この報告書は、ミシガン大学によってアメリカ環境保護庁の援助のもとで契約を満たすべく提出されたものである。
ライフサイクル設計の基礎
設計はライフサイクルの枠組に基づくシステムアプローチを採用する。その結果、製品は、処理,配送,管理と結びつき、設計のための一つのシステムを構成するようになる。
開発プロセス
ライフサイクル設計は、一つの枠組であってすべての人が正確に同じように従わなければならないルールではない。アイデアやガイドラインを独自のスタイルにあわせればよい。
設計に関する要求事項
要求事項は、社会的ニーズを効率的に満たすシステムを定義し、ニーズについて設計活動への橋渡しになる。
設計の方略
プロジェクトの目的があって効果的な方策が選ばれる。逆に方策が先になるようなことはない。低インパクト設計には、リサイクリングなどの適切な方策があるがすべてのプロジェクトに共通なものではない。
一つの方策が要求事項のすべてを満たすことはなくいくつかの方策を採用しなければならない。
環境分析ツール
ライフサイクル設計の主要な環境分析ツールは、インベントリー分析とインパクト分析である。
製品システムのインプット、アウトプットはインベントリー分析を通じて追求される。このインベントリーの解釈にはインパクト分析が必要である。
ライフサイクル設計とライフサイクルアセスメントを混同してはならない。分析は設計の一機能に過ぎない。
ライフサイクル会計
会計の実践は、製品開発の実際のコストを反映するように修正される必要がある。
環境ビジネスの領域
「使い捨て」文化を反省する動きと同時に、良いものを手入れしながら長く使う欧州型「使い込み消費」に新しい価値観を見つけはじめている。かつて、一部の市民運動家しか関心のなかった”環境”が一般消費者にも「地球にやさしい消費スタイルへの変化」として浸透してきている。
環境ビジネスの一般的分類
平成6年版の環境白書のなかで、環境関連事業を「エコビジネス」と命名し、
の4つに分類している。
有機炭素質の熱分解・低温燃焼と環境技術への応用
熱分解の技術的・経済的側面
廃棄物システムと処理技術は、石油.石炭の変遷の後をたどっていることは明らかで、大量処理、液体化、省力化の方向にある。小型のプラントは、これらと競争できる経済性と地域に受け入れられる清潔、無公害、高能率、地域への安価な熱供給が必須条件になる。
ポリオレフィン系プラスチック廃棄物を流動熱分解すると450℃で熱量の80%以上が油分を含む高温分解ガスに移るのでタール凝縮防止に配慮するだけで容易にガス燃料ボイラーと連結できる。
有機物の熱分解は、250℃付近から始まり300ー500℃で黒色の炭素になり減量・減容する。発火温度は、有機物の種類と条件によって200ー500℃程度で低温部分燃焼反応が利用できる根拠になっている。
活性炭に吸着された潤滑油は130℃で発火の危険があり200℃以下では酸素付加反応と発火との区別は一定温度での燃焼の可否によって判断する。炭化物残さは処理温度、雰囲気と熱履歴によって発火温度、燃焼性、反応性が大きく異なる。
材木については、熱分解温度の上昇に伴い生成炭素中の元素分析の酸素と水素含有量が減る。これが反応性、燃焼性に差がある原因の一つと考えられている。内部表面積と粒度が同じならばこれらの元素含有量が多い方が燃焼性、反応性が良いといえる。活性炭と吸着された有機物由来の炭素間でも同じで、この酸化反応性の差を利用しているのが炭素質吸着剤の高温再生あるいは低温燃焼再生である。木、紙、低炭化度の石炭は250℃付近でタール発生が始まるが、木は350ー400℃付近で多孔質の不定形炭素になる。木材は、200ー300℃の重量減が急激で多孔性になりやすい。木材、農林廃物は、活性炭原料や吸着剤になるが、バガス炭化物はそのままで多孔性なので染料排水処理用として高い浄化能力を示したという報告がある。
