コミックマーケット55の夫婦対談2


(妻)さてさて、前回の続きとして対談を続けましょう。二日目の事とか。今回から駅に近いホテルにしたので楽だった
  よねぇ。
(夫)そうですねぇ、朝、スクランブルエッグも食べられるし。
(妻)何かホテルのランクを上げたらちょっととまどってしまいました。チェックインの時に前の人が英語しゃべってる
  し。
(夫)フロントに何カ国かの標準時が表示されてましたねぇ。
(妻)一歩ホテルに入ると、中途半端に日本的だったのが印象に残ってます。
(夫)あと私は、部屋に新約聖書があるのを見ました。最初はマタイによる福音書でした。
(妻)旦那は聖書関係に興味あるからなぁ。勧誘に来ても「悪魔ってほんとにいますか」ってマジに聞くし。
(夫)聖書を信じているなら、当然悪魔の存在も信じてないと嘘でしょう。いっぱい出てくるのに。

(妻)で、ホテルの話に戻るんですが、だいたい今までの統計から言って、コミケのご同輩を発見する時って、朝食時
  が多いですね。今回もピンクハウスに身を固めた女性とか見ましたね。
(夫)私はカートを引いてる人を窓から見ました。
(妻)だいたい朝早いあの時間にいる大荷物持ってるサラリーマンじゃない一般人はコミケに行く人といって間違い
  ないかと。
(夫)話が少し戻りますが、寝る前につけておいたTVで面白いドラマやってました。NHK教育の「フルハウス」という
  アメリカのTVドラマです。やっぱアメリカのドラマは面白い!!
(妻)あっちのドラマって、話の中で同時進行する話がいくつかあって、それがまとまっていく過程も面白いですね。
(夫)やっぱり会話がおしゃれですよね。目と目で通じ合えない国民だけの事はある。
(妻)言わないとわかんない訳ですね。

(妻)では、本題のコミケ二日目ですが・・・。
(夫)今回もトラカンは中堅どころに配置されてたみたいですね。周りみんな上手いサークルばかりでした。
(妻)左はプロの田川滋さんのとこで、右はみかんに顔を描いてるカットで有名な「愛知青年画報」さん。周りには
  大之国ぽんさん、眠田直さんのとこなんかありました。
(夫)すると、うちもそこそこの評価をされているという事なんでしょうか。
(妻)うーん、ただ単に少年創作で地方別にまとめたらそうなってるとかいう事ではないでしょうか。
(夫)なるほど。まぁ新刊もロクに出てないサークルだし。
(妻)ほんとにねぇ・・・。そもそも「描きたい」っていう欲求があるのか疑問ですが。
(夫)昔に比べると、そういう欲求は少なくなってるかも知れませんねぇ。同人誌始めた頃は、本を作るのが面白
  かったけど、今はそうでもないなぁ、と。
(妻)昔は自分の原稿が印刷されただけで嬉しかったけど、今はそれが当たり前になっちゃって、新鮮味がない、と?
(夫)私個人としては、義務のように感じてしまって本人が楽しくない。だから筆が進まない。
(妻)義務かぁ。ある程度の雛形が出来上がってしまった会誌の維持が辛いのですか?
(夫)編集とか装丁を考えて今の形にするのは面白かったけど、同じ事を繰り返すというのはただの作業になって
  しまって面白くない。結局自分で自分を縛ったような形になってた訳です。
(妻)自分でわかってるのなら、ガラッと変えた本を作るとかで解決するんじゃないの?
(夫)それで21号からは会誌のイメージを変えた訳です。ただ、メインの描き手の西條くんは、商業誌で忙しいし、
  会員に一度ついたサボリ癖が直らなくて、なかなか会誌が出ないのです。
(妻)もうプライドばっかり高いんだから〜自分は漫画が上手く描けるって言ったって、描かなきゃ何にもないじゃん。
  持ち込みの話だって頓挫したまんまだし。
(夫)いや、西條くんと話し合って、春頃F社に持ち込みする予定です。
(妻)(・・・また前みたいに前日描いた4ページを持っていくとかいう事になるんじゃないかぁ〜?)頑張ってね。
(夫)ま、危機感も夢もないのが一番悪いんですが。新刊出さなくてもコミケは落ちないし。
(妻)でも、今回スタッフの査察があったじゃないですか。
(夫)ダミーというわけではないし、大丈夫でしょう。それに、自慢じゃないけどうちのバックナンバー面白いですよ。
(妻)ほんとに過去ばっか振り返って。確かに面白いですけど、今の自分の作品で、過去の作品より面白くする自信
  はあるわけですね?
(夫)今のところ無いです。
(妻)まー正直だこと。
(夫)ただ、かなり世間から忘れられて来ているので、ここで一発という気持ちはあります。
(妻)そう思っている漫画家志望の人がひしめき合ってるわけやね。
(夫)私は期待されるとダメな人間なんです。プレッシャーに弱くて。不意打ちが得意なんです。
(妻)・・・何かやな性格。正攻法は苦労が多いので、なるべく楽な方向に進みたいという堕落した人間の言い草だわ。
(夫)不良が小犬を拾うと、「いい人」で、生徒会長が万引きすると「悪い人」になるように、最初の基準が高いとそれを
  上回るのが難しくなりますからねぇ。
(妻)炎転(炎の転校生)にそんな話ありましたね。
(夫)というわけで、世間が期待しない今こそ、作品を発表する時期だと思う今日このごろです。

