1998年11月〜12月


11月

江田勇亮騎手、騎乗停止

 11月7日東京5R・障害400万以下戦でキングスロードに騎乗した江田勇亮騎手は、4角で急に内側に斜行し、 レディーリベロの進路を妨害したため失格となった。11月14日から29日まで騎乗停止となり、15日・東京の障害オープンで騎乗を予定していたポレールには乗れなくなってしまった。


11/7・障害400万以下の結末は?

 11月7日東京5R・障害400万以下戦で4角で斜行したキングスロードのあおりを食って落馬したレディーリベロの岡富騎手は再騎乗を試み、8:25.0で8着入線した。 だが、中央競馬の施行規程に、「真正な発走合図を受けてから、3000メートル以下の競走においては5分、3000メートルを超える競走においては7分を経過して馬が決勝線に到達した場合、失格とする。」 という規定があり、8着失格となった。昭和50年12月7日のサカエフラッシュ以来、23年ぶりのタイム失格となった。

 もし、レディーリベロが7分以内で入線していたならば、キングスロードは8着降着で失格にはならなかった。どちらにしても大して変わらないのだが・・・。


テンジンショウグン引退

 今年の日経賞(G ll )で大波乱の立役者として「時の馬」となったテンジンショウグンが、先日のアルゼンチン共和国杯を最後に引退することとなった。 今年の1/31、6ヵ月の休養明けとなった東京の400万以下で勝利し、東京障害特別(春)では3番人気に推された。しかし、大竹柵で落馬。次走の阪神障害S(春)も惨敗し、 気分転換として平地戦の日経賞(G ll )に出走。圧倒的最下位人気に反発して見事に勝利を収め、天皇賞(春)にも挑戦した。年齢的なものもあり、その後は活躍できなかった。 また、今後の余生についてはまだ未定。


関西4重賞、5歳馬が4連勝!!

 京都大障害(秋)をイチバンリュウが制し、今年の関西4重賞はすべて5歳馬の勝利となった。また、2着までの連対馬8頭を見ても、 京都大障害(春)の2着馬、ノーザンレインボー以外はすべて5歳馬である。今年の5歳馬のレベルの高さが物語っており、 来年以降の重賞でも活躍が期待できる。ちなみに、関東の重賞は勝ち馬はここまで10、9、9歳と関西とは全く対照的である。(下図参照)
レース名勝ち馬性・歳2着馬性・歳
東京障害特別(春)ケイティタイガー牡・10メジロシンドウ牡・7
阪神障害S(春)ゴッドスピード牡・5ニケスピリット牡・5
中山大障害(春)ノーザンレインボー牡・9ケイティタイガー牡・10
京都大障害(春)ゴッドスピード牡・5ノーザンレインボー牡・9
阪神障害S(秋)レガシークレスト牡・5セフティオーシャン牡・5
東京障害特別(秋)ノーザンレインボー牡・9ビクトリーアップセ・6
京都大障害(秋)イチバンリュウ牡・5ゴッドスピード牡・5
中山大障害(秋)ビクトリーアップセ・6メジロファラオ牡・6
 結局関東の重賞では5歳馬の活躍はなかった。


熊沢騎手、障害競走通算50勝達成!!

 11/28・東京5Rの未勝利戦でエストラードに騎乗し、勝利を収めた熊沢騎手が障害通算50勝目を挙げた。今年はこれで障害では7勝目だが、依然としてすべてが未勝利戦というのは珍しい。


騎手がいない!!

 金折騎手の落馬負傷のため障害騎手が手薄になり、土曜の5Rでは、今年の障害初騎乗となる村山騎手に騎乗が回ってきた。 ここ1年全く障害競走に騎乗がなかったが、何と言ってもキンセンアラシで障害重賞を制している騎手。こんな形でも久々に参加してくれたことは喜ばしい。日曜日は佐伯騎手に変更となった。 土日とも金折騎手の代わりとして、障害に乗れそうな騎手は他にはほとんどいなかった。


梅野調教助手、昨年に続き調教師1次試験を合格!!

 JRA通算99勝で昨年現役を退いた梅野調教助手が昨年に続き調教師1次試験に合格した。梅野助手は騎手時代の最後は障害専門にもなった騎手。 障害24勝、重賞もサンエムブラッサムで阪神障害Sを制している。元障害専門騎手として、障害馬育成の第一人者となってほしいので、ぜひ2次試験も合格してほしい。
12月

関東の障害戦で4歳馬が今年初勝利!