天然高分子廃棄物からの新素材開発
複合パルプ(セルコラ−ズ)の製造
天然繊維を分類すると次のようになる。
繊維を叩くと柔らかくなり繊維束間が裂けて繊維間の結合面積が増え強度が上昇する。それを利用することにより、地球環境に優しい対応の一環として繊維の再生利用を図ろうとした。天然繊維は、上下2枚のノンポーラス・無浸透砥石によってほとんど解繊できる。鉱物性繊維セピオライトもまったく同じで、解繊物とセルロース解繊物との複合パルプから不燃不織布やフィルムを製造した。
FRP代替品
セルロース:皮革くずの構成比7:3ー6:4を混合した素材を最終的にスーパーグラインデルを通過させサブミクロン単位に解繊し脱水乾燥させる。比重1.22の材料について述べる。この材料は、ほぼFRPと同じ強度を示し、表面は光沢のある構造材が得られた。ドイツ航空宇宙研究所でも生分解型構造用複合材が開発されたと報じられている。原料は、天然高分子でガラス繊維の代替品として、麻、亜麻、ラミーを使用している。
生崩壊型セメンティングマテリアル
セメントや石膏のごとく無機マテリアルを硬化させて製品をつくる工程でセルコラ−ズを添加して硬化させる。製品の比重は軽く強度の高い材料となる。
「道路標識ガードレール打設用型枠」への関心が高まっている。
炭化物ボード
(株)トーモクは、セルコラ−ズを接着剤として利用することを試み、段ボール生産工程の中で糊として使用が可能であることを確認した。また、炭化物ボードの量産化に成功した。
炭化物ボードの特徴は、
という3つの大きな特徴をもっている。
エコマテリアルの基礎テクノロジー
有機高分子の油化・燃料化
3.牛乳パックラミネートの接触油化
スーパーで回収された牛乳パックラミネートの接触油化についての研究事例を紹介する。
牛乳パックは厚紙の内面にPE(ポリエチレン)をラミネートしたものであり、苛性ソーダ等の溶剤により厚紙部分を溶解・選別し再生紙の原料としていた。容器包装リサイクル法によりPEラミネートのリサイクルが要求される。そこで、溶解した残さを油化することが試みられた。残さの主成分はPEでありセルロース部分が10ー30%含まれる。そこで残さを脱水・乾燥後450℃でシリカ・アルミナで接触分解すると約50%油として回収される。しかし、その中にセルロース分解成分である木酢液が含まれているためタール状になる。さらに酸化コバルト触媒により、接触油化するとわりあい透明なPEが得られる。
この50%の有効利用が要望される。
マイクロ波を利用したリサイクル技術
活性炭、木炭等の炭素質はマイクロ波吸収体でマイクロ波加熱により急速加熱され効率よく再生される。
木炭や熱処理した石炭は排ガス中のNOxを効果的に吸着するが、マイクロ波照射を適切に利用すると、NOxを炭素上で還元して窒素と二酸化炭素に変換できることが報告されている。
マイクロ波加熱法では、150℃以下で反応が進む。
この過程では、活性炭の炭素が使用されるため、マイクロ波でリサイクルする程活性炭の表面積が増大し、多孔質化するがある回数を繰り返すと、炭素質が消耗して吸着量が低下してくることが明らかになっている。
マイクロ波照射
マイクロ波を用いるリグノセルロース前処理
我が国では、2.45GHz、915MHzのマイクロ波が利用可能である。木材チップまたは、木粉を密閉系中水共存下で数分間マイクロ波加熱することによって、セルラーゼの攻撃を受けやすくなり理論値の90%以上の単糖を生成する。マイクロ波加熱温度190℃あたりから急激に酵素糖化率が増え220℃で最高となる。その値は、ブナでは木材当たり77%、アカマツでは50%である。液のpHは、木材中の酢酸が遊離するため200℃で約3.0まで下がる。