(妻)で、本題にはいりますが、この対談をしようと思ったきっかけになったスカイパーフェクTVの取材について話し
  ましょう。
(夫)胸に科特隊のバッヂを付けたお兄さんが、「ねこトレックあります」とカタログに書いてありましたが、ねこトレック
  の「トレック」って、「スタートレック」のトレックですか?と聞いてきたんですよ。
(妻)ほほう。
(夫)見て分からんのかおのれは。と思いつつ「そうです」と答えたら、スカイパーフェクTVの情報番組でコミケの特集
  をするので、取材させて下さい。と言うわけです。ちょうどなおちゃんが出かけてたので、「責任者が不在なので
  後にして頂けませんか?」と時間をずらしてもらったんです。
(妻)ブースに戻ってきてその話を聞いてびっくりしました。「ええっ!!」と半信半疑のうちに、ブースの前にカメラと照明
  さんとインタビュアーの人と進行の人が立ってるんだもん。焦りました。
(夫)確認したところ、ねこトレックメインのようだったので、もう全てなおちゃんに一任・・・全責任をかぶってもらおうと
  思いました。
(妻)心構えも出来てないのにいきなりTVカメラに撮影されて緊張どころではなく、真っ白になりました。一夜にして
  白髪になる人の気持ちってこうかしら。
(夫)自業自得でしょう。そもそも「創作少年」のサークルカットに「SF」の同人誌広告を描くもんだから、そういう目に
  あう。というか、ちゃんと注目されて取材が来た訳だから、宣伝効果バツグン。うまく行ったと喜ぶべきでしょう。
(妻)そんな事想定してません。一冊でも良いから売れれば良いかなって事で宣伝書かせてもらったんだし。第一、
  委託っていうのはジャンルが違ってても全然構わないっていうのがこの世界の常識ですよ。
(夫)そうなんですか?だったらジャンル分けしてても意味が全然無いですね。
(妻)あくまでメインの活動をしているジャンルを書き込むってあるじゃないですか。複数のジャンルの活動をしている
  サークルもあるんです。それに、知人の同人誌を委託してる時もあるんです。
(夫)まあそれはそれとして、とにかく自分の書いた宣伝文句でマスコミが来たのは間違い無いんだから、自分で
  責任とって貰わないと。
(妻)だから「助けて光線」出してたのに助けてくれなかったんですね。
(夫)だって「ねこトレック」の作者に取材に来たのに、私が答えるわけにもいかないでしょう。
(妻)そりゃそーだ。
(夫)それとも、かわりにあることないこと答えた方が良かったかと?
(妻)両極端ですね。アンタ。
(夫)ただ、ちょっとピントのぼけたインタビューだったかな、と。てっきりスタートレックメインの質問かと思ったら、
  私たち夫婦の事とかコミケに関する事も聞いてくるし、ひょっとするとスタートレックについてはインタビューアーが
  好きなだけで、別に番組とは関係なかったとか?
(妻)「ウォーフの肩掛けって何ですか?」と聞かれたし。
(夫)他にスタトレサークルを取材していれば直ぐに分かる事なのに、うちに聞いて来たという事は、他のスタトレサー
  クルには聞いてないという事だし。
(妻)間違った事言ってなかったか自信無いです(^^;;;;;)
(夫)どうせ本編では使われないし、いいじゃないですか。
(妻)知りあいでスカイパーフェクTV入ってる人いないし。
(夫)なおちゃんよりも、受け答えの上手かったサークルの映像と、岡田斗司夫の映像で番組作るんですよ。きっと。
(妻)終わった後恥ずかしくて、家に帰っても恥ずかしくてゴロゴロ転げまわっていた私には心強い意見です。
  そうそう、思い出しました、セバスチャンの話をしましょう。

(妻)岡田斗司夫先生のブースに行ったら、となりにセバスチャンが座ってて驚きました。フィギュア王の額田さんも
  いたし。旦那は岡田先生の同人誌読んでセバスチャンの人物像理解してくれて嬉しいよ。
(夫)まあ、知り合いに割と迷惑度の似たような人物がいたので、他人事じゃなかったです。もうその人はまともに
  なりましたが。
(妻)どこでもそんな人いますねぇ。「さみしい人」と呼んでますが、うちらにかまっている事で、他の人に迷惑が行か
  ないのなら、といろいろ我慢していた時もありましたねぇ。
(夫)思い出すと暗くなるので、その話はやめましょう。
(妻)話を戻しまして、「うわ〜生セバスチャンだ!!「綾波」と書かれたTシャツ着てるのは林原めぐみ嬢の熱狂的ファン
  という事で納得。岡田先生の本を買おうと並んでいたら、私の前の二人組みの女の子をセバスチャンが気に
  入ったみたいで、通訳の人が「日本人の恋人募集中」とか言ってて、その場面をTVカメラが映してて、その二人
  に挟まれてセバスチャンが