 12/6・中山5Rの未勝利戦でウチュウノキセキが勝利を収め、これが今年初めての関東での障害競走における4歳馬の勝利である。 しかし、まだ今年の4歳関東馬の勝利はない。


東西の未勝利戦で4歳馬が勝利!

 12/12・中山5Rの未勝利戦で唯一の4歳馬マイネルパープルが勝利を収め、 12/13・阪神5Rの未勝利戦では初障害の4歳馬ファイブポインターが勝利を挙げた。 4歳馬の初障害初勝利は、今年では400万以下をいきなり勝ったカブトフドオに次いで2頭目。


イブキカーリアン、2走続けて騎手変更

 イブキカーリアンは障害デビュー後の2戦したが、ともに騎手変更をしてのレースとなった。初障害の時は、騎乗予定であった金折騎手が前日のレースで落馬負傷したため、佐伯騎手に乗り代わり、 12/13の阪神の未勝利戦では、騎乗予定であった川合騎手が病気のため酒井浩騎手に乗り代わった。偶然とは言え、2走続けて騎手変更というのは珍しい出来事である。


カブトフドオ、最後の400万以下を制す!
(12/19・阪神5R 400万以下)


 来年から400万以下クラスがなくなるため、12/19・阪神5Rが最後の400万以下のレースとなった。勝っても負けてもオープンということで、強力1勝馬が集結したレベルの高いレースとなった。エストラードの出走取消で12頭となった同レース。 これを制したのは4歳馬カブトフドオ。初障害で400万以下を勝っていた同馬にとっては、勝って同条件という利もあったが、400万以下を2連勝して2戦2勝となった障害馬はおそらく障害史上に残る珍事だと思う。 また、手に汗握る壮絶な叩き合いとなった直線の攻防は、最後の400万以下にふさわしい素晴らしいレースだったと思う。間違いなく今年の400万以下のベストレースであろう。

枠番馬番 馬 名斤量騎 手
タニノタバスコ59出津 孝一
デピュティスズカ59北沢 伸也
ウチュウノキセキ57古小路重男
カブトフドオ57合谷 喜壮
エストラード59熊沢 重文
ベストセレクション59石山 繁
リキアイフジ59川合 達彦
シャドウクリーク59山本 康志
オーソリティー59酒井 浩
10メイトウマサムネ59植野 貴也
11メイショウレガード56▲今村康成
12ロングフォーウィン57佐伯 清久
13インターブラボー59三浦 堅治
 (エストラードは出走取消)

結果はこちら


3万円馬券! (12/20・阪神5R 未勝利)

 12/20の阪神の未勝利戦は引退表明していた古小路騎手の有終Vという劇的なレースとなったが、そのテイエムモンスターは5番人気。また、2着にはシンガリ人気のロイヤルチェリーが入って馬連は36200円の大波乱となった。 今年の関西の障害レースで初の万馬券、それが3万円馬券とは驚きである。


騎手変更の女王!? イブキカーリアン、3走連続騎手変更

 イブキカーリアンは障害デビュー後の3戦がすべて騎手変更という珍しい記録?を作った。 3走目となった12/27の阪神5R・障害未勝利で騎乗予定だった酒井浩騎手が2Rで落馬負傷したため牧田騎手に乗り代わった。 2回続くだけでも珍しいのに、3度となればこれは何かあるのかとも思ってしまう。 初障害の時は、騎乗予定であった金折騎手から佐伯騎手に乗り代わり、2戦目は川合騎手から酒井浩騎手に乗り代わっていた。


今村騎手ら落馬負傷

 27日の阪神5R・障害未勝利でシルクウインザーに騎乗し落馬した今村騎手は左鎖骨骨折で手術を受けることとなった。 また、2Rで落馬負傷した酒井浩騎手は頭部外傷、腰部打撲と診断されたが、全治までには時間を要さないとのこと。 26日の中山5R・障害未勝利でスペシャルエンボイに騎乗し落馬した江田勇騎手は左足関節捻挫(全治1週間)と診断された。


今年の関東4歳馬は未勝利

 98年は関西では4歳馬の活躍は目立ったが、関東馬の中からは結局4歳馬の勝ち馬は現れなかった。 関東における4歳馬の参戦も少なかったが、ちょっと寂しい結果となった。

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