この弱酸性高温の条件下でリグニンのエーテル結合の切断とヘミセルロースの加水分解、セルロースの分解も起こる。この時、リグニンの大部分は分子量3000ー4000まで低下し、ジオキサン、メタノール、希アルカリに溶解するようになる。
マイクロ波照射と爆砕を比べると、マイクロ波加熱の方が高い酵素糖化率を与える。特に、初期段階ではその差が著しい。これは、爆砕時にリグニン溶融物が飛び散り、木材繊維表面に再吸着することによると言われているが、マイクロ波の高い周波数に起因するリグニンーセルロース間の水素結合の切断も酵素糖化にプラスに寄与しているものと考えられる。
特殊吸着性カーボン
活性炭の変形、特殊吸着性カーボンとして
が注目されている。
(1)分子ふるいカーボン
分子ふるいカーボン(MSC)は活性炭と同様に微晶質炭素で疎水性、非極性の性質をもち、被吸着分子の形または大きさに基づく選択作用、いわゆる分子ふるい作用を示す特殊活性炭である。(限界分子径5オングストローム)
醸造食品の異臭味の除去、香味の矯正に著効がある。
(2)イオン交換カーボン
木質イオン交換体の製造に関する研究が発表されている。
イオン交換性炭素質吸着剤を用いてSO2−O2系または排煙ガス系の混合ガスからSO2を吸着除去する比較実験を行い、硫酸処理することによりSO2に対する親和力が増大し、各反応温度において脱硫性能がつねに著しく向上することを見出している。
(3)含浸添着カーボン
活性炭の多孔性構造を利用し、活性炭表面に各種化学薬品を添着(溶液浸漬)し、被吸着質を化学吸着または化学反応を起こさせるようにしたものである。これらの中には、活性炭を触媒担体として使用し、各種化学薬品を胆持し、化学反応の触媒として利用したものや悪臭気体や有毒ガスと接触反応し、脱臭や除毒の効果が顕著なものがある。すべてが気相操作である。
ー再生紙と多様な用途への資源化ー
パルプモールド
再生紙以外の古紙の用途として、比較的長い歴史を持つものにパルプモールドがある。一般には、卵の10個入りパックに使われているのが知られているが、近年、青果用、工業用に用途が広がっている。
青果用パルプモールドは、りんごやメロン、柿、桃などの包装材として定着しており大量用途として大きな市場を形成している。これは、輸送するための緩衝材としての機能に加え、通気性、吸湿性に優れている点が評価されてのことである。
工業用パルプモールドは現在、陶器、電線碍子、家電製品、部品、水栓金具、カーオーディオの緩衝・梱包材や、ワイン、ウイスキー缶詰の贈答用内装材など幅広い製品分野で使われている。
経済性高める技術開発
多品種小ロット製品の用途では、パルプモールド製造に占める金型のコストは大きくなる。工業製品の場合、パルプモールド金型の形状が複雑で金型の制作期間だけでも約1ヶ月を要する。これを解消するため、従来の金網型とは違うワイヤーレス成形法開発が目立つようになった。
乾式製造法も研究されている。
進む使用形態にあわせた多様な製品開発
紙バラ緩衝材(リンテック)
古紙100%の紙をコイルスプリング状のチップに仕上げており、用途によってはリサイクル可能なヒートシール性を持った包装紙と組み合わせ袋詰めして袋状緩衝材としても利用できる。
ボード状緩衝材(東洋油圧工業)
古紙、段ボール、紙管などの材料をシュレッダーに投入し解繊し、それを集合機に集め粉末樹脂などと計量の上ミキサーへ送り、用途にあわせボードや成形品にするもの。
乾式解繊による製造技術の開発(エイワ)
新聞・雑誌などの酸性古紙あるいはコンピュータ用紙などの中性古紙を乾式で粗砕・解繊し粒状にして成形したものを任意に決着させる方法。両面にクラフト紙をはるか表面硬化剤を噴霧することにより発泡スチロールと同程度の緩衝特性が得られ有用性が高い。
リサイコー(オカベカミコン)
