「包装技術」1994,VOL.32,NO.4

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モルトフィールド(ビール粕)の紙への利用について 前田博伸

もろみを濾過した際濾過槽に残る麦芽の量が年間約19万トン発生する。そのうち、年間約5千トンのモルトフィールドが余剰となり産業廃棄物として処理しなければならなかった。
モルトフィールド中に含まれている約3.8%の粗繊維の有効利用を行っていく。
紙の平滑性と美粧性のために使用されている。

「包装技術」1995,VOL.33,NO.12

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LCAの考え方とISOのおける動向

LCAとは一つの製品が原材料獲得段階から最終的に廃棄処理されてその使命を終えるまでの全生涯に及ぶ社会への影響をすべて算出し、総合的な見地から環境負荷の少ない製品開発を進めるための評価法として提唱されたもの。
影響評価においては、

  1. 健康影響:人間への健康影響
  2. エコロジー的影響:自然、植生への影響
  3. 資源影響:枯渇性資源の使用とその評価
  4. 社会福祉(社会的健全性)

があるが、その影響程度は周囲条件、その他の環境条件、環境対称の状態、発生のタイミングなど非常に複雑な要因に支配される。
LCAの手法、実現における各種の課題

LCAの基本概念は単純明白であるが、これを実現する具体的手法に関してはデータ取得、その機密性維持等の制約から多くの技術的問題を抱えており、現実的な対応手法が試行錯誤的に試みられているがまだ議論も残り確立したものとは言えない。


「包装技術」1996,VOL.34,NO.9

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環境にやさしい包装開発の展望

ニーズに沿った商品群から自社製品を消費者に選択させる差別化が必要である。
売れる商品は他の商品よりも優位性があり差別化されていることである。商品の差別化は、デザイン、価格、使いやすさ、便利性などが消費者の選択基準になり、マーケティングが重要である。それは、”心理的ニーズ”によるものが大きくニーズの実態がつかめないためである。
そのため、次のような戦略がとられている。
・商品戦略・デザイン戦略・包装形態戦略・価格戦略・小売店戦略・ブランドネーム戦略
・販売推進戦略・広告宣伝戦略・企業イメージ戦略

「手作りエネルギー大全」

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10万円のミニシステムで十分実用に耐える太陽電池
太陽電池は、半導体の一種で、光のエネルギーを直接電気エネルギーに変換することができる「エネルギー変換素子」である。
「変換効率」は高率なほど性能が高くなり1m2当たり10%なら100W、12%なら120Wの電力が得られることになる。国内の標準的な地域で1m2の地面に降り注ぐ太陽光のエネルギーは、1日当たり3850Wh/m2程度である。その12%を電気に変換できれば1m2の太陽電池をただ置くだけで計算上1日当たり約460Whの電力が得られることになる。毎日の天候の変化やロスを考慮すると1m2当たり260Wh/日程度となる。製品ベースでは受光面積0.42m2の実際の太陽電池で約110Wh、これが一日に平均して使える電気量となる。太陽電池は、屋根、施設の空きスペースを利用することができるためそのメリットは非常に大きいと考えられる。また、発電に関して無騒音、無排気であり、駆動部品を一切持たないのでメンテナンスが非常に簡単である。
太陽電池の価値は、平成9年1月現在、1W当たり1000円前後。太陽電池は50Wのパネル(1.2X0.3m)を一枚購入する。(購入価格約5万円)発電した電気をバッテリーに蓄えて置く必要がある。多くの場合、自動車用のものが使われている。高性能のバッテリーをお勧めする。ドイツ製「ゲルセル55Ah」のもの(25000円)。さらに、コントローラー。これは、過充電状態になるとバッテリーが痛んだり寿命が短くなるのでそれを守るためのもの。(安価なもので1万円)。
このシステムで年間を通して毎日使用できる電力量が110Wh。これは、100Wクラスの電球、発電器などの機器なら約1時間使うことができる。このシステムは独立電源として日常的には門灯や常夜灯、モータなどの電源として、さらに非常用に利用できる。ただし、太陽電池が発電する電気は直流であるから交流にするインバーターが必要である。
太陽電池パネルの設置場所
冬至の朝10ー午後2時まで直接太陽光が当たる場所を選ぶこと。
電線や樹木などによる部分陰ができにくいところを選ぶこと。

