大水が出た時、最後に開かれる水門と、つり上げ式に改修された舟通しを指差す市橋犬山支所長工事がほぼ完了した犬山頭首工 |
●築40年が経過
犬山頭首工は濃尾用水(宮田用水、木津用水、羽島用水)の安定した取水ができるようにするため、昭和32年度に国営かんがい排水事業として着工。同38年度までに堰(せき)の長さ420メートルの頭首工が築造され、同43年度までに3用水合わせて総延長43キロの新設、改良工事が完成。以来40年近く、毎秒51立方メートルの最大取水量で、濃尾地方に水の安定供給を行ってきました。しかし、たび重なる洪水などによってその機能が低下。昭和49〜54年度にも補強工事が行われましたが、災害の危険性が増してきたことから、平成12年度より頭首工本体の大がかりな補修工事に着手。河川内の工事は洪水の危険が少ない非出水期(10月〜翌年5月)に岐阜県側から進められました。主な工事はゲート(水門)の取り替え、表面コンクリートの補修、護床ブロックの設置、魚道の補修(左岸側)と新設(右岸側)、舟通しの改修、管理歩道橋(全長422メートル)の設置など。平成16年10月20日に襲来した台風23号による大洪水では、仮設資材が流されるなど大きなアクシデントも。現場を管理する農林水産省東海農政局新濃尾農地防災事業所の市橋村和犬山支所長は「頭首工本体の完成で、木曽川の洪水時の安全が保たれることになります」。 |