(平成12年6月3日掲載分)
すしに酢を使うのが普通になったのが元禄の頃(一七世紀末期)。こうした即席のすしは当初は邪道扱いされたが、それから百年もたつと、すしの王道を歩むようになっていた。そればかりか、姿ずしと箱ずし程度しかなかったバリエーションは、一八世紀末から一九世紀初頭にかけて、ぐんと広がった。今回は、その中の巻きずしにスポットを当ててみる。 |
(平成12年6月10日掲載分)
今やポピュラーすぎるほどポピュラーな稲荷ずし。しかし、その発生は不思議なくらい妖としている。けれども、稲荷ずしそのものは、少なくとも一九世紀前半には、確実にあったことがわかっている。 |
(平成12年6月17日掲載分)
握りずしの「発明者」としてしばしば名前が挙がる華屋与兵衛。寛政十一年(一七九九)生まれで、二十数歳まで札差に奉公し、その後、すし売りに転じたという。最初は江戸・松屋町かいわいを売り歩いていたのが、やがては両国に店を構えるようになった。 |
(平成12年6月24日掲載分)
すし屋の敷居が高いという人は少なくなかろう。その主たる原因はふたつ。職人の気むずかしさと不明瞭な価格である。例外も多々あることは承知の上だが、概して「すし屋のオヤジ」と言えば頑固一徹なイメージがあり、「すしの値段」と言えば「時価」に代表されるごとく、わかりにくい。 |