・1/9 1番人気で2着!!

 98年の最初の騎乗は、障害のオープン特別・牛若丸ジャンプS。コンビを組むのは昨年末に400万以下を2勝し、障害2戦2勝のカブトフドオ。99年の障害界のニュー・スターになれる力の持ち主だ。午前中4番人気だった人気もフタを開けてみれば、なんと1番人気に支持されていた。 合谷騎手が特別競走で1番人気になったことはめったにないことである。昨年は1年間全騎乗レース通じて最高が3番人気だったので、これには驚いた。スタートは相変わらずで、中団やや後方の位置どりとなった。しかし、カブトフドオが並の馬と違うのはここからだ。2コーナーを回って向正面にかかると、 飛越のごとに前と差が詰まり、1周目の3コーナーでは持ったままで早くも3番手につけた。だが次の7号障害の飛越が危なかった。踏み切りが遠くて着地に失敗したためバランスを崩した。だがここは踏ん張った。合谷騎手が障害騎手として成長したことが分かる場面であった。 ヒヤッとしたが、これ以降はまったく問題なかった。それからは必死に逃げるシャドウクリークを馬なりでマークし、最終障害を無事に飛んだ後はシャドウクリークをあっさり振り切り一気に差を広げた。圧勝か?と一瞬思ったが、デピュティスズカに直線で交わされた。決してカブトフドオが一杯になったわけではないが、 相手の末脚が一枚上だった。競り合う形なら強いカブトフドオも一気に来られては平地力のない同馬にとって手も足も出なかった。しかし、勝ち馬とは0.2差で決して悲観するような内容ではなく、3着以下には大差をつけているのだから改めてこの馬の実力を感じたレースだった。 飛越にスタミナを使うタイプでないので、これなら距離も問題ない。今後の重賞戦線でも通用する力は十分で、合谷騎手の重賞初制覇も決して夢ではない。

出走枠順&前日コメント

着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着14デピュティスズカ60北沢 伸也牡・63:33.9
2着カブトフドオ60合谷 喜壮牡・53:34.11 1/2
3着11トキオワイルド61熊沢 重文牡・63:35.9大差
単 (14) 600      (14) 200 (2) 150 (11) 210
枠 2−8  570     馬 2−14  1320晴・良

合谷騎手のコメント(1)
 練習だとブレーキをかけるのに、実戦に行くと障害を飛ぶ毎に前との差を詰める賢い馬。 今日も1周目の7号障害を除けば飛越は完璧でした。最後は前走より3キロ斤量が増えていた分でしょう。まだキャリアが浅いから、もっと強くなる馬です。    (by 競馬ブック)

合谷騎手のコメント(2)
 1周目の4角で、踏み切りが遠くて着地に失敗したけど、その後は無理なく行けた。 障害を飛ぶごとに自分から勝手に差を詰めてくれた。結果論、仕かけが早かったかもしれないが、斤量も増えていたし、 目標にされてしまった。    (by 競馬ニホン)


・1/10

 障害未勝利戦、リッチトレンディーに騎乗。いつも通り中団よりやや後方からのレースとなったのは初コースへの戸惑いも多少あったのではないか。それでも飛越は無難で、問題なかった。しかし、平地力のない同馬にとって前残りの展開となっては苦しい。 最後は差を詰めて3着に入った点は評価できるし、勝った相手も強かったと言えるだろう。今後も大崩れはないだろうし、相手次第で勝ち負けも可能だろう。
合谷騎手のコメント
 初めての競馬場ということもあって、いつもの行きっぷりがなかった。 それでも、飛越はうまかったし、終いはよく伸びてくれたからね。次は慣れてくるはずだから。


・1/16

 昨年一番調教に騎乗した厩舎・加藤敬厩舎のシロキタガリバーに騎乗した。平地未勝利、初障害ということで11頭中の10番人気と低評価だった。スタートではやや出遅れ、追走も手一杯な状況でレースは進んだ。2周目に入り、徐々に飛越がうまくなってきて前とわずかにさが詰まってきたかな? と思っていた瞬間、「11番のシロキタガリバー落馬!」のアナウンスにガックリ・・・。ずっとこの馬を見ていたが、あっという間の出来事で分からなかった。あのまま完走していても勝ち負けは苦しかっただろうが完走してほしかった。このところ落馬していなかったので、これを糧に今後も気をつけてもらいたいものだ。 唯一良かったこと、それは言うまでもなく人馬が無事であったことである。

