz)を用いて強力超音波を照射した。液温の上昇を防ぐためベンゼンを氷水に冷やす。照射して数10分でベンゼンは黄色く着色する。これにより主な生成物がいろいろなポリマー状物質をつくる。
C60をつくる
ベンゼンのなかでも分子はほとんど原子状態にまで分解され低温プラズマ状態になっていると考えられる。強力なレーザーのグラファイトへの照射や、炭素電極を用いた大電流アーク放電によって炭素プラズマがつくられてきた。また、ベンゼンの燃焼によってもC60の生成が確認されている。そこで、ポリマーの集合体である固形物をろ過し、ベンゼンを蒸発させた後の残りをアルコールで洗い、小さい分子を取り除く。残った固形物をベンゼンで抽出し、質量分析と高速液体クロマトグラフィーによって分析した結果C60の存在を確認した。150mlの液体ベンゼンに1時間の超音波照射によって生成するC60は1μgとかなり低い。低い生成収量の理由は、プラズマ中で原子が分子に再構成されて行くときに炭素原子間の結合よりも炭素ー水素の結合が効率よく起こることが考えられる。

「水の不思議」

[back]


毎日飲んでいる水道水の恐い話
水道水のカルキ臭さは浄水場で使われる塩素のせいです。現在の水道法では、水道水が家庭の蛇口から出る時点で0.1ppm以上の遊離塩素が入っていなければならないことになっている。水のおいしさを犠牲にしてまで大量の塩素を入れなければならない理由は原水の汚染にある。水道のもとになるダムや湖、河川の汚れがひどくなったために、使われる塩素の量もどんどん増加した。
カビ臭さやどぶ臭さは原水に発生したアオコのせいです。水の安全性と引き換えなら我慢できるが、安全性を高めるための塩素が危険性をはらんでいるのが現状である。
身近な水、水道水の抱える矛盾
水道水のほとんどが塩素で殺菌されている。ところがこの塩素には、ビタミンCを破壊すう性質があることがわかった。キャベツの千切りを浸してビタミンの損失率を調べた。それによると、15分間浸した場合には14.7%、30分で23.9%、1時間では31.8%のビタミンCが失われることがわかった。しかも同じことがほかのビタミン類にも起こる。たとえば干し椎茸のビタミンB1。
お米のビタミンB1でも15分間水道に浸しただけで8.6%のビタミンB1が失われてしまう。
塩素の殺菌作用は素肌にも影響する
塩素には殺菌作用のほかに漂白作用もある。塩素は決して肌に良いものではなく、洗顔により肌を守っている顔の表面皮脂が水道水で洗い流されてしまう。朝シャンも要注意である。地肌ばかりか髪まで痛めることがある。熱いシャワーの中の塩素に反応してフケが出たり脱毛が起きたりすることもある。塩素の残った現代の水道水では、お風呂やシャワー温度(40℃前後)のときに塩素が一番活発に働く。日本には昔から、冬至の日にユズ湯に入ったり端午の節句に菖蒲湯に入るといった習慣があるが、これはテルペンという植物性の精油成分が含まれているためである。この成分がお湯に溶けると塩素と反応して柔らかなお湯にしてくれる。
塩素殺菌が生み出したトリハロメタン
殺菌のためのの塩素がなぜ水道水の中に発生するかは知られていない。トリハロメタンには人間の体の脂肪に溶けやすい性質がある。水道水に含まれている限り、どんな微量でも毎日確実に体内に蓄積していく可能性がある。このトリハロメタンは家庭の水道水から除去するのが難しい化学物質である。活性炭を使った普及型の浄水器でも取れるのは最初のうちだけでフィルターがすぐにいっぱいになる。

「科学技術は地球を救えるか」

[back]