「科学技術100のフロンティア」

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助走し始めた太陽発電
1994年度から通産省の「住宅用太陽発電システムモニター事業」がスタートした。
太陽光発電システムを導入する個人に購入費の50%(上限1kw、90万円)を国が補助し始めた。政府が太陽光の利用に熱を上げる背景には、地球環境問題がある。
太陽電池には大きく分けて2種類ある。結晶系とアモルファス系で材料はともにシリコンである。ガリウム砒素などの化合物半導体を材料としたものや有機材料の試みもあるが、用途が限られたり、実験室レベルを出ていない。
結晶シリコン

アモルファスシリコン−−シリコンガスを真空容器の中にいれて放電によって分解、ガラス板などの上に降り積もらせて作る。

変換効率

変換効率を上げるための試作

試算
1W当たり1000円まで低減。屋根に太陽電池のパネルを設置すると、3KWシステムで600万円。
耐用年数20年として年間発電量3000kwh、金利、保守、維持費を考えると、1kwhのコストは約190円となり商業電力の8倍。
その他インバーター、制御装置などの低コスト化の余地が大きい。また、太陽電池は発電所扱いであり、設置申請手続きが複雑。
CO2研究会のエネルギー・ペイバック・タイムの計算(発電システム製造に必要なエネルギーを発電するのに要する時間)

実用化の意義は大きい。

「科学技術100のフロンティア」

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超強磁場の”見えざる力”
従来の「科学の常識」では磁場の影響は受けないとされてきた分野でも地磁気の数万倍という強力な磁場をかけるとさまざまな”珍現象”が発生することがわかってきた。
水を入れた水槽の上から強力な磁場をかけると水面がまっぷたつになる。−−「モーゼ効果」
地磁気の約8万倍の4テスラ。九州大学工学部の上野教授は超伝導磁石を使って強力な磁場を発生させ水槽に入れた水に当てた。4テスラを超えると水面が分かれ始め8テスラになると水面が真二つに裂け水槽の底がむき出しになった。強力な磁石で水面が裂けるのは、水の「反磁性体」の性質によるもの。
また、空気中の酸素は磁石に引き寄せられる「常磁性体」の性質を持つ。この性質をうまく利用して酸素を効率的に供給、メタンガスとアルコールを効率よく燃焼させることに成功した。
また、脳に強い磁場を当てる生体磁気刺激装置を開発した。約1テスラの磁場を1万分の1秒だけ発生させる装置である。これで、脳に強い磁場を当てると体の各部位を動かす神経細胞に誘導電流が発生し、無意識に指や手足が磁場の刺激で動いてしまう。
脳血管障害で体が自由に動かすことができない患者の治療に応用できる可能性が得られた。
その他

「木炭パワーで住原病を防ぐ」

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室内空気汚染の原因となる汚染物質発生源

ラドン濃度が室外の80倍?
ラドンは天然の放射性物質で、コンクリートや建材などからごく微量放出されている。1982年に国連科学委員会が発表した報告書では、高濃度のラドンを吸いつづけると肺ガンになる危険が高まると指摘された。
昔から木造で風通しのよい家屋が多かった日本では室内にラドンがたまることはないと考えられていた。最近、鉄筋コンクリートのオフィス、住宅により高気密化してきたためラドン濃度は1mm2当たり約40ベクレルで屋外の約80倍にあたるデータがでた。これは、ヨーロッパの国と同程度である。
屋内には目に見えない化学物質が充満
室内から発生する「化学物質」により、頭痛、肩凝り、倦怠感、疲労感、めまい、下痢、食欲不振、吐き気、冷え性ほか、アレルギー性疾患などの慢性病の原因ともなると言われている。
ホルムアルデヒドと人体影響

