森林保全がキーワード・・・181014掲載
 犬山で全国地下水サミット開催
「人と森、そして命の水」をテーマに、地下水の大切さや水環境を考える全国地下水サミット2006が9月28日、犬山国際観光センターで開催され、約300人が参加しました。環境省や犬山市、大口町の活動事例発表。パネル討論では全国5市町の首長が「首長サミット」を行い、インド、スリランカ、エリトリアの3外国人が「水の国際交流」と題して、自国と日本の水事情の違いなどを話しました。 5首長によるパネル討論の様子=犬山国際観光センター
●外国の水事情
インドのインディラ・ラオさんは「水が豊富でおいしい日本人はとても幸せ。インドは川は多いがインフラ整備ができてないので、水をうまく回せない。またすぐ井戸を掘るが、環境悪化や農薬混入が心配」。スリランカのスリカンタ・サチタナンタンさんは「国を離れて久しいのであまり状況は分からないが、津波以来水の状態は悪化」。エリトリアのエッサム・ヤシンさんも「季節的にできる川やため池しかないエリトリアは、過去に5年間雨が降らなかったことがあり、水問題はかなり深刻」とそれぞれの国の状況から討論。「水の豊富な国と不足で困っている国がある。日本人には、他国の問題を自国の問題として考えるグローバルな視点が必要では」と結びました。

●5首長がパネル討論
伊志嶺亮宮古島市長、千葉光行市川市長、柳川喜郎御嵩町長、森真各務原市長、石田芳弘犬山市長によるパネル討論は「首長には各地域の立場からの水・地下水に焦点を合わせて」と、コーディネーターの(特)犬山里山学研究所・林進理事長の提起で開始。伊志嶺市長は「16%と少ない森林率の宮古島では、まず地下水の確保が大きな問題」と述べ、千葉市長は「宅地が多い市川市では、高台の住宅には建築時に雨水浸透器(貯水設備)を義務付けて、雨水が流出しないよう注意。またナシの生産で有名だが、地下水に農薬が含有する危険性も」。柳川町長は「御嵩住民は水利権の問題で木曽川の水は飲めないが、わたしたちは木曽川を軸とした運命共同体。そんな木曽川の近くに産廃をつくっていいのかと住民の80%は考えた。上流の人間として、下流に気を配りたい。流域全体の問題として考えていかなくては」と訴えました。森市長は「水や地下水の豊かな地区だが、20年後のビジョンを持って水と緑の保全計画を」。石田市長は「86%が市街化調整区域の犬山は森と地下水の町と言っていい。地下水を守っていくことが自治体の大きな役割」と話しました。「森林保全がキーワード」「都会と中山間地域をセットにしたまちづくりが必要」など活発な討論が続き、林理事長は「森の手入れや里山保全など市民側からの提案・協力も大切。それぞれ事情が異なるが、個別の政策を研究し連携が必要では」とコメントしました。最後に「地下水の地域基準を定めるべきでは」「各省にまたがる水行政を一元化し、水の管理を総合的に」と結び、「次回サミット(鹿児島県喜界町)に向け、地下水保全のための法制定を国へアピールしよう」と確認し合いました。

 住民力発揮の新条例
●9月27日制定、10月1日施行 扶桑町
「役場が変わる」と昨年4月にKAIZEN運動、行財政改革、住民力の発揮、新総合計画の策定の4つを柱として、改革推進宣言をした扶桑町は9月27日、「住民力の発揮」を具現化するための「扶桑町住民活動及び協働の推進に関する条例」を制定しました(10月1日施行)。自主・自立のまちづくりを目指し、住民らでつくる「まちづくりクラブ」が昨年8月から約半年間かけて話し合い、ことし3月に「条例の必要性」を町に提言したことがきっかけとなり、4月から職員が条例制定に向け検討を重ねてきました。条例の前文には、同クラブが望むまちづくりへの願いを盛り込み、住民や住民活動団体、事業所、町の役割を明記した同条例。各団体の活動推進のための拠点整備や活動機会の提供、広報活動、人材育成の機会提供などを町の推進施策とし、住民活動団体の活動機会の拡大に努めるなど同町らしい内容となっています。
●団体登録始まる
条例制定に合わせて、「住民活動団体登録」を開始。主活動が同町内で、5人以上の会員を有し規約が定められている団体の登録が、まちづくり政策課で始まりました。「行政と住民が、一緒になってまちづくりを考えていこうという条例。登録した団体とともに、拠点作りや協働事業などについても考えていけたら」と、まちづくり政策課では同町を拠点に活動する団体の登録を呼び掛けています。(問)扶桑町まちづくり政策課 TEL扶桑(93)1111

 木曽川で放生会 魚の供養も 
放流の様子 愛北漁業協同組合(江口真一組合長)と犬山仏教会(臨溪院・宮川明道会長)は2日、犬山城下の木曽川河畔で放生会(ほうじょうえ)を行いました。同組合は捕った魚の供養を、仏教会は魚料理に携わる檀家のためにと昭和51年から毎年10月に行っている行事で、ことしは僧侶17人と20人近くの組合員が参加しました。組合が建立した放生碑の前で僧侶の皆さんが読経する中、出席者全員で焼香した後、木曽川にウナギを放流しました。
読経を行う僧侶たち→

わが町の昭和と平成 
●国道41号線
昭和44年10月に工事が完了し、開通間もないころの国道41号バイパス。犬山市と扶桑町境の様子。扶桑町役場提供。
現在の国道41号線、犬山市と扶桑町境。
経済成長が飛躍的に伸び始めた昭和30年代から自動車の利用が急増し、貨物輸送は鉄道輸送からトラック輸送に移っていきました。現在、名古屋・富山間251キロを結ぶ国道41号線は昭和36年に名古屋の黒川と小牧インターチェンジ間9キロが片側2車線で完成。引き続いて小牧・犬山間の工事が始まり、昭和44年10月に完了。国道41号バイパスとして開通し同46年、国道41号線となりました。左上の写真は開通間もないころの犬山市と扶桑町境の様子です。当初は片側1車線で、その後、主要国道として交通量が激増。同53年度に小牧市と大口町で片側2車線の改良工事が始まり同54、55年度には犬山市五郎丸地内まで進められました。現在は産業、観光、生活のあらゆる面で、本州を横断する大動脈となり、沿線には企業、飲食店、娯楽施設などが相次いで建設されつつあります。
尾北ホームニュースでは、平成の現代と対比することができる、なつかしい昭和の写真を探しています。提供可能な写真をお持ちの方は、尾北ホームニュース TEL0587(53)3001までご連絡をお願い致します。次回は10月28日に掲載します。

 
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