・12/5

 先週に続き騎乗馬があった。障害未勝利のリッチトレンディーであった。5歳牝馬、未勝利馬である。 初障害で、平地力も期待できない同馬は9頭中の8番人気だった。1番枠からまずまずのスタートを切るが、最後方まで下げてじっくりレースを進める作戦を取った。しかし、このリッチトレンディー、思っていたより飛越が巧い。 正面の3つの障害で徐々に順位を上げ、逆まわりの3コーナー辺りでやや掛かり気味になったが大丈夫。たすきコースの障害も無難にこなし、その後も次々に巧い飛越を披露していく。最終障害を飛んで、3番手争いの一角に押し上げた。 最後は平地力の差で敗れたが、初障害としては上々である。慣れれば未勝利ぐらいは勝てるかもしれないだろう。あと、この馬は加藤敬厩舎の馬ということで、乗り代わるケースはないだろう。
合谷騎手のコメント
 最初の障害を斜めに飛んでアブミが外れたけど、すぐ入れられた。それからはスムーズだったからね。最後は伸びそうで伸びなかったけど、内容としては上々。


・12/12

 メイトウマサムネ・・・。最近惨敗続きで、しかもオープンでは全く期待もできない馬である。しかし、そんな馬でも合谷騎手にとっては騎乗できることがうれしいはず。 期待せずに見ていた。レースでは、雑な飛越が目立ったこれまでとは違い、スムーズにレースを進め、最後はまずまずの伸びを見せ4着に健闘した。どういう観点から見ても7頭中7番人気になってしまうこの馬で、 この4着は立派である。最近になって、合谷騎手も障害競走に慣れてきたようだ。今回のこのレースがそれを実証してくれた。
合谷騎手のコメント
 今日は飛越がうまくてミスが少なかった。苦しがって内にモタれるようなところもあったけど、そこからよく頑張ってくれている。


・12/19 またもやカブトフドオ!!
− 「最後の障害400万以下」での勝利 −

 前走は平地に戻ったものの、その前の初障害のレースでいきなり障害400万以下を制したカブトフドオが再び合谷騎手とのコンビで障害400万以下に出走してきた。勝って同条件、しかも斤量は変わらずという恵まれた条件でのレースにもかかわらず6番人気に甘んじたのは、 相手強化した今回は力不足と見られていたからのようだ。しかし、カブトフドオにも障害2走目での上積みはある訳で、軽視されすぎている感はあった。そしてレース。スタートはやや立ち上がったが、まずまず。前走同様後方からのレースとなった。 だが、スタンド前の3つの障害で徐々に前と差が詰まってきた。「あれっ?知らないうちにカブトフドオが上がってきている!」と不思議に思った人もいるだろうが、この馬しか見ていない私としては、何の不思議も感じなかった。この馬、抜群に飛越が巧い。 低いスピードに乗った飛越ではなく、飛越自体も高く全く危なげがない。それでいてスピードが落ちない。見ていてすごいと感じていた。気の悪いのは相変わらずだが・・・。たすきコースも難なくクリアして、順まわりの1コーナーでは早くも4番手。 それからも飛越ごとに差が詰まるという、理想的なレース運び。3、4コーナー中間の障害で早々と先頭の馬に並べかけ、最終障害も並んで飛越していた。ダートコースに入るところで少し外に膨れたが、すぐに立て直して前回の障害戦同様、オーソリティーとの叩き合いに持ち込み、 ゴール前までびっしり競り合った結果、またしてもハナ差オーソリティーを抑えてゴールした。(またもや写真判定となったが、今回は前回よりもはっきりとカブトフドオが先着していたのが分かった。)カブトフドオ&合谷騎手の最強コンビはまたしても障害400万以下を勝った。 平地では未勝利だった同馬も障害では2戦2勝。前回とは違い、東西の有力1勝馬が集ったこのレースでの勝利は本物だ。自分から動いて、外から競り落とした今回はフロックと思われていた前回とは違い、実力でもぎ取ったものだった。この馬ならオープンはもちろん、重賞でも通用する飛越力はある。 スタミナをつければ、J・G l 制覇も夢でないように思える魅力のある一頭である。もちろん、合谷騎手の腕も見逃せない。全く文句の言えない素晴らしい騎乗だった。また、来年からは障害400万以下がなくなってしまうので、このレースが最後の400万以下となる。 合谷騎手は最後の400万以下を制した騎手として、後世に名を残すことになるだろう。しかも勝って同条件という珍事に加えて(笑)。とにかく障害無敗馬カブトフドオ&合谷騎手のコンビには今後も目が離せない!!