「意識・ホリズム・新エネルギー」

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生物電磁気学と気エネルギー医療
いろいろな周波数のうち0−300Hzの範囲(ELF帯)でもっとも生理学的現象がおきやすい。実際のところ、非常に弱い非イオン化電磁刺激でいろいろな生理的現象が起こることが実験されている。
従来の物理学では、電磁波は変調によって振幅変調(AM)、周波数変調(FM)、そしてパルス変調によって変形されるが、いろいろな電磁波を生体に与えた場合どのような効果が得られるかわかっていない。
地磁気
地磁気も生体に影響を与える。地磁気の強さは一定ではなく、一日一回の割合で周期的に変化する。地磁気の強さは非常に弱く、0.5ガウス(G)(50μテスラ)程度で通常の磁石の数百分の一の強さであるが、生体は敏感に地磁気に反応する。
生物電磁気学の実験

生体

「体内「磁場」革命」

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ニガウリの巻きヒゲの長さが5倍も違う
磁気は動物や人間ばかりでなく植物にもよい影響を与えることがわかっている。
実験方法は、ポリ容器内のニガウリの種子に容器の底から1日2時間磁気をあてその生育を見るというものである。実験開始から2ヶ月後2つのニガウリに生育の差が現れた。

マングローブに対する実験も行われている。
結果は、ニガウリの場合同様、磁気をかけたものとそうでないものとでは、枝の出方や成長のスピードなど発育の仕方がまったく違った。
農業物理学研究所が国営農場で行った実験では(ソ連)、

また、植物の種子のカビが磁気によって殺菌されることも確認された。

「体内「磁気」革命」

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「磁気」治療のメカニズム
我々の生体は磁性体であり、人間の体内には0.2−0.3G程度の弱い磁場がある。人体が磁気を帯びることを利用している。
1936年、米国のA.コリン博士が行った実験で犬の頚動脈を体内に引き出し血液の流れに対して直角方向に磁気を作用させるとそこに電位が発生することを証明した。発生した電位は磁気の強さに比例し、磁気の強さを一定に保っておくと電位は血液の流速に比例した。
つまり、磁気を受けた血液に電圧が生じるということは、運動エネルギーに一部が電気エネルギーに転換していることを意味する。それは、血液中にイオンを発生させることを意味する。このことは、我々の生命活動に磁気が深く関わっていることを証明している。
イオン化が自立神経を調整する
血液に磁気を作用させ、血液中に電流が流れるようにすると、電解質解離(イオンになっていないものがイオン化する)現象gは現れる。この電解質解離が自立神経の働きを変化させる作用を持っている。
血液拡張、収縮など我々の体内の血行は、自立神経がつかさどっているから自律神経の働きに変化が生じれば、血液の循環もよくなると考えられている。血行がよくなれば、肩凝りや、腰痛などの不快な症状も解消することになる。

「体内「磁場」革命」

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地球は巨大な磁石だ
人類が誕生して約400万年というが、人間含め地球上のあらゆる生物は地磁気によって生存環境が守られてきた。同時に、常に磁気の中で生き続けてきたことになる。
中川博士は、「磁気と人間」の中で、
「地球上の生物は、非常に長い間、地球磁場の影響を受けて生活しているはずであるし、特に人体はその機能面において地球磁場と何らかのバランスをとっていたのではないかと考えた。言い換えると、人体にとってちょうどいい地球上の環境磁場があるのではないかと考えた訳である。」を述べられている。
地球上のあらゆる生物は、うまく調整された太陽エネルギーを取り込んで生命活動を維持し続けているのだ。人間も含めた生物はそうした環境に適応しきった身体メカニズムを備えているのではなかろうか。
生体から磁気が減少している
地球物理学の世界では、地球そのものの磁気が低下しているというのが定説になっている。現代の磁束密度は、500年前の約半分、最近10年間でも5%が減少しているという。
人間の力ではどうにもならない自然現象として地磁気が減少している一方で地球磁場の人工的な遮蔽という問題がある。すなわち、われわれが日常生活を送っている環境そのものが人々から磁気を奪っているという問題である。
住環境を見てみると、最近はマンションなどが増加し、鉄骨や鉄筋の建物の中で生活する人々が増えている。つまり、鉄は磁気を吸収しやすいため、地磁気が鉄の中に吸収されてしまって室内空間では、逆に磁気が減少している。
つまり、磁気は、戸外の半分0.25−0.28Gに減少してしまうのである。
そのため、さまざまな原因不明の体調不良が起こりそれが「磁気欠乏症候群」の正体である。
それを克服するには、何らかの形で体内に磁気を補給することである。

