華 麗 な る 転 身 !!

6/10
オンエア
(障害成績:1-2-0-3 平地成績:0-0-2-6)

 
● 確実に伸びる末脚が魅力!

 初障害ではややばらつきのあった飛越を見せていたが、豪快に内から追い込んで2着。そして2戦目では前残りの展開にもかかわらず差し切って後続をちぎり初勝利をおさめた。 オープンでもシャンパンファイトの2着があり、それなりに通用する力を持っている。

▲ 飛越は徐々に良化。持ち味は強烈な末脚だが、オープンではやや切れ味が目立たない。

■ 植野騎手とのコンビで、3戦1勝、2着2回。連対率10割。このコンビ以外で連対はなく、植野騎手じゃないと走らない?

▼ おそらく次走は6/19の阪神のオープンであろう。
6/17
コミュニケーター
(障害成績:1-2-1-2 平地成績:0-0-4-10)

 
● 2.9秒の派手な圧勝で勝ち上がった大物!

 平地では短距離の先行馬として勝ち切れなかったが、障害に転向して3戦目でトキオワイルドの2着でメドを立て、続く4戦目で未勝利を脱出した。 新潟コースも向いていたのか、直線で後続を引き離す圧勝。2着馬との2.9秒差がこの馬の強さを物語っている。このレースで鞍上の酒井浩騎手がJRA通算100勝を達成したことも記憶に残っていることであろう。 1勝クラスの馬ならば互角以上に戦える実力を持っている。

▲ 先行、差しと自在のレースができるのがこの馬のいいところ。飛越もそれなりにうまく、レースに行ってセンスの良さが目立つ馬である。

■ まだオープン相手に走っていないので何とも言えないが、堅実に駆けるタイプなので、そこそこには善戦するだろう。しかし、勝ち負けまでは疑問で、成長力に期待をかけたい。

▼ 膝を骨折して現在休養中。順調に行けば、秋には復帰できそうだ。
6/24
マキハタゴールド
(障害成績:1-0-1-0 平地成績:0-0-2-3)


● 現役屈指の飛越センスを兼ね備えた知られざる逸材!!

 平地では故障などがあり、5戦のみで障害に転向。障害緒戦では、同じく初障害だったゴッドスピードらの強豪を全く問題としないワンサイドのレースで圧勝、 直線で2着以下に1.5秒をつけての好タイム勝ちだった。控えるレースだったが、飛越ごとに差が詰まり、無理なく追走できたため、最後の直線で突き離せるスタミナも十分残っていた。
 昇級緒戦の400万以下では、馬場が悪く、しかも自分から動かざるを得ない展開となったため、最後伸び切れず0.1秒差の3着に敗れた。まだ障害2戦のキャリアだが、 実力はこの2レースを見ただけでかなりのものを秘めているように感じた。

▲ じっくりと乗れば最後に素晴らしい末脚を使い、飛越力の違いで先行するレースも可能で、どんな乗り方でもできる気のいいタイプに感じられる。

■ 前走から1年4ヵ月の休養中で、休養前の実力が維持できていれば、重賞でも互角以上のレースができる器として期待している。2戦ともに頭数の揃ったレースだっただけに、多頭数のレースでも不安はない。

▼ 脚部不安のため放牧中。冬場に一旦入厩したが、足元の状態が思わしくなかったとのこと。今のところ復帰のメドは立っていない。
7/1
カブトフドオ
(障害成績:3-1-1-5 平地成績:0-0-3-15)

 
● 飛越力だけでファンを魅了した、幻の名ジャンパー!!

 平地ではデビューから17戦したが、結局勝てずに障害入り。そして障害緒戦がいきなり格上の400万以下(1勝クラス)戦で、初障害馬には無謀な挑戦と思われたが、レースが進むにつれて飛越がどんどんうまくなり、 ゴール寸前でオーソリティーを捕えて勝利を収め、度肝を抜いた。平地を挟んでの障害2戦目。同条件の400万以下に出走。障害400万以下競走の最後のレースのため、1勝馬の有力処が顔を揃え、前走同様人気にはならなかったが、 4角で先頭に並びかけ、ゴール前でオーソリティーとの競り合いを制すという前走の再現のようなレースで2連勝を飾った。最後の400万以下戦を見事に制し、年明け緒戦の牛若丸JSでは1番人気に推された。 2着に敗れたものの勝ちに行ってのもので、内容は悪くなかった。それからオープンで互角の戦いはするも勝ち切れず、休養を挟んでの休み明け2戦目でオープン勝ちを収め3勝目を挙げ、いざ重賞・京都JSへ。完璧なレース運びをし、 勝ちが見えたところで落馬・・・。勝負の厳しさを教えてくれたものだった。そして、このレース2走後の阪神オープンのレース中に左後繋靭帯断裂を発症。5着に入線したが、状態が思わしくなくそのまま帰らぬ馬となった・・・。

▲ 平地力は全く期待できず、スタミナがある訳でもない。しかし、飛越に関して言えば、素晴らしいものを持っていた。バランス良く安定したフォームで真っ直ぐと飛ぶ。そのため、普通に踏み切れば飛越後に躓くこともあまりない。 そのため、飛越ごとでスピードが落ちず、無駄なスタミナの消耗をなくすため、最後までスタミナが切れない。まさに障害馬としての素質にあふれた逸材であった。あと、並んでからの勝負根性にも目を見張るものがあった。

■ 血統的に見れば、決して良血とは言えず、兄弟も地方所属馬ばかりで非常に地味であるが、馬体はしっかりしており、姿を見れば、一流馬と比較しても見劣りはしていなかった・・・ように見えたが(笑)。

▼ もしこの馬の障害レースのVTRがあれば、飛越の素晴らしさを垣間見ることができるだろう。しかし、実際に見れないのは非常に寂しい。これからのさらなる成長が期待できた5歳馬。また一頭、名馬が障害界から去っていった。ただただ冥福を祈りたい。


   ▽ おまけ (思い込み・大)

 京都JSでともに落馬したファイブポインターとは、くしくも同じレースがデビュー戦でした。2戦目でポインターが勝ち上がり、再開したのが淀JS。そして、互いに万全の状態で挑んだ京都JSこそが真の実力が分かる舞台だった。 結果は、全くの互角だった。今はあの世でも一緒に走っていることだろう。もちろん、障害レースを・・・。
 2頭とも、楽しそうに障害を飛んでいたのがすごく印象的だった。落馬後、もう走れる状態ではないのに最終障害を飛越しようとしたファイブポインター。落馬後、放馬しながらも障害を見つけるとそっちの方へ一目散に駆けていったカブトフドオ。 誰よりも、どの馬よりも障害レースが好きだったんだろうなあ、2頭とも。



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