商品を両側から保護するサイドパック、角コーナー、部品用トレーなど牛乳パック100%をリサイクルした防水加工を施した食品用トレーも開発。ミルクカートンやフィルム印画紙メーカーから出る損紙を原材料にそれらのラミネート部やアルミコーティング部分をガスバーナーであぶって溶解し、接着剤代わりに積層圧着させることにより、多目的用途に対応した積層圧着ボードとして製品化した。
セルローズファイバー
建築資材で使われる断熱材には、天井裏、壁の間、床下に断熱施工用に使われている。材料は、グラスウール、ロックウール、セルローズファイバー、発泡ポリスチレン、フォームポリスチレンなどがある。そうした中で、セルローズファイバーが今後大きく需要を伸ばしていく可能性がある。セルローズファイバーの利点は、新聞古紙など木質繊維の天然素材が使われている点である。
製造法は、乾式処理方式で粉砕・解繊によりワタ状にし、ホウ素系の薬品で防燃処理を施すほか、撥水、防かびなど建築資材としての性能を持たせる。このセルローズファイバーによる断熱材は、1本1本の繊維の中にある空気胞と繊維の絡み合いでできている空気胞によって二重の空気の壁を持つことになるため、他の断熱材に比べ熱の伝導率が小さく保温・保冷に優れた断熱効果を発揮する。また、同じ理由で高い吸音性を発揮し防音効果も優れている。また、木質繊維は周囲の状態に応じて水分を吸ったり吐いたりする吸放湿性を持つ素材であるため、居住空間に適度な湿度をもたらし結露も防止する。
コンクリート型枠
ビルの建設工事におけるコンクリートの流し込み作業には、その外枠となるコンクリート型枠としてラワン合板が多量に使用されている。しかし、使用後の処理で”ごみ問題”を誘発し、一方で熱帯林の保護からも多量使用が問題になった。こうした建設業界の環境対応の動きに連動し、コンクリート型枠合板の代替商品が各種開発され上市されるようになった。
代替商品は、
に大別される。2.においては、古紙・パルプの調成技術があり、古紙と樹脂を複合化する場合製紙メーカーがアプローチしやすくなっている。(北越製紙)
家畜用資料
牛や養鶏などの家畜を飼育する場合、従来、排泄の水分などを吸収する敷料としてにわらや鋸屑(ソーダスト)、ウッドチップ(小さな木片)などが一般に用いられてきた。相手が生き物だけに排泄物の処理は家畜主の最も気の使う部分だが、最近ではワラや鋸屑は病気の原因となるほこり、化学物質、寄生植物、雑草の種などの微生物が含まれ非衛生的であり、また、作業の大変な点、わらの発生量自体が減少し、集荷が難しくなっている点から、それに代わる新聞古紙敷料が使われだしている。
ペーパーベッド(トーメンと栗原紙材の共同開発)は、新聞古紙をシュレッダーにかけうどん状にし、しわをかけてクッション性を出すなど、サイズ、形状の物的効果を加え新聞紙の従来持っている吸水性・保温性などがより効果的に発揮されるようになっている。
ペット用資材
ペット関連用品分野で古紙の再利用が進められ、今後も利用増加が期待できそうな商品に”トイレ砂”がある。トイレ砂は材料によって1.鉱物系、2.紙砂、3.その他に分けられ、ペットの排水後の機能によって、1.固まるタイプ、2.固まらないタイプに分けられている。
消費のウエイトは、低価格の鉱物系が主流を占めている。この鉱物系に対してパルプを原料にした2.紙砂は、割高で大きくないが、
などの利点があり、年々ニーズが高まっている。
ー最適環境とリサイクル化社会の実現を目指してー
古紙再利用でエコロジーボード製造
新聞紙古紙に含まれているリグニンをオゾンによって酸化させると接着効率が向上することに着目し、エコロジーボードの開発に着手した。リグニンがオゾンによる化学修飾により接着効率を増すことは、農林水産省森林総合研究所木材化学研究室の研究成果であり、それをもとに古紙利用のボード化技術が生まれた。木質材料の接着において酸化処理が有効なことは古くから知られていたが、反応性の高い酸は接着後の木質材料自体の劣化を引き起こし、劣化による空隙に充填剤や架橋剤による処理が必要になるなどの問題があった。オゾンによる酸化処理は、リグニンに親水性のカルボキシル基が導入されるため木質材料表面の漏れ性が改善され、接着剤を用いなくても熱圧接着が可能なことが実験によって実証された。