「サッカーボール型分子C60」

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赤い炭素
C60は見た目には真っ黒な粉末でも、有機溶媒に溶けるとワインレッドの色になる。
黄色い炭素
C70よりもっと炭素数の大きい分子では、トルエン、二硫化炭素などの有機溶媒に溶かしたときに可視光部にはあまり光りの吸収がなく近紫外線部に光りの強い吸収を示すようになる。このような分子は、可視光線の短波長側、つまり紫色の部分に吸収帯の端がかかってくるので補色の黄色を示す。C70よりも大きくなったフラーレンは、特殊な装置を使ってもまだ大量に得られるところまではいっていない。C70よりおおきなフラーレンを太陽光線に一年間さらしても黄色があせることはなかったという経験談がある。
フラーレン類は、紫外線部に大きな吸収を示すものの自分自身が分解することはなく、また蛍光などを発して、まわりにエネルギーを出すこともない。
最近の研究結果では、溶液の中では、溶媒分子や溶存する酸素分子を活性化して反応しやすくするらしいと言われている。また、あまり反応活性の大きな化学種ができると自分も壊されてしまう。
ベンゼン環を持つ普通の芳香族炭化水素でも、ベンゼンやナフタレンは無色透明で可視光部にはほとんど光の吸収がないが亀の甲の数が多くなってくると次第に黄色になってくる。これは、紫外領域に大きな光の吸収があり、この端の部分が可視光領域にかかっているためである。ベンゼンなどでは、光の吸収が一番大きくなる吸収極大が2450オングストロームぐらいにあるが亀の甲が多くなると次第に波長の長い方へと吸収極大が動いていく。フラーレンでも炭素の数が84ぐらいのものは赤系統の色調は示さずその溶液はほとんど黄金色を示すようになる。
青い炭素
炭素数が90ほどのフラーレンになると、可視光部の吸収が6500オングストローム付近にみられる。ただし、このぐらいの大きさのフラーレンになると炭素の数が同じでも性質が異なる異性体が存在するので紫外線部の強い吸収スペクトルには差があり、この強い吸収スペクトルの端の部分が可視光部にまで影響を与えないほどのものであれば、真っ青に見えてもいいが純粋なフラーレンが大量に得られるところまではいっていない。
白い炭素
1968年リース・クレーターの中にあるメディンゲンという村で採取された石灰岩質の岩石の中にグラファイトの微小なかけらを含むものが見つかった。それを分析するとわずかな珪素と塩素が含まれていることがわかった。
白いグラファイトを分析すると構造は六角晶系ではあるが構造単位の大きさがまったく異なって完全に別の結晶構造をもっていることもわかった。つまり、炭素の新しい同位体であることがわかった。
黒い炭素
カーボンブラックの用途には乾電池だとか塗料などいろいろあるが、大量に使われているのは自動車のタイヤである。トラックなど巨大なタイヤでは、重量比にすると半分以上がカーボンブラックだというものもある。だから、タイヤが燃えるとすごい量の黒い煙が立ち高温の炎が上がることになる。800℃以上の高温の炎に長時間コンクリートがさらされると、成分の炭酸カルシウムが分解するため強度が怪しくなるため、ガードレールが危険になることがある。