植物の環境への対応
環境への対応
植物は環境の変化を敏感に感じ取り適応戦略を立ててきているが、土壌が不完全な場合より良い環境をつくりだそうと自ら積極的に努力する。二価の鉄が欠乏している土壌ではムギ根酸と呼ばれるキレート剤を根から分泌し、鉄を植物が吸収しやすい形にする。酸性土壌では、土壌中のアルミニウムが活性化されることによる害が心配される。アルミニウムについては、酸性土壌でも育成する植物は、根からクエン酸を分泌しアルミニウムと結合させ、植物が吸収しにくい状態で土壌に留めておくことにより、自身への害を減らしている。
環境浄化能
植物が有毒ガスを浄化しているという実験結果がある。一般の家庭内では350種類ほどの有機ガスが検出されたため、どのようなガスがどのような物質から放出され人体にどんな影響を与えるかの検討が行われた。その結果、これら空気汚染源は、ペンキ、接着剤、インクなど生活に密着した物質であることがわかった。また、新築建材として使われている合成樹脂・塗料などからは、微量ではあるが、ホルムアルデヒド、ベンゼン、トリクロルエチレンなどの有毒ガスが少しづつ室内に放出されている。そのため、頭痛、だるさ、目や皮膚のかゆみ、呼吸気管や内臓疾患などが引き起こされると報告している。EPA(米国環境保護局)によると、室内空気は外気の2ー5倍は汚染されておりこれらの複合有機ガスにより、皮膚、内臓疾患のみならずガンも誘発されると警告している。
NASAが行った実験で「室内の微量有毒ガスを除去するためには植物が有効である」と報告した。彼らは代表的な有毒ガス、ベンゼン、トリクロルエチレン、ホルムアルデヒドが植物によってどのくらい除去されるか調べた。我々に身近なゴールデンポトスの場合は、約2時間で箱の中のトリクロルエチレン、ベンゼンの濃度が激減しほぼ0になった。また、植物を育成している活性土壌及び土壌微生物が存在すると、さらに強い浄化作用が発揮されることがわかった。有毒ガスはまず、活性土壌により吸収され、その次に根の周りの微生物が分解し、植物の根が栄養として吸収する。そのため、植物系は有毒ガスの吸収能を保ち続けることができる。このような植物の「空気浄化能」は室外でも発揮される。国立環境研の調査結果では植物による大気浄化能は高く樹林があると風下1.5km離れた地点まで大気汚染物質が減少すると報告されている。

「EINウッドの製造システム」

[back]


木粉の水分を0%に乾燥する
熱源を使用することなく回転の衝撃によるせん断発熱を利用して水分を木粉から「たたき出す」乾燥法を開発した。水分除去に必要な時間は15分と短時間です。木粉の大きさは50−200ミクロンが利用できる。最大の大きさは、鋸くずの大きさまで利用できる。
大量の木粉を少量のプラスチックで混合し融合する
大量の木粉を少量のプラスチックと混ぜ合わせ高速回転翼による発熱で融合し分子レベルで一体化し顆粒状ペレットをつくる。
押し出し技術
木粉が高濃度で混合された顆粒状ペレットを高粘度の状態で融合し押出機で高い圧力で押し出し金型の中に押し込み、前方でブレーキをかけて高い圧力で押し固めながら成形する。
天然の木目を表現でき野外用木材としての利用頻度が高い。

「地球にやさしい化学」

[back]