エコロジーボード製造方法
新聞古紙を予めシュレッダーによって細かく切断し、解繊ミルへ搬入される。ミル内では、超音波による衝撃とともに古紙片を乾式解繊する。解繊されたものは綿状になっており、オゾン酸化を行い接着効率を上げる。これに少量の接着剤を添加したり、無添加によって高圧プレスにより熱を加え圧縮ボード化する。
オゾンは、電子供与性置換基のついた芳香族の核を持つリグニンに対して反応性が非常に大きく、反応後有害物質を出さないなどの利点がある。リグニンに対するオゾンの主反応は芳香族核の酸化開裂反応で、反応初期の生成物はムコン酸誘導体となる。さらに酸化してシュー酸、グリコール酸などの低分子有機酸にまで分解される。オゾン処理により、繊維表面が親水性化することでボンディングポテンシャルやフレキシビリティーが増加し、解繊された古紙ファイバー間の接着性が向上するために強度が得られる。栗原和夫
古紙からの乾式パルプモールド法(DMPM法)
新しいDMPM法は、大量の古紙を使用せず粉砕した古紙(または紙ごみ)をでん粉糊とともに金型面に吹き付け金型を閉じて加熱し、金型内で紙を固化成形する方法である。各部に必要な量を同時に吹き付け、すぐに金型を閉鎖し加圧加熱する。この方法で成形すれば、肉厚が薄く軽量でかつ強度を有する高精度の製品を成形することができる。
DMPMの効果
湿式パルプモールドとの比較
原料吹き付け効果
金型による効果
【要約】
【目的】 補強繊維としてパルプ繊維を使用した場合、パルプ繊維とセメントマトリックスとの密着性を向上し曲げ強度に優れる繊維強化セメント
板を製造することを目的とする。
【構成】 補強繊維として必要量のパルプ繊維、その他軽量骨材、充填材等を添加してなる繊維強化セメント板の配合において、パルプ繊維に
カチオン性の紙力増強材をパルプ繊維重量に対し1〜4重量%添加して予め均一混合し、しかるのちにセメント、シリカ分等の他の配合材料と
混合し、該混合物より板状体を成形し養生硬化させることから構成され、パルプ繊維表面をカチオン性とすることにより密着性改善を図る。
【要約】
【目的】下水汚泥を再利用することにより、下水汚泥の廃棄処理に伴う問題と省資源の問題とを同時に解決する。
【構成】カルシウム成分調整剤が添加されている下水汚泥スラグを繊維化させた下水汚泥スラグウールまたは該スラグウールとスラグウール
以外の無機質短繊維との混合繊維を無機質繊維成分として含有し、しかも、該無機質繊維成分100重量部に対してバインダー成分10〜30
重量部が添加されている成形用原料によるシートまたは立体成形体。
【要約】
【目的】 軽量性及び断熱性において特に優れてた木質系板状繊維板を得る。
【構成】 パルプを抄造機にて一定厚さに成型し乾燥して木質系板状繊維板を得るに際して、パルプ
100重量部に対し、発泡性樹脂粒子1〜 10重量部を水の中で接着剤と共に分散させて所望厚さより10%以上厚く抄造成型し、それを加熱して発泡性樹脂粒子を発泡させつつ水分の
大半を蒸発させ、更に加熱された面で押圧して所望厚さの木質系板状繊維板を得る。
【要約】
【目的】 曲げ強度や耐凍害性、耐衝撃性の性能を高くする。
【構成】 セメントを主成分とし、広葉樹晒硫酸塩パルプ或いは広葉樹未晒硫酸塩パルプの少なくとも一方を含有する。この無機質板に用いる
広葉樹晒硫酸塩パルプ或いは広葉樹未晒硫酸塩パルプとして、繊維径5〜30μm、繊維長0.2〜1.0mmの繊維を全本数の6割以上含
有するものを用いる。極端に短い繊維、或いは極端に細い繊維の割合が少なくなって、セメントを補強する効果が低下しないようにすることが