「サッカーボール型分子C60」

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夢があるフラーレンの応用
高温超伝導の素材になる
フラーレンが電子を取り込んで陰イオンになりやすいことを利用して、アルカリ金属と塩をつくらせることであった。(フラーライド)
ベル研究所のチームは、C60真空中でカリウムの蒸気を吸い込ませ、C60の3倍の数だけ含まれる試料は超伝導性を示しその転移温度は18Kという高さであったことを発見した。
また、NEC基礎研究所がセシウムとルビジウムを原子比2:1で構成されるフラーライドを作って調べた結果、転移温度が33Kのものが得られた。
分子ベアリングとして
球形C60は機能的には著しい強度を持っていることがわかっている。ものすごい圧力をかけてもC60の直径は10%ほどしか変化しない。(体積比70%)そうすると、硬度が著しく大きくなりダイヤモンドより硬くなるといわれている。これを利用してマイクロロボットよりも小さいロボットの可動部分のベアリングに使えるのではないかと考えられている。
理想的なエレクトロ部品になる
C60などのフラーレン分子に室温で20万気圧以上の大きな圧力をかけたり電子線ビームを当てたりすると、ダイヤモンドに変化することがわかってきた。これを利用することにより、現在のCVD法とは違って容易にダイヤモンド単結晶薄膜ができコンピュータの本体が飛躍的に小さくなるかもしれない。
新しい医療への応用も
あまり大きくないフラーレンを白血球に与えると、免疫機能が特別に高まるのではないかと考えられている。少し大き目のフラーレンに対してなら白血球は異物として確認し、細胞内に取り込むかたわら、他の免疫物質を刺激したりする。免疫機能を増進させる作用のある普通の薬剤は、生体で代謝を受けてかなり迅速に壊れてしまう。それに比べるとフラーレンは全部が炭素からできているため体内で壊れる速度が格段に小さいはずで希望が持てることになる。

「水のふしぎ」

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純粋な水ってどこにあるか
実験室レベルで手に入るもっとも純度の高い水を「超純水」と呼んでいるがこの場合、18MΩ/cm以上の抵抗値を持てば超純水としての資格を持つ。このような超純水は、注意深く作られたイオン交換樹脂を主とした超純水製造システムで作られる。中性の不純物としての有機物を考えてみる。有機物は電気を通さないから、伝導度の大きさでは評価できない。中性物質の代表としてTOC(全有機炭素数)を考えてみる。この値は超純水ではだいたい1μg/lである。
また、純粋の水の色は青色である。その理由は可視光のうち、赤い方の光を若干吸収する。そのため純粋な水は赤の補色である青い色に見えるはずである。
水はなぜ4℃で密度が一番大きくなるか
水の場合は一般の物質と違って、温度が上昇していく過程での体積変化は水分子単独運動の他にクラスター(水素結合により、液体の水では数分子の水分子が固まる)の温度変化も考慮しなくてはならない。つまり、氷で代表される隙間だらけの網目構造は、0℃に近いところの液体の水でもある程度保存されると考えられる。その境目が4℃というわけである。
H+とOH−はなぜ異常に速く動けるか
水和イオン半径の大きさからすればH+はリチウムよりはるかに動きが鈍いはずである。ところが実際にはH+が普通のイオンの約10倍、OH−が約5倍と移動速度が異常の大きい。この原因は「水素結合」によって解決される。
水素イオンはH3O+の形で存在していると仮定する。始めに一番左の水にH+がついているとし、これに電場がかかると、一般のイオンでは右側にある水分子を乗り越えて進まなければならない。ところが水素イオンでは、水素結合の位置が移動すれば結果としてH+が動いたことになるので半径0.56nmの水素イオンが動くよりはるかに速くH+が動いたことになる。これは、「ホッピングモデル」と名づけられている。OH−についても同様に考えることができる。
ほんとうにふしぎな水
アルキル鎖(炭素の鎖に水素が結合してできる長い鎖)は水となじまない典型的な化合物である。水へのい溶解度は、粒子数に換算すると炭素数が5のペンタンまでは、およそ0.005mol/l程度である。炭化水素が溶けている様子は、水分子が炭化水素のまわりで「水素結合」が強くなりその結果、クラスター構造が発達しこれが炭化水素分子をはめ込むような「孔」をつくる。そこに炭化水素が入り込むことになる。この疎水性相互作用は、蛋白質のような巨大分子の水への溶解性を考えるうえで重要な概念である。ところが、炭素数が6を超えるとファンデアワールス力により溶解性も極端に低下すると考えることができる。
巨大分子の溶液−蛋白質と細胞−
蛋白質は、何種類かのアミノ酸が非常に長く結合してできる化合物である。そして、その鎖のあちこちに疎水性のアルキル鎖をぶら下げている。通常蛋白質のように分子量数万を超える物質は、水にははとんど溶けない。ところがヘモグロビンやカタラーゼのように20万を超える蛋白質がなぜ「水に溶ける」のか
その理由は、曲がりくねった高次構造にある。蛋白質の曲がりくねった高次構造では、これら疎水性の鎖はうまく内側に折りたたまれており、表面には親水基が並んでいる。そのため蛋白知質の内部に水和層が形成され、蛋白質の機能を発揮するときの影の力となっている。