・1/24

 4度目のコンビとなるリッチトレンディーに騎乗した。この馬にしてはスタートはまずまずであったが、ダッシュがつかず後方からのレースとなった。1周目はためて後方を進んでいた。飛越は巧く、飛越ごとに差は縮まっていた。 2周目に入っても一気に差は縮まらなかったが、徐々に差は詰めてきた。前がダンゴ状態になってきた3コーナーでは、不利を嫌って大外から追い上げに出た。最終障害では3番手集団の大外で飛越した。前半楽をしていた分、勢いは一番あった。 だが、すぐ内にいたメイショウノジギクが落馬。その影響でリッチトレンディーの着地の瞬間に脚がぶつかり合谷騎手のバランスが崩れ落馬してしまった。下馬に近いような落ち方だったので、おそらく人馬ともに無事ではあろう。 「避けられたのでは?」という意見もあろうが、合谷騎手の騎乗馬は最終障害の飛越後にスピードを落とさないため少し躓く傾向があるので、さらに違う不利を受けるとバランスが大きく崩れてしまうのは仕方ない。 あのまま無事に行っていれば、2着は確保できていた勢いだっただけに不運だった。前週の落馬は不利のないもので弁解の余地はなかったが、今回は「審議」の対象にまでなっているので、合谷騎手の技術不足とは言い難い要因も大きかったように思う。
 外、外の安全策が裏目に出るとは・・・。ついてない。これで騎乗した加藤敬厩舎の障害馬4頭すべてが競走中止経験ありとなってしまった。(実は、加藤敬厩舎との相性は最悪だったりする。)

・1/30

 前走の牛若丸JS組と実績馬の争いが注目された淀ジャンプS。カブトフドオは3番人気に支持されていた。 スタートであおってダッシュが付かず後方からのレースとなり、しかも外枠が災いして外々を回らさせられるレースとなった。前走のように1周目で前に取り付くことはできず、 2周目に入った時も先行集団の後ろ7、8番手からという苦しいレースとなった。しかし、相変わらず飛越は巧く徐々に差を詰めては来ていた。2周目1コーナーで外から被せられてやや行き足が鈍ったが、 飛越ごとに差を詰められたため大きな不利にはならなかった。最終障害ではゴッドスピードとデピュティスズカの間を割るように飛越し、一気に差を詰めて来たが最後は平地力の差がそのまま着順に表れる結果となり、 0.5秒差の4着に敗れた。完敗というわけではないので、前3頭とは展開次第で十分逆転は可能である。このレースの負けで評価を落とすかもしれないが、私自身はこの馬の飛越の巧さをまたまた感じることができたので、 次こそは必ずやってくれるだろう。
合谷騎手のコメント(1)
 2周目からジックリと構えて2番の馬が来るのを待っていたけど、 それが失敗だったかな。もう少し積極的に行った方がよかったかもしれないが、力はつけているよ。飛越はうまいし、 馬任せで行けるからね。展開ひとつでチャンスありそう。    (by 競馬ブック)
 (注) 2番の馬 = デピュティスズカ
合谷騎手のコメント(2)
 この前が早めに動いて甘くなったから、じっくり構えた。障害は自分から向かって行くくらい、 うまいんだけど、結果論、もう少し行っておけばよかった。    (by 競馬ニホン)


・1/31

 シロキタガリバーに騎乗。前が引っ張って、喜壮さんがどこにいるのかも分からぬままレースが終わってしまった。前が飛ばす展開では苦しかった。最後は後方でよく伸びて6着と内容は良かった。ペース次第だが、確実に入着は望める馬で次に期待したい。
合谷騎手のコメント
 飛越はうまいけど、気の小さいところがあって一気に来られてゴチャつくとダメなんです。 バラける流れでジワーッと行けるようなら、飛びは安定してるだけにチャンスが出てくるかも。




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