地球環境問題と植物の役割
人類の経済活動を支えている資源は、石油・石炭など有限性の化石資源である。これら大量使用により炭酸ガスの増大、酸性雨、有害廃棄物などの問題が生じている。
一方、地球上に存在する再生可能な資源の一つは地球上唯一の生産者:植物であり微生物や動物などの消費者の生命は2000ー3000倍多い緑の生物集団:植物によって維持されている。地球上の人工が増え続け、飢えと欠乏が世界中で広く見られいろいろな地域で農業によって支えられている人間の数についての懸念が表明されている。
生存可能な人間の数がどれほどかの計算は、平均的な1日カロリー要求量と耕地からとれる穀物の純生産量からなされる。この計算によると、1万m2の土地で厳格な菜食主義者ならば14人、カロリー半分を動物性食品から摂取する場合でも4ー5人養える。地球上の耕作可能な土地のすべてが耕され、そこに穀類だけが栽培されたと仮定するならば、菜食主義者の150億人分、混食者の50億人分の食糧を賄える計算になる。
将来の人口増に対処できるような食糧の増産を達成するためには、無機肥料、農薬の多用のみでは不可能であり、植物の機能を利用した品種改良しか方法はない。
バイオマスの特徴と問題点
バイオマスの特質は、基本的に分布密度が低く、原料の重量当たりの経済価値も低く既存の関連資源(石炭、石油)に比べ付加価値が高くないことである。このようなバイオマスを有効に利用するためには、小地域分散型の方向で技術開発を進める必要がある。さらにバイオマスは、構成がセルロース、リグニン、多糖類、タンパク質、油脂などの多成分からなっているため、分解・抽出が困難な場合が多い。現在では、抽出・濃縮・分解などの交換処理にエネルギー消費型の化学的・物理的処理が用いられている。
バイオマスの資源
バイオマスの資源としては、廃棄物、未使用資源、新資源に分けられる。廃棄物、未使用資源は主として農林水産廃棄物であり、稲ワラ、籾殻、野菜残さ、家畜糞尿、食品加工廃棄物、魚体残さがあげられる。農産物の地上残さの主な物は水稲と野菜残さで92%を占めており、これは食用資源と同じバイオマスが未使用のまま廃棄されていることになる。家畜廃棄物は経営規模拡大とともに糞尿処理の経費が多くなり、経営を圧迫してきている。食品加工分野でも果実加工、豆類加工、でん粉製造などの工程から廃棄物が約400万t産出されその廃棄物が問題となっている。

「資源革命」

[back]


ゴミ処理はなぜ今も焼却なのか
今までの技術では常温で焼却ゴミを完全に包み込んで固形化させることが難しかった。また、仮に固形化できても経済的に利潤が上げられるような商品として広く流通させることができなかった。常温で固形化が難しい理由は、ごみとなる物質のすべてが珪素か炭素の複合物であることによる。これらは二つとも半金属物質なので電気を通さないという性質を持っている。このような絶縁物質では、熱を加えないですむ常温での結合として最も望ましいイオン結合が起こらないのである。そこで人工的にイオン結合ができる物質を加える方法を考えた。その物質として超微粒子シリカ(SI)を用いた。このほか鉄、カルシウム、チタン酸化物などを適宜配合し、すべての物質を常温で包み込み、固形化させる結合剤を開発した。
「資源の永久リサイクル」を可能にする技術の条件
結合剤には、興味深い特徴があることがわかった。一般のセメントとは異なり、それぞれ違うpH値の物質を結合させるためにイオン化作用も大きく、その水分の分子運動の速度が速いため水が気化する時に高温を発生する。しかし、気化と冷却作用によって不安定な結合が発生した。(結晶分解を起こす「嫌気性」物質であった。)この抑制策として、空気を遮断する方法(真空状態)をとった。
また、一つ問題が残った。それは、それぞれの物質が異なる比重を持っているため均一に混ざらないことであった。これは、比重分離が起こる前に急激にイオン結合させることで均一状態にすることができた。この応用した技術を「真空気圧法」と名づけた。この方法は1995年、特許庁より受理された。
難問を解決した「真空気圧法」
ゴミ(70%)、シリカハード(30%)、そして流動性と作業性をよくするために水を(15ー20%)加えて混ぜ合わせる。そして混合した液体を真空状態の中に置くと各種の物質は真空吸引力で完全に均一に混ざる。次に水分が沸騰しはじめ蒸発していく。水分が気化すると二つの問題が生じる。一つ目は、真空は摩擦抵抗ゼロだから混入している物質は自分からは動かない。そのため気化した水の分だけ、液状体の中には目に見えない細かい隙間ができる。つまり、混入している物質はそれぞれ形状がまちまちなので隙間ができたままの液状物ができてしまう。二つ目は、媒介として起こる強固なイオン結合が水の気化によって起きなくなってしまう。
そこで次に、液体を入れた真空の中に空気を注入する。まったく空気のないところに入れるため、かなり強力な圧力となって吹き込んでいく。その気圧力によって液状態を急激かつ強力にプレスする。こうすることで密度の高い液状態を構成し、完全イオン化させることができた。
「曲げられる石」への挑戦
柔軟シートは厚さ0.5ミリから3ミリとかなり薄いものが可能。
物質を均一に結合させ、空気を追い出すことで可能にした。
屋根瓦・壁からモニュメントまであらゆる造形が可能になった。