「氷の科学」

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氷の性質

−10℃の測定である。ヤング率の値は、樫などの堅い木材や金などの値とほぼ等しい。
氷はプロトン半導体
氷の電気伝導度は、温度の低下とともに指数関数的に減少する。つまり温度が低いほど電気は通りにくくなる。導体の代表である金属の電気伝導度は、一般に低温ほど大きい。つまり温度が低いほど電気は通りやすくなる。ところが、トランジスターやIC材料であるゲルマニウムやシリコンなどの半導体の電気伝導度は逆で低温ほど小さい。この振る舞いの違いは、電気伝導のメカニズムの違いからである。金属結晶は、温度が高くなって格子の熱振動が大きくなると結晶格子のひずみや不純物のため抵抗が増し、電気伝導度が減る。これに対し、ゲルマニウムやシリコンは自由電子が存在しないためわずかなエネルギーが与えられると、電子が原子の束縛から開放されて、自由電子の状態に移ることができる。したがって、温度が高くなって熱エネルギーが与えられると、自由電子の数が増え電気伝導度が増加するわけである。氷は、電気伝導のメカニズムの点からも半導体とみなすことができる。ゲルマニウム、シリコンが<電子半導体>であるのに対し氷は<プロトン半導体>である。
<プロトン半導体>
氷の電気伝導度は、水の場合と同じように解離した微量の水素イオンと水酸イオンの動きによるイオン伝導である。
イオン欠陥の性質(−10℃)

「アジサイはなぜ七色に変わるか?」

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花の4大色素

七色に変わるアントシアニンの謎
アントシアニンは橙赤から赤、紫、紫青、青と多彩な花の色を出す。ところが純化した各種のアントシアニンを水に溶かしてみると溶液の色は必ずしももとの花の色を示さず、概して赤から赤紫色になる。
花の色の3つの説

「生分解性播種育苗用ポット」Patent D.B.

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【要約】
【目的】 ピ−トモスの粉末と生分解性プラスチックとの成形品により、植物に良く、工場生産に乗り商品価値の高い自然還元形育苗用ポットを 提供すること。
【構成】 乳酸系プラスチック等の脂肪族ポリエステル類から成る生分解性プラスチック材料にピ−トモス粉末を混合した混合物を加熱処理して 成形加工し、その鉢体要部を有孔状にしてポットを形成した。
【効果】 鉢体は、高度な成形容易性と土中還元性が得られ、また鉢体は表面が平滑に仕上がり、適度の重量と重心安定性が得られる。

「土中分解性育苗ポット」Patent D.B.

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【要約】 (修正有)
【目的】 生分解性プラスチックより成る自然還元形育苗ポットの生分解性能を増進させる。
【構成】 脂肪族ポリエステル類3aから成る生分解性プラスチック材料3にかにがら粉末2を混入、加熱処理して鉢体に成形し、その鉢体要部 に適宜孔を設けてポットを形成する。
【効果】 鉢体の生分解性能を促進して高い土中還元性をえて、さらにかにがらの静菌作用が苗の健康を増進する。

「ヤシ殻培養土マット及び同培養土マットセット」PatentD.B.

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【要約】
【課題】 草花等による広域の緑化作業を効率よく行い、かつ野鳥による種子の被害を防止し、苗成長後は生分解する自然還元形ヤシ殻培養 土マット及び同マットセットを提供する。
【解決手段】 種子入り肥料混合ヤシ殻培養土マット、肥料混合ヤシ殻培養土マットを、それぞれ2対1ないし3対1に体積を圧縮する一次加圧 を施し、さらにその両者を重ねて、体積を3分の1から5分の1に圧縮し、かつ出来上がりの含水率を約7%以下とする二次加工によって一体 的に成形した後、その最上段に野鳥防止用のヤシ殻粉末層を設けた複合マットを、生分解性材料によって形成され、複数の枠体が四方に係 合可能なケ−スに収納するようにした。

「ヤシ殻繊維粉末混合生分解性プラスチック成形品」PatentD.B.

