扶桑町「サタデースクール」始まる・・・170611掲載
子どもの居場所づくり 
野菜作りと集団遊びを中心に
扶桑町では文部科学省の「子どもの居場所づくり」=「地域子ども教室推進事業」の一環として、土曜日に小学生対象のパソコン教室やスポーツ教室などが行われており、今年度は新しく「サタデースクール」の活動も始まりました。
サツマイモの苗を植える「サタデースクール」の子どもたち=高雄小学校の西側畑で ●236人が応募 大人も近所づきあい感覚で参加
高雄小学校で行われた5月14日の開校式には、多くの子どもたちや親が参加。式終了後早速、同小の西側畑でサツマイモの苗付けと落花生の種まきが行われました。核家族化や少子化の影響で子どもたちが集う場が少なくなり、異年齢や同年齢の子どもたちにさえどのように接したらよいのか分からない子どもが増えています。そんな中、「子どもたちの力が出し切れる場」「仲間をつくる場」「達成感を感じる場」、大人も含め「お互い育ち合う場」をつくりたいと、小学2年生の子を持つ母親の阿部まつみさんが中心となり、河村共久教育長や生涯学習課の大竹直人さんらとともに開校準備を進めてきたものです。今の子どもたちに足りないことは「自然に親しみ、仲間と忍耐強く課題に取り組むこと」「達成した喜びを味わい、思いっきり遊ぶこと」という意見が多かったことから、来年3月まで野菜作りと集団遊びを主に、同校の校庭と西側畑で活動をしていきます。
小学校を通じての募集に、応募したのは236人(うち大人79人)。阿部さんは「指導者は決めず、地域の皆さんと触れ合いながら昔のような近所付き合いができるようにしてきたい」と言います。清水香穂さん、糸井川友香さん、藤井みゆうさん(同小2年)は「苗を植えるのがおもしろかった」。下村海斗君(柏森小3年)は「草抜きもいっぱいしたよ」と楽しそうに話していました。今後は畑の水やりや草取りなどのほか、ドッジボールやサッカー、読書、色紙遊びなど好きな遊びをしながら、子どもと大人が一緒になって交流を深めていきます。

童話作家「おじん」の人権教室

童話を朗読する鬼頭隆さん(中央)ら=布袋小で
童話を聞く布袋小児童
●江南市内の全小中学校で開催
人が幸せに生きるための権利「人権」。人権問題に対する正しい認識を広めようと、人権教育講演会「創作おじんの人権童話会」が5月19日に布袋小学校(伊藤浩校長・824人)で行われ、保護者らも参観しました。平成17年度地域人権啓発活動活性化事業として、江南市人権擁護委員らが中心となって企画。子どもたちに親しみを持って理解してもらおうと、童話作家で「おじん」の愛称で親しまれている鬼頭隆さんと妻紀子さん、娘の瑞希さんによる童話朗読と弾き語りミニコンサートを、市内全小中学校で5月と10月以降に分けて行います。朗読したのは、仲間にいじめられ親にも見捨てられた醜いモズと、目が見えなくなったフクロウとの心の触れ合いを描いた、鬼頭さん創作の童話『もずの心』。紀子さんとの朗読と、瑞希さんの悲しくもあり激しくもあるピアノ演奏や切なく心に響く透き通った歌声、スクリーンに映し出される色彩影絵が相まって幻想的な世界を創り出し、子どもたちや保護者らはおじんの世界に引き込まれていきました。子どもたちからは「いじめがこの世からなくなってほしい」「瑞希さんの歌声が心にしみた」、保護者からも「じーんときて、涙が出てしまいました。今夜、子どもとの話題にします」などの感想が聞かれ、人権への理解を深めました。同人権擁護委員の安藤節夫さんは「話のうまさに引き込まれるおじんの童話会。子どもたちが人権について考えるきっかけになれば」と話し、後半の10月からも市内の小中学校で啓発活動を行っていきます。

生ごみ堆肥化で地域社会づくり
●環境カウンセラーの井狩氏が講演 大口町議員友の会
現職議員16人と、元議員30人からなる大口町議員友の会(宇野昌康会長)は5月26日、第24回通常総会を同町総合福祉会館で開き総会後には、考えよう・生ごみ堆肥化「土づくり、人づくり、国づくり」と題して、環境カウンセラー(市民部門)の井狩専二郎さんを講師に研修会を行いました。同町が循環型社会を目指して推進する「全町農業公園構想」の1つ、生ごみのたい肥化を本格的に進めたいと、各地で生ごみたい肥化の推進・指導をする井狩さんを招いたものです。
講演する環境カウンセラーの井狩専二郎さん 「生ごみたい肥化はもはや、単にごみ処理だけの問題ではない。良い土をつくることで良い作物ができ、その作物が健康で元気な人をつくり、良い地域社会がつくられる」と話す井狩さん。「良い土づくりには、化学肥料に頼り過ぎて落ちた地力を再び高める、たい肥を作ることが大切」と、生ごみに雑草やせん定枝、蓄糞なども入れ、温度や時間に注意して十分に発酵させたたい肥が、土づくりには最も有効だと語りました。研修を終えた木野春徳議員と倉知敏美議員は「良い土づくりには生ごみ利用が欠かせない。家庭からの生ごみだけでなく、事業者からの生ごみや廃棄物なども視野に入れていくことが必要」と言い、宇野会長は「循環型社会を目指し、悪臭や公害のない施設を考えていきたい。そのためにも、住民や事業者の理解と協力が欠かせない」と、町民の生ごみたい肥化に対する意識の高まりを望み、今後も研修などを重ねていきたいと話しています。

 犬山城前に甲冑工房
●今春オープン、毎週日曜日に実演
国宝犬山城のおひざ元にお目見えした「犬山甲冑工房」=犬山北古券=が、観光客らの人気を集めています=写真。同市が尾張地方の甲冑を展示する文化史料館とともに「犬山城につながる、城下町散策の目玉の1つに」と今春オープン。工房内には、前田利家が愛用したといわれる桃山時代の甲冑の復元甲冑などを展示。甲冑師・小川伸夫さん((財)日本甲冑武具研究保存会東海支部長)が、名古屋市荒子地区で見つかった古文書と原型から推定して復元したものです。また体験用の兜もあり、実際にかぶることができます。
毎週日曜日には「甲冑作りの工程を見てもらおう」と小川さんが実演。目の前で技が見学でき、質問などにも答える全国でも初の試みの工房です。小川さんは「命を的にしながらも命を守る。重いが自分の身体にぴったり付き、自分の意思通りに動く」と、甲冑の魅力を語り「犬山の観光に大いに貢献したい。甲冑を間口に伝統文化を知ってほしい」と、国宝犬山城にふさわしい郷土の祭りや、まちづくりのきっかけにもなればと話します。観光客からは「重さは」「材質は」「当時でどれほどの価値?」などの質問が相次ぎ「8〜12キロぐらい。成人男子の2年分の収入くらいで、昔は…」と解説。訪れた観光客らからは「甲冑は興味があっても見ただけでは分からない。こんなに詳しく説明してもらえて良かった」との声が聞かれました。甲冑の実演は、毎週日曜日午前10時から午後4時まで。
 
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