「”化学のメガネ”で見る」

[back]


イオン水の効用は?
アルカリイオン水、酸性イオン水を作るための電気分解は、水道水を用いて行われる。水を電気分解すると、陰極に水素ガスが発生すると同時に水酸化イオンが生じる。その結果、陰性付近の水を取り出すとアルカリ性の水が得られる。また、陽極では、酸素ガスが発生すると同時に水素イオンが生じる。そのため陽極付近の水を取り出すと酸性の水が得られることになる。特殊な電極で電気分解して得られた強酸性イオン水が殺菌効果を持ち、畑やゴルフ場で効果があったという例が新聞で報道された。この方法は、水道水に食塩をいれて電極の材料を工夫したものである。この電気分解では、pHが2.7の強酸性イオン水とpHが11.3の強アルカリイオン水が得られる。この強酸性イオン水は、活性塩素に加え活性酸素も多く含むので強い殺菌力を持つ。ゴルフ場では、この強酸性イオン水を毎週散布した。また、芝の生長を促すために強アルカリイオン水もまいた。その結果、夏場には殺菌剤を補うそうであるが年間の農薬の使用量は以前の2割以下に減った。2種類の水は空気に触れると普通の水に戻り、川や井戸水を汚さない。
また、医師、看護婦などの手洗いや手術時の消毒薬として強酸性イオン水を使う病院や診療所も出てきている。「従来の消毒薬と違い、手を荒らさないうえ逆に手荒れや床擦れ、きずを治す効果が確認されている」と話している。

「この世はすべて泡だらけ」

[back]


物質を凝縮する泡
泡には、溶液中に溶けていたり分散している物質を濃縮する働きがある。この泡の性質を生かして、金属鉱石を取り出すための浮遊選鉱法や、ミクロな物質を濃縮する泡沫分離、あるいは加圧浮上法といった技術が開発されてきた。泡には特定の物質が集まる理由がある。液体、特に水の表面に集まりやすい物質がある。水にぬれにくいもの、水より軽いものが水の表面に集まる。地球を広く眺めても水の表面はさまざまな物質が、特に濃密に集まる場所である。生態学や微生物の研究分野では、湖水や海水を問わず、水面上は微生物や小動物、植物が特に多く生息する場所として注目されている。しかし、表面は非常に薄っぺらい限られた場所である。表面を特定の物質を集めるスペースと考えるとそこは極度にせまい。従って集められる物質の量も限られる。物質をたくさん集めるには表面積を大きくすれば良い。そのためには泡立てることである。
鉱物を取り出す浮遊選鉱法
浮遊選鉱法には、泡に有用な鉱物を吸着させて取り出すものである。この方法がよく用いられるのは、硫化鉱物から鉛、銅さらには金や銀を取り出すケースである。代表的な硫化鉱物には、鉛の原料である方鉛鉱や、銅の原料である黄銅鉱がある。浮遊選鉱法は、いろいろな岩石のヌレやすさの違いに着目し、有用鉱物と不要な岩石とを選別する方法である。補収剤の開発が必要となる。
不純物を取り除く泡沫分離
水の中の不純物を取り除く、あるいは微量成分を取り出すと言うとき「泡沫分離」が有効な場合がある。最近では、発酵生成物やバイオテクノロジーの主役の一つ、大腸菌の回収に泡沫分離が有効だとする報告がある。大腸菌を増殖させて、これを分離するのに大腸菌が入った溶液に界面活性剤を加え、これを機械でかき混ぜ発生する泡を取り出すと1分間で90%、10分間で99%の大腸菌が回収されたという。泡沫分離のよいところは、変な薬品に頼らずひたすら泡立てればよいこと、欠点は、取り出せる絶対量が非常に少ないことである。もともと液体に含まれる量が非常に少ない場合、濃度が小さい場合、有効であるが実験室の域を出ていない
排水処理に役立つ加圧浮上法
泡沫分離と同様、水に含まれる不純物を取り除く方法であるが、原理的に異なる点がある。それは気泡の大きさである。浮遊選鉱法も泡沫分離も細い管を通して空気を送り込み、直径0.5ミリ程度の気泡を下から発生させた。ところが加圧浮上法では気泡の大きさは50−100μmと小さい。加圧浮上法を最も利用しているのは、工業廃水処理の際、油を含んだ廃水から油分を取り除くことである。工業廃水に油分がふくまれる場合には、油が非常に小さい油滴として水の中に分散した状態になっていることが多い。
まず、小さな油滴を大量に含んだ廃水を空と一緒に加圧タンクにいれ3−5気圧をかけて一定時間おき、その後廃水を細かい穴から普通の気圧におかれた水の中に吹き出させると廃水に過剰に溶け込んだ空気が一気に気体に戻る。この気泡は油滴と水の界面に発生する。油滴交じりの廃水にあらかじめ凝集剤を加えて置くことにより浮力を向上させることができる。この方法も油の濃度がある程度小さくないと有効性を発揮しない。この加圧浮上法を、池のアオコ除去に利用されているが実際に使えるのは農業用のため池や庭園の池の水くらいであろう。