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【要約】
【課題】 ヤシの中果皮に含まれる繊維質を生分解性プラスチックと共に工業材料として活用し、製品廃棄時には自然環境に還元できるヤシ殻 繊維粉末混合生分解性プラスチック成形品を提供する。
【解決手段】 生分解性プラスチック1に、ヤシ殻を真水に晒して得た中果皮の繊維質の乾燥粉末5を、重量比で10ないし40%となるように配 合した原料4を以て成形品を構成する。あるいは、生分解性プラスチック1とヤシ殻乾燥粉末5に非生分解性プラスチックを生分解速度調制剤 として配合した原料4′を以て成形品を構成する。また成形加工性を高めるための界面活性剤を、また商品効果を上げるための着色剤を、あ るいは害虫忌避のための防虫剤を必要に応じて添加配合して構成する。

「生分解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッグ」PatentD.B.

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【要約】
【課題】 コンポスト化環境に晒した場合に、速やかに生分解が進行し、資化されるような生分解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッ グを提供すること。
【解決手段】 生分解性プラスチック98〜60重量%に、ヤシ殻繊維より得た粒径1〜80μmの乾燥粉末を、2〜40重量%配合して生分解性 フィルムに加工製造し、また、これを袋状に成形したコンポスト用バッグを製造する。

「生分解性農業用フィルム」Patent D.B.

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【要約】
【課題】 農業用生分解性フィルムの生分解速度を向上させると共に、用途が少なく、多くを無駄に廃棄されていたヤシ殻繊維を工業生産レベ ルで活用すること。
【解決手段】 生分解性プラスチック98〜60重量%に、ヤシの中果皮に含まれる繊維質の乾燥粉末を、2〜40重量%配合したペレットをフィ ルムに加工する。

「ヤシ殻繊維粉末混合発泡プラスチック成形品」PatentD.B.

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【要約】
【課題】土壌中において速やかに分解が進行する生分解性プラスチック、あるいは非生分解性プラスチック原料より成る発泡成形品を提供す ること。
【解決手段】生分解性プラスチックあるいは石油系非生分解性プラスチック、若しくはその両者の混合物95〜60%重量%にヤシの中果皮に 含まれる繊維の圧縮乾燥粉末を5〜40重量%配合して構成する。

「生分解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッグ」PatentD.B.

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【要約】
【目的】 コンポスト化環境に晒された場合、速やかに生分解が進行し、資化されるような生分解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッ グを提供すること。
【構成】 生分解性プラスチック98〜60重量%に、ヤシの中果皮に含まれる繊維の乾燥粉末を、2〜40重量%配合して構成する。

「生分解性農業用フィルム」Patent D.B.

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【要約】
【目的】農業用生分解性フィルムの生分解速度を向上させると共に、用途が少なく、多くを無駄に廃棄されていたココヤシの中果皮を工業生産 レベルで活用すること。
【構成】 生分解性プラスチック98〜60重量%に、ヤシの中果皮に含まれる繊維の乾燥粉末を、2〜40重量%配合して構成する。 .

「土中分解性育苗鉢」patent D.B.

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【要約】
【目的】 ココヤシ殻粉末の特性と工場生産に好適な機能性人工素材を主成分とした市場価値の向上した、自然還元形育苗鉢を提供するこ と。
【構成】 脂肪酸や乳酸等のカルボン酸系化合物の1または複数成分から成る土中分解性プラスチック材料にココヤシ殻粉末を混合した混合 物を射出成形し、駆体要部を有孔状にし、あるいはスリット孔を複数配設し、または無孔状鉢を形成した。
【効果】 射出成形した鉢本体は、その表面を平滑仕上げの表面と重心安定性が付加価値を高め、生分解性プラスチックとココヤシ殻粉末の保 水特性と土中還元性が健康に生育する苗木を残し、消滅した育苗鉢に代わって土壌環境を富ます。