YouNet ようこそ社楽人!・・・(180628掲載)

−社会科から見えてくるもの− (その5)
社楽の会代表 土井謙次
 
〜「ものづくり立国愛知のルーツは?」〜
今日本で最も元気な都道府県は?多くの人が愛知県と答えることでしょう。その源(みなもと)は自動車産業をはじめとする「ものづくり」にあります。製造品の出荷額では、何と27年連続で日本一!その秘密を探るために名古屋市にある産業技術記念館(写真左上)へ行ってきました。手動による機織り(はたおり)の技術が豊田式自動織機へと進化し、さらにはトヨタ自動車へと発展する過程がよくわかります。実演・映像資料が多く、体験コーナーもあり、じっくり見るとまるっと一日かかります。
では、なぜ愛知にものづくりが発展したのでしょうか?そのルーツを犬山市文化史料館・同別館からくり展示館(写真右)で発見しました。18世紀前半、「暴れん坊将軍」として有名な8代将軍吉宗の時代に享保の改革が行われました。吉宗は質素・倹約を勧め、ぜいたくを禁止したのです。その幕府の方針に正反対の政策を執ったのが尾張徳川家。住民の娯楽や経済の活性化を考えた7代藩主・宗春のもとには、全国のからくり師が集まってきました。今でも愛知県にはからくり山車が数多く残っています。なかでも「茶運び人形」(写真左下)に代表される座敷からくりは、大名や豪商のぜいたくな遊び道具のひとつで、からくり師たちはその技を競い合いました。この時に培われた歯車やカムを駆使した技が、機織り機や時計などの機械技術に生かされたと考えられます。それが、後の航空機や自動車、工作機械へと受け継がれていきました。
毎週金・土曜日に特設工房で公開している日本唯一の人形師・九代玉屋庄兵衛氏によるからくり細工実演は必見。ものづくり立国愛知のルーツをとくとご覧いただきたい。暴れん坊将軍と「愛知のものづくり」がつながっていると考えると、ロマンを感じませんか?

「梅・みかん・鯨」といえば何県?
次回は都道府県スリーヒントクイズ。お楽しみに…


産業技術記念館 名古屋市西区則武新町  052(551)6115
犬山市文化史料館 犬山字北古券 0568(62)4802
社楽の会HP http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/syaraku.htm

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