震度「6弱」発生を想定 1泊で避難生活体験・・・170903掲載
「地域の人も理解を」
知的障害者通所授産施設たんぽぽ 扶桑
扶桑町山那にある知的障害者通所授産施設たんぽぽ(今枝龍雄施設長)は8月19日午後から20日朝にかけて、震度6弱の地震が発生し利用者が帰宅できなくなった状況を想定し、電気、ガス、水道などライフラインが確保できないままでの避難生活を体験する訓練を行いました。
テントの中や外でアルファ米などの炊き出しを見守る参加者=扶桑町で 障害を持った人が震災に遭ったとき「うまく避難ができるのだろうか」「職員としての心構えは」「地域の人たちにも、障害を持った人の対応を知ってほしい」と訓練を計画。施設利用者20人と職員8人が参加し、昨年1泊の避難所生活体験訓練を実施した災害ボランティア「D・サポート丹羽(舟橋浩司会長)」の協力を得て実施しました。参加者は、阪神淡路大震災時のビデオを鑑賞し丹羽消防署員によるAED救命訓練を体験。震度6弱の地震発生想定の下、屋外に避難し点呼を取り訓練を開始。利用者は、屋外のテントに敷かれた段ボールの上で避難体験をし、D・サポート丹羽による炊き出しで、アルファ米と乾パン入りコンソメスープの夕食を取りました。トイレなどへの移動は、懐中電灯の明かりを頼りに職員と利用者4、5人でグループを作って行動。施設内の部屋に、ビニールシートやタオルケットなどを敷いて睡眠を取りました。
「障害によってはパニックを起こすことも考えられることから、地域の人たちと施設、利用者のつながりを日ごろからつくっておくことが大切」と舟橋会長。同施設の職員江口美鈴さんも「障害者ということで構えてしまう人が多いようですが、『個性』は強いかもしれないけれど何も違いはありません」と、地域やボランティアの人たちに、施設や障害者について理解してもらうことの大切さを実感したと言います。そのためにも、気軽に施設を訪れてもらうとともに、地域の人たちに積極的にあいさつをするなど、自分たちからも地域にアピールしていきたいということです。

消火訓練や煙体験も 夏休み子ども防災キャンプ 江南
江南市で初めての1泊体験学習「夏休み子ども防災キャンプ」が8月20、21の両日、同市立古知野西小学校で行われ、市内外の小学4年生から6年生まで約60人が参加しました。(社)江南青年会議所が主催し、地域開発委員会事業(永田広光委員長)の1つとして開かれたもので、いつ起こるか分からない災害を身近にとらえ、被災擬似体験を通して協調性を養うことを目的にしています。
20日には、同市消防本部や愛知県防災リーダー、看護師や同青年会議所会員ら約70人の協力の下、子どもたちは7つのグループに分かれ、消火訓練や煙体験、バケツリレーなどを体験しました。ポンプ車や、訓練用の水消火器を使った消火訓練に、「消火器は初めて持ったけれど、とても重かった」と話す遠藤公康君(古知野西小5年)と加藤涼平君(宮田小4年)。煙体験では、四方をブルーシートで囲ったテントの中に、人体に害のないバニラ臭の煙を充満させ、視界の悪さを体験。「何も見えなくて怖かった」と山田祥子さん(古知野南小4年)。倉知朝希さん(古知野北小4年)は「煙の中では姿勢を低くしないといけないと感じた」と、災害の怖さを実感しました。夕食は、簡易炊飯袋で炊いたご飯にカレーと豚汁を皆で協力して作り、就寝は体育館に敷いたダンボールの上。21日には、市内の地図を手に防災設備や危険箇所の調査に出掛け防災マップを作成するなど、貴重な体験をしました。
バケツリレーで消火訓練を行う小学生たち=古知野西小学校で