できる。
【要約】
【目的】 吸音材、電磁波の吸収材として優れた無配向のノン・ウーブン・ファブリック。
【構成】 長さ20mm以下の短繊維を湿式抄造法によりノン・ウーブン・ファブリックを製造するさいに、該抄造液を起泡させ、気泡表面に短繊維
を分散させた状態で抄造し、消泡、脱水して製造する。
【効果】 得られた製品は立体的にも配向がほとんどないため、吸音性、電磁波の吸収について方向性がないノン・ウーブン・ファブリックであ
る。
【要約】
【目的】 耐候性、難燃性を有し、かつ、湿度調節機能、断熱機能および遮音機能も発揮可能なセラミック繊維とセルロース性繊維との組成物
および建築用ボードを実現すること。
【構成】 建築用ボード1のボード本体1aは、セルロース性繊維2と多孔質セラミック繊維3とが混和された組成物からなる。その製法は、セル
ロース性繊維2として約50重量%のパルプおよびリンターパルプと、多孔質セラミック繊維3として24.2重量%のセピオライト繊維およびアタ
パルジャイト繊維とを、セルロシンなどと共に水に懸濁して、それを注型、圧搾、乾燥する。
【要約】 (修正有)
【目的】構造中にピートモスを使用せず、十分な吸収性、吸上特性並びに好都合には短い液体浸透時間をもち、使い捨て吸収製品、特に衛生
ナプキンへの使用に適した柔軟性を有するセルロースパルプボードを提供する。
【構成】親水性化及び軟化のために有効な量の剥離剤を組み込んで含む穿孔型押セルロースパルスボードから成り、ボードの吸収密度が約
0.1ないし1.0g/cc の範囲にあり、高度な吸収性、柔軟性を有するセルロースパルプボード。また、衛生ナプキンに、吸収及び吸上コアとして、
乾燥厚さを0.045ないし0.070インクとしたこのセルロースパルプボードを一体化させることで、薄い心地良い衛生ナプキンに良い液体吸収性を
与える。
【要約】
【目的】 燐酸エステル化した木材パルプを繊維質が破壊されるまでミクロフィブリル化することにより得られたバインダーで無機質繊維を結合
することによって、難燃性,吸音性,軽量性,強度等の各種性質に優れた建築用資材を得る。
【構成】 燐酸エステル化した木材パルプを極限まで叩解するとき、繊維質が破壊されノリ状態となる。このミクロフィブリル化された木材パルプ
は、結合力が大きく難燃性であるため、ロックウール,ガラス繊維等の無機質繊維を結合したとき、建築用資材として要求される各種性質を満
足する材料が得られる。
【要約】
【目的】 汚泥から得られるスラグウールを用いた、軽量且つ曲げ強度に優れた吸音板を製造する。
【構成】 原料として、下水に含有されている汚泥から得られる、20〜100
wt.%の量のスラグウールと、残りの量のロックウールとを使用する。
原料に水および所定の添加剤を混合し、攪拌して1.0
〜3.0 wt.%の濃度を有するスラリー状となす。スラリー状混合物を抄造機に導き、抄造機
によって所定厚さを有する板体に抄造する。板体を乾燥しその表面に孔開け加工を施こす。
【要約】
【目的】 低密度、高剛性、低損失の各特性を損なうことなく紙振動板の通気性を効果的に抑制する。
【構成】 抄造した紙振動板をミクロフィブリル化したパルプ分散液中に浸漬し、背面より吸引して表面にミクロフィブリル化したパルプを堆積す
る。ミクロフィブリル化したパルプとしては、植物から得られたセルロースをカナダ標準瀘水度300ml以下になるまで叩解処理したものや、バ
クテリアから産出されるバクテリアセルロース等を用いる。
【要約】
【課題】 組付時には充分な強度を確保することができ、しかも不要時には簡単に取り外すことができるようにする。
【解決手段】 従来のDFM製法に替えてWFM製法によって防錆カバーを製造することとした。即ち、水槽64内には紙繊維62を主材とする混