出走枠順&前日コメント

着順枠番馬番 馬 名斤量騎 手性・歳タイム着差人気
1着カブトフドオ57合谷 喜壮牡・43:21.4
2着オーソリティー59酒井 浩セ・53:21.4  ハナ
3着デピュティスズカ 59北沢 伸也牡・53:21.71 3/4
単 (4) 1670     複 (4) 370 (9) 190 (2) 200
枠 4−6  1460     馬 4−9  3250晴・良

合谷騎手のコメント
 馬が自分で完歩を合わせて飛越してくれるんだ。だから安心できるね。それと平均ペースの障害はぴったりの感じ。ここ2走の内容ならオープンに入ってもやれるだろうね。


・12/20

 リッチトレンディーの前走は競走中にアブミの外れるアクシデントがありながら5着に健闘。今回は障害2走目の上積みもあり、カブトフドオ以上に期待していた。なぜかこの馬も人気薄だったが、普通にやれば上位争いはできる馬と信じていた。スタートでやや遅れたが、その後は順調。 後方からのレースとなったが、合谷騎手にとっていつものことでまったく問題なかった。この馬も平地力はないものの飛越は巧い。馬群の中でゴチャつきながらもしっかりとした飛越で徐々に進出し、3、4コーナーの障害で3番手に上がり、 最後の障害をいいリズムで迎えるも飛越の直前で内外から馬が来てやや窮屈な飛越となった。それでは無難にこなし、さあ追い出そうとしたところで前がふさがった。ここで一瞬スピードが鈍る。直線では内からじわじわ伸びるも所詮は平地未勝利馬。伸び切れず3着に敗れた。 まともなら2着はもちろん、勝っていたかもしれなかっただけに惜しかった。ということで、この馬での勝利は来年に取っておくことにします(笑)。乗り代わりの心配は全くないですから。
合谷騎手のコメント
 飛越毎に差を詰めてくれたし、勝てるかなという手応えはあったけど、最後は平地力の差が出てしまった。乗った感じも良かったし、体はこれ以上減らなければ大丈夫だよ。


・12/27

 昨年に続き、98年の最後の障害競走に騎乗してきた。騎乗馬はマルカテンモン、最近お世話になっている内藤繁春厩舎の馬だ。 しかし、馬の実力はフジヤマチズルと同等の馬であまり期待できる馬ではなかった。レースでは終始後方ままの惨敗に終わった。14番人気では仕方のないところか。

−1998年の合谷騎手−

 古小路騎手の落馬負傷のためにお手馬になったセフティオーシャンとのコンビを中心に、騎乗数が増えた。 そして3月8日、2年ぶりの勝利の美酒を味わった。また、5月16日には京都大障害(春)にて障害重賞初騎乗も果たした。 その後も入着賞金をコツコツ稼ぎ、9月19日の阪神障害S(秋)では重賞で2着に入線し、後世の重賞成績一覧に「合谷喜壮」の名を残した。 それからしばらく経過して11月28日。3週間騎乗のなかった合谷騎手が大爆発! 初障害が400万以下というカブトフドオで見事に5年ぶりの年間2勝目を達成した。 勢いはとどまるところを知らず、そのカブトフドオで再び400万以下を勝利! 一気に年間3勝もしてしまった!!  ここまで来れば次なる目標はたったひとつ。もちろん重賞制覇だ!!



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