「地球は「沙漠」という資源を持っている」

[back]


「SRG構想」
「SRG構想」は無尽蔵にある太陽エネルギーを利用することを基本としている。
そして、農業をはじめとするあらゆる産業を促進しようというものである。
SRG=シルクロードジェネシス
企業7社より構成されている。中国の広大な沙漠を利用して太陽光発電基地を建設し、自分でつくった電気エネルギーを利用しながら自己増殖するように基地と基地をネットワーク化していけたら少しでも石炭をクリーンなエネルギーに変えていくことができる。沙漠化の進行を食い止め、地下水をくみ上げて緑化を推進しながら灌漑し、少しずつ畑を増やし農業と同時に牧畜も興して都市建設もしてしまおうというのが「SRG構想」のねらいである。そうすることで、エネルギーの多くを石炭に頼っている中国の大気汚染物質の増加を抑えようとするものである。また、そうすることで日本の酸性雨の影響を和らげることができる。

「環境問題の実践課題」

[back]


古紙で燃料をつくってアフリカに送る
紙をいったん固めて炭にする。これは、木炭に比べても負けないくらいの能力を持っている。紙を炭として使うこともできる。紙だけでつくっているが間伐材と紙をうまく練り合わせてやっているところもある。固形燃料をつくってアフリカの方に送り届けることもできる。沙漠にすんでいる遊牧民たちは、炊事用にずいぶんオアシスの木を切っている。ゴミという発想から資源を提供するという考えで行えば需要は拡大できる。

「電磁波白書」

[back]


電磁波と電磁界を区別する必要がある。
人体に影響を与える電磁波には、

が存在すると考えられる。
「電磁波問題」は3つのレベルに分けられる。

  1. 電磁波が人体に影響を与えるかどうか、科学的な「問題」
  2. 高圧送電線反対運動などの論拠に電磁波有害論が導入されるなど、電磁波が社会化している「問題」
  3. 電磁波をめぐるマスコミの報道姿勢の「問題」