合水溶液74が貯留されており、その中に多孔質の防錆カバー型76を浸漬させる。次に、バキュームポンプ92によって混合水溶液74ごと吸
引する。これにより、防錆カバー型76の型本体80におけるマスキングされていない部分の表面に、後に防錆カバーとなる紙繊維層が形成さ
れる。上記製法によれば、バキュームポンプ92による吸引時間を調整することで、組付時の要求強度に見合う任意の板厚の防錆カバーを得
ることができ、しかも紙繊維62による結合を基調としているため破断し易く取外し易い。
【要約】 (修正有)
【目的】 水力工業用池、潟建設時の環境汚染コントロール用、危険・有毒物又は核廃棄物に対する土壌シーラント、また例えば牧場から出る
動物廃棄物の保持用に適する水透過性及び/又は油透過性遮断剤(バリヤー)としてのシーリングマットを提供する。
【構成】 このシーリングマットは、基板層、膨潤性粘土中間層およびカバー層よりなる3層がニードルパンチされて構成され、該基板層及びカ
バー層は不織繊維材料、織布、縫合布及びプラスチックシートからなる群より選ばれるが該基板層と該カバー層のうち少なくとも1層が不織繊
維材料からなり、該粘土層の面積重量と膨潤能力は図に規定される条件を満足し、該不織繊維材料の面積重量と有効開口サイズも特定条
件を満足することが必須である。
【要約】
【目的】 本発明の目的は、著名植物であるラミー、リネン、ジュートおよびマニラ麻を始めとする草本植物から高品質の繊維を安価かつ効率よ
く採取する方法を提供することである。
【構成】 草本植物を第1段処理において水酸化ナトリウムと過酸化水素との混液で温度55〜90℃で1.5〜6時間処理し、第2段処理におい
て水洗しながら水圧または機械的圧力により付着夾雑物を除去し、第3段処理において混液の濃度および温度を高め、処理時間を短縮して
処理する方法である。
【効果】 本発明によれば、ラミー等の原料から極めて高品質の繊維を安価かつ高収率で環境汚染することなく得ることができる。
【要約】
【目的】 合成樹脂表面に抗菌効果を付与し、環境中に溶出しても環境汚染の原因となりにくく、かつ作業性良く合成樹脂中に混錬でき、合成
樹脂製品として抗菌抗黴性能を十分に発揮する抗菌性組成物を提供する。
【構成】 粒径が1〜10ミクロン、吸湿等温線1に示されるような吸湿特性を有する日本工業規格JIS
Z 0701「包装用シリカゲル乾燥剤」規 定のB形シリカゲルを担体とする抗菌性組成物であって、純水、エチルアルコール等の溶媒100〜500重量部に塩化ベンザルコニウム液0.
05〜5重量部を混合した液にB形シリカゲル100重量部を分散混合し速やかに乾燥させた後、粉砕して製造する。
【要約】
【目的】フロンやハロン等のオゾン層破壊物質、ならびに農薬等の有機物質を紫外線照射処理および化学分解処理することで当該物質の無
害化と同時に、環境汚染物質の回収システムを提供する。
【構成】被処理物質が投入される取入口1と連絡しているT字管3の下流に紫外線照射装置4、反応溶液5を貯溜する反応槽6、濾過装置10、
バルブ9、およびポンプ11を配設してなる循環処理経路2から構成された環境汚染物質の分解処理装置。反応槽6には槽内での化学反応を
促進するためのモーター8駆動式の撹拌翼7を槽6内中央部に設置する。
【要約】
【目的】 環境汚染の原因となるアスベストを使用しない消弧材料を得んとするものである。
【構成】 特定の無機繊維10〜30重量%、ガラス粉末40〜55重量%及び耐アーク性添加剤30〜50重量%から構成され、適量の有機バイ
ンダーと水を添加してなる成形材料を金型に充填し、100kg/cm2
以上の加圧力で成形体を作製し、上記成形体を乾燥して水分を除去した
後、焼成炉中で上記ガラス粉末が溶融しはじめる温度まで加熱し、焼成体を得るものである。
