昭和26年8月1日、大口村河北地区の人たちによる石上げの様子(大口町河北地区提供) |
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●石上げ祭
犬山の尾張冨士(標高275メートル)では、奇祭と呼ばれる石上げ祭が有名です。 上の写真は昭和26年8月1日、大口村河北の若者たちが石を上げる様子を写したもの。その後、ふもとの大宮浅間神社に保管されていた写真で、このほど河北地区へ寄贈されました。当時は地域ぐるみの参加が多く、大きさを競うように巨石が次々と運び上げられていました。河北地区も毎年、巨石をあげることで知られ、同年も32点吊りと呼ばれる大きなものでした。祭り当日は石を地車に乗せて、地元の神明社を出発し、約4メートル離れた尾張冨士のふもと近くまで移動。そこからはすべて人力です。32点、つまり32人が息を合わせて石を持ち上げると、前方にいる綱引きの50〜60人が一気に綱を引っ張るという方法で少しずつ移動させ、5合目まで運び上げました。同地区では「昭和23年に64点吊りの石を上げたことがあり、これまでで最大」と語り継がれています。その後も青年団、有志などにより続けられ、最近20年近くはボランティア団体「河北交友会」によって継承されています。下の写真はことし8月6日、同会の中村正寛会長ら約50人による石上げの様子。上の写真に写っている中野軍治さん(78)も参加し、12点吊りの献石が山頂まで運び上げられました。
※次回は9月2日に掲載します。
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