電磁波問題の研究報告として代表的な2つの研究論文をみてみる。
サビッツ論文の意味
「小児ガンと60Hz磁界に関する事例・対照研究」
その結果が「ガンとEMF(電磁界)は関係がありそうだ」と示されたことで代表的なEMF研究とされている。対象となる現象は、電磁波でなく磁界となっている。送電線などを流れる交流電流によってつくられる電磁波は50Hz、60Hzと低い周波数を持つ。波長の長さは、50Hzで6000km、60Hzで5000kmで少なくとも半波長は進まないと波の性質が明らかにならないとされている。日本列島では、電磁波として測ることさえ難しい。そこで電線の周囲にできる電界と磁界の2種類に分け人体などへの影響・被害の研究が行われるようになった。その結果、電界ではなく磁界のほうが「あやしい」という傾向が強くなってきた。こうして磁界に関する研究が進められるようになった。
調査報告の手法と結果
1978年から1983年までの間にガンであると診断されたデンバー地区の15歳以下の356人の子供たちが対象とされた。EMF測定などに加え電磁環境をパターン分けし「低電力」パターン(屋内の電力をすべて切り、外部の電線などから磁界と電界を計算したもの)と「高電力」パターン(屋内電力をなるべくオン状態にして計算した)の電磁環境を考慮に入れる。
調査結果は次のようになる。(オッズ比は危険率)

ガンの種類に分けると、白血病

「EMF界が発ガンにおいて、原因としての役割を持っている可能性を調べる努力とそのような可能性を実験的に調べる努力が今後も続けられねばならない」
と述べられている。
インタビューより「研究結果がEMFと小児ガンの関連性を支持することでEMF研究に必要性を提起したもの」であることがわかった。
サビッツ博士による疫学調査の結果は次の2つの意味を示唆している。

カロリンスカ論文
「スウェーデンの高電圧送電線の近くに住む人たちにおける磁界とガン」
送電線から50m以内の住宅に住む子供では、白血病になるリスク比が2.90である内容のもの。調査対象は、220kVと400kVの高圧送電線から300m以内に住んでいたスウェーデン在住者50万人の記録。
1960年から1985年までの25年間の記録を調査した。その結果、

  1. 3mG以上の磁界に曝露(影響をうける)されていた地域で発生した小児白血病が7例あり、相対危険率は3.80となった。
  2. 1mGー2.9mGの磁界に曝露されている地域では、相対リスクは1.5であった。
  3. 住宅内での現在の磁界測定値とガンとの関連性は認められない。
  4. 送電線から50m以内の家に住む子供の小児白血病の相対リスクは2.9となったが患者数が少ないため何とも言えない。
  5. 白血病以外の小児ガンについては大きなリスクが認められない。

インタビューの中で

サビッツ・カロリンスカ論文の検証
50Hz、60Hzの送電線によってつくられるEMFについての報告
疫学研究について
ガンとの関連についてEMFとの関連が認められている。
同時にどのようにして交絡因子を排除するか問題である。
細胞レベルでの実験

動物を使った実験

世界保健機関環境保健基準35
ELF(超低周波のEMF)レベルの曝露から人間の健康への有害な影響は確認は確認されていない。電界と磁界の影響に関して、そのメカニズムの究明と、よく設計された疫学研究の継続を勧告する。
アメリカ議会技術評価局報告
ELFがガンの促進に寄与するという仮説を指示するものの、実際にそうであるという証拠にはならないし、必ずしも強力な徴候とさえ言えない。
イギリス放射線防護局報告書
生物学的に意味のある相互作用のメカニズムは、まだ実験的に確認されていない。また、EMFがガンの促進因子として影響するという報告もあるが、ガンの促進を実証するには不十分である。

「粘土・天然繊維複合多孔体の製造方法」PatentD.B.

[back]


【要約】
【目的】 石油製品の発泡ポリスチレンに替わり得る無公害・無環境汚染の原料のみからなり、かつ回収再利用が可能で、やむを得ず廃棄す るに際しては天然の土壌に容易に変換される軽量で、かつ不燃性の材料を提供する。
【構成】 この材料は、天然又は合成の粘土と天然繊維とを水と混合して混合ゾルとし、この混合ゾルを1×10-3ml/秒以上の凍結速度で急 速凍結後、融解することなく乾燥することにより得られる粘土・天然繊維複合多孔体である。混合ゾルの重量固液比は1%以上25%以下が 好ましい。天然又は合成の粘土と天然繊維のほか、水溶性糊、色素又は香料の少なくとも1種を水と混合することもできる。発泡ポリスチレン にはない性質を有し、丈夫であり、緩衝材、不燃断熱材、吸音材、吸着材、果実鮮度保持材、触媒材、脱臭材としての利用が可能である。

「有害生物の防除法」Patent D.B.