【効果】 アスベストを何等含有させずして、諸特性に遜色のない消弧材料を得る効果を示すものである。
【要約】
【構成】 アルファルファ緑葉脱タンパク質上澄液を有効成分として含有する組成物を使用して樹木の発根及び/または活着を促進することを
特徴とする樹木の生育促進方法。
【効果】 本発明によれば、容易に入手できる牧草のアルファルファから得られるブラウン・ジュースを用いて樹木の生育、特に発根及び/また
は活着を促進させることができるので、環境汚染や薬害の恐れのあるホルモン剤等を使用することなく、安全でかつ健全な移植や増殖が可
能となる。
【要約】
【構成】粒径0.01〜5mmの結晶化下水汚泥スラグ、セメント及び着色材よりなる気孔率が20〜30容積%の透水性カラー舗装板。
【効果】本発明のカラー舗装板は美麗であって強度も大きく、透水性も高い。又、重金属の溶出による環境汚染の問題もない。その結果、下
水汚泥焼却炉から大量に排出され、処理に考慮している焼却灰を有効利用することができる。
【要約】
【構成】下水汚泥の焼却灰に石灰、ケイ砂、レンガ又はLDスラグを加えて、カルシウム/ケイ素の比をCaO/SiO2換算の重量比で1.0〜4.0と
し、この焼却灰の溶融物を風砕し、得られた風砕スラグにエポキシ樹脂を加えて混練、成形することを特徴とする透水性舗装板の製造方法。
【効果】本発明の舗装板は美麗であって強度も大きく、透水性も高い。又、重金属の溶出による環境汚染の問題もない。その結果、下水汚泥
焼却炉から大量に排出され、処理に考慮している焼却灰を有効利用することができる。c/s比の調整に用いる石灰、ケイ砂は安価であり、レン
ガ、LDスラグは産業廃棄物を利用できる利点がある。
【要約】 (修正有)
【目的】 環境汚染、埋め立地の満杯などの問題を生じることなく、資源として有効に利用され得る処理物が生成する医療廃棄物の滅菌処理
方法を提供する。また広い設置場所を要しない、構造が簡単で取扱いおよび保守の容易な医療廃棄物の滅菌処理装置を提供する。
【構成】 医療廃棄物(伝染性廃棄物)に密閉容器中で、水と速やかに反応して多量の熱を発生する物質(例、生石灰、軽焼苦灰石)、易水溶
性不揮発性物質(例、塩化カルシウム、苛性ソーダ)および水を混合し、混合物を反応熱により121℃以上の温度に20分間以上保持すること
により、医療廃棄物は完全に滅菌され、滅菌処理物は、コンクリート、人造石などの骨材として利用することができる。
【要約】
【目的】 石油製品の発泡ポリスチレンに替わり得る無公害・無環境汚染の原料のみからなり、かつ回収再利用が可能で、やむを得ず廃棄す
るに際しては天然の土壌に容易に変換される軽量で、かつ不燃性の材料を提供する。
【構成】 この材料は、天然又は合成の粘土と天然繊維とを水と混合して混合ゾルとし、この混合ゾルを1×10-3ml/秒以上の凍結速度で急
速凍結後、融解することなく乾燥することにより得られる粘土・天然繊維複合多孔体である。混合ゾルの重量固液比は1%以上25%以下が
好ましい。天然又は合成の粘土と天然繊維のほか、水溶性糊、色素又は香料の少なくとも1種を水と混合することもできる。発泡ポリスチレン
にはない性質を有し、丈夫であり、緩衝材、不燃断熱材、吸音材、吸着材、果実鮮度保持材、触媒材、脱臭材としての利用が可能である。
【要約】
【目的】従来ゴルフ場の芝草の病害の発生に対しては、殺菌剤等の農薬による防除が行われてきた。しかし、現在使用されている殺菌剤の
多くは、合成化合物を原料としており、環境汚染が危惧されている。本発明は天然物により芝草の病害を防除しようとするものである。
【構成】ビワの葉から抽出したビワエキスと食用酢との混合液を適当に希釈してそれをそのまま、あるいは粉石けんを少量加えた後に、如露、
噴霧器で芝草の病斑部分に散布する。