赤ちゃんと触れ合う 次世代の親を育成
●中学生の子育て体験 犬山・東部中生延べ28人が参加
犬山市は、中学生が乳幼児に接する機会を提供しようと「中学生の子育て体験事業」を同市民健康館で8月2日から24日までの5回に分けて実施、東部中学校(水野皓司校長)の生徒延べ28人が参加しました。子育て支援センター(鈴木園枝センター長)が企画したもので、7カ月から1歳くらいまでの赤ちゃんのおむつを換え、抱っこしたり手遊びをしたりと子育て体験をした中学生=写真。
赤ちゃんが好きで参加した辻坂薫里さん(2年)は「かわいいとしか思っていなかったけれど、泣いたり、ぐずったりして大変だった」と、自分もこんなふうに育てられたんだと感じたと言い、澤木育美さん(3年)も「動いてばかりでおむつ換えも大変。泣いたときは抱っこしたりあやしたりと喜ぶことをしてあげた」と、日ごろは小さい子と触れ合う機会がないため、赤ちゃんがもっと身近にいてほしいと感想を話していました。鈴木センター長は「命の大切さ、自分も大切にされて育ったんだということを感じてくれれば」と話し、中学生のころから親として必要なことを体験してほしいと、今後も次世代の親を育成する事業を計画していきます。

●中学生の職場体験 江南・西部中
江南市立西部中学校(丸山和成校長)の2年生106人は、働くことの厳しさや喜びを知り、進路の選択に生かそうと8月23、24の2日間、市内外29事業所に分かれて職場体験学習を行いました。
←溶接をする澤木一真君

ペンキを塗る金武正樹君→
●大小20の花台作る
物作りが好きな澤木一真君と金武正樹君は、扶桑町南山名の金網製造販売、(株)サン・ゴトー(後藤裕章代表取締役)で、鉄筋を切ったり、曲げたり、溶接したりして、大小20のフラワースタンドを作りました。「機械を使って物作りがしたかった」と言う澤木君は、初めて溶接作業を体験。「最初とまどったけど、コツをつかんだらうまくできるようになった」との感想。仕上げのペンキを塗った金武君は「細かい作業は好きだけれど、やってみると難しかった」と話していました。2人の作業を見守った後藤代表取締役は「できるかどうか心配していたけど、2人とも器用で少し説明しただけで上手に作業をこなしていました」と評価していました。

●見て聞いて原稿書きも
滝巳紗緒さん、長谷川貴穂さん、武馬加奈子さんは尾北ホームニュースを訪れ取材に同行。インタビューや原稿作成を体験しました。 「インタビューは緊張し、うまく聞くことができなかった」と振り返る武馬さん、「取材で、見たり聞いたり感じたりしたことを原稿にするのは難しかった」とは長谷川さん。滝さんは「新聞ができるまでに、校正などいろいろな作業があることを知った」と言い、初めての取材や原稿作成は思うようにはいかなかったとのことですが「いろいろな出会いがあり、自分の知らないことにたくさん触れられました」と話していました。

←鈴木センター長(右端)にインタビューする左から滝巳紗緒さん、武馬加奈子さん、長谷川貴穂さん

浴衣着て盆踊り
●ミクロネシアの舞踊団が江南市へ
江南市の万博フレンドシップ国・ミクロネシア連邦から舞踊団「チューキーズ スティックダンス」が8月19日来日し、同市国際交流協会(栗本務会長)の会員15人の家に分かれてホームステイ。翌20日には、布袋ふれあい会館で日本文化を体験しました。舞踊団は8月22から24の3日間、愛知万博に出演するため来日したもので、団員は男女28人。日本の普段の生活を見てもらい、相互理解を深めたいと同協会が主催しました。ホストファミリー宅で一晩を過ごした団員らは翌日、浴衣を着て盆踊りに挑戦し=写真、抹茶のたて方や折り紙など、伝統的な日本の文化にも触れました。
「ダンサーだけあって踊りの筋がいい」との声が掛かるほど、振り付けをすぐに覚えた団員らは楽しそうに踊りの輪に参加していましたが、抹茶の味は苦手のようでした。舞踊団の責任者マッデルソン・ラモンさんは、日本の印象を「コンピューター国で、家の造りや家の中では靴を脱ぐなど、いろいろな違いがあるが一番驚いたのは、あいさつをする時に頭を下げること。お互いを尊重していると思った」と話していました。昼食には会員ら手作りの、ちらしずしとミクロネシア料理のタコのココナッツクリーム煮が振る舞われ、午後にはそれぞれのホストファミリーと共に、名古屋観光やショッピングなどで楽しい時間を過ごしました。同協会の早瀬裕子さんは「今後も、長続きする市民レベルの草の根交流をしていきたい」と話しています。
 
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