[back]


【要約】
【構成】 周波数15KHZ 〜100KHZ の超音波により水の単位体積当り0.05j/cm3 〜1Kj/cm3 の総エネルギーで処理することを特徴と する有害生物の防除法。
【効果】 水中の有害生物を環境汚染なく的確に駆除できる。

「抗菌性組成物、その製造法、それを用いた樹脂およびコーキング材」PatentD.B.

[back]


【要約】
【目的】 樹脂表面上で安定した抗菌抗かび効果を示す抗菌抗かび性組成物を提供すること、また樹脂中より溶出しても環境汚染の原因とな りにくい抗菌抗かび性組成物を提供すること、さらに上記優れた性質を有する抗菌抗かび性組成物を製造する方法を提供すること、また上記 優れた性質を有する抗菌抗かび性組成物を用いた抗菌抗かび性樹脂あるいはコーキング材を提供することを目的とする。
【構成】 本発明は、抗菌抗かび材料がシリカゲル粒子等の多孔性粒子担体に担持してなる抗菌抗かび性組成物である。また、抗菌抗かび材 料が金属錯塩であり、また、金属錯塩が銀、銅および亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種以上の金属の錯塩であることを特徴とす る。さらに金属錯塩が、チオスルファト金属錯塩であることを特徴とする。また金属錯塩がチオスルファト銀錯塩であることを特徴とする。

「廃糖蜜の処理方法」Patent D.B.

[back]


【要約】 (修正有)
【目的】 砂糖キビや甜菜などを原料とする砂糖製造工程より排出する廃糖蜜を、閉鎖系処理により有効利用することを目的とする。処理対象 の廃糖蜜の主成分であるシュクロースを、フラクトオリゴ糖へ変換することにより、飼料添加物として生理活性を備えた組成物として系外へ回 収する技術に関する。
【構成】 (1)フラクトシルトランスフェラーゼ活性を有する糸状菌培養物を廃糖蜜の主成分であるシュクロースに作用させ、フラクトオリゴ糖へと 変換させること。 (2)反応に用いた菌体を含む、廃糖蜜中の成分、全量を飼料添加剤組成物として加工する。 などの手段により、環境汚染源として問題とされる製糖工業における排泄物、廃糖蜜を処理する新規な技術思想により構成される。

「雑草抑制膜およびその固定具」Patent D.B.

[back]


【要約】
【目的】 軽量で、かつ通気性、通水性、遮光性がよく、しかも環境汚染のない雑草抑制膜を提供することを目的とする。
【構成】 紙などの植物繊維からなる材料で編んだシ−トにポリ乳酸などの分解性プラスチックを被覆させて膜を作製するとともに、この膜の固 定具も同様な材質で作る。

「廃棄物被覆剤及びその使用方法」Patent D.B.

[back]


【要約】
【目的】 環境汚染を起こさず手軽で安全に飛散性又は腐敗性廃棄物を処理、処分する。
【構成】 キトサンを主成分とするA液と、該A液を凝固させる植物油を原料とする界面活性剤を主成分とするB液とよりなる廃棄物被覆剤、又 は、アルギン酸を主成分とするA液と、該A液を凝固させる金属イオン含有液を主成分とするB液とよりなる廃棄物被覆剤であり、これらの被覆 剤は廃棄物上に、A液とB液を別々に、あるいは同時に又は混合して散布することにより被覆膜を形成する。

「粉 炭」Patent D.B.

[back]


【要約】
【目的】 牛糞、鶏糞、豚糞等家畜の糞を肥料として使用するだけでなく、燃料や土壌改良の作用を付加し有効利用する。
【構成】 牛糞、鶏糞、豚糞を炭化し粉炭とする。
【効果】 牛糞、鶏糞、豚糞等の家畜の糞を炭化することにより、粉炭として有効利用できると共に、粉炭として軽量化するため、保存、運搬が 容易となり、又匂いもなくなるから環境汚染を防ぎ、公害防止に寄与し得る。そして、牛糞、鶏糞及び豚糞等は灰分の割合が鋸屑や植物性 残渣に比べ大きく、その灰分中にはリン、イオウ、マグネシウム、カリウム、カルシウムが多く含まれるので、燃料として有効であるばかりでな く、土壌改良の効果が大きく付加価値を高めた。

「米からの洗浄剤」Patent D.B.

[back]


【要約】
【目的】 洗浄剤の排出総量を下げて環境汚染を防ぐことのできる素材であり、また、肌を守る天然の保湿剤としての効果を兼ねそなえ、しか も、商品にした場合に褐変等がなく、安定している天然の洗浄剤素材を提供する。
【構成】 米の水抽出物または有機溶媒抽出物を洗浄剤に含有させてなることを特徴とする洗浄剤。

「猫砂及びその製造方法] Patent D.B.

[back]


【要約】
【目的】 緑茶、紅茶又はウーロン茶等を製造した後の廃棄物である茶殻を主成分として利用することにより、フラボノイド効果があり、脱臭力、 殺菌力、吸水性、経済性の点で有利であり、軽量で焼却が可能で環境汚染の防止及び天然廃棄物のリサイクルに寄与することができる画 期的な猫砂を提供することである。
【構成】 乾燥後荒引き粉砕されて一定の大きさに粒子が揃えられた茶殻を主成分とし、これに純植物製の破砕物質並びに結着剤及び吸水剤 を混合して、整型後乾燥又は焼成してなることを特徴とする猫砂及びその製造方法である。

「土壌改良材」Patent D.B.

[back]


【要約】
【構成】 ゼオライト系組成物の粉末または顆粒物を、酢酸、木酢液などの有機酸で処理し、さらにアミノ酸を付加させて土壌改良材とする。 【効果】 土壌の保水力、通気性、透水性、保肥力等の物理的・化学的性質の改善が可能となり、省力化、農薬の流出防止、環境汚染の軽 減が可能となる。ゴルフ場のグリーンの芝の管理などに好適である。

「抗微生物剤および抗微生物性樹脂またはゴム組成物」PatentD.B.

[back]


【要約】
目的】 それ自体無毒性または無毒性に近く、それでいて抗微生物効果が高く、しかも水や有機溶媒に対して不溶もしくは難溶で、環境汚 染の問題を生じるおそれがない新規な抗微生物剤、及び該抗微生物剤を配合した樹脂又はゴム組成物を提供する。
【構成】式(1) (M12+)1-x(M22+)xO (1) [式中、M1はMgおよび/またはCaを、M2はCuおよび/またはZnを示し、xは0.0001≦x≦0.5の範囲の数を示す]の複合金属酸化物を有 効成分として含有する抗微生物剤、及び該抗微生物剤を配合した樹脂又はゴム組成物。

「芝草病原菌防除剤」Patent D.B.

[back]


【要約】
【目的】 精油成分を有効成分とする芝草病原菌防除剤が提供される。
【構成】 アニスオイル、タイムオイル、カッシアオイル、シソオイル、ベイヒバオイルおよびベイオイルから選ばれる精油成分を有効成分とする芝 草病原菌防除剤は、環境汚染のない優れた抗菌活性を有する防除剤である。

「植物保護物質およびその製造法並びに植物保護物質生産菌」PatentD.B.

[back]


【要約】
【構成】本発明の植物保護物質は、例えば、特定の生産菌[寄託者が付した識別標示:AB3951]により生産される。
【効果】本発明によれば、病原菌に対して植物の生体防御機能を活性化することにより各種植物病原菌から植物を保護することができ、動物 に対して毒性がないなど安全でかつ環境汚染の少ないような植物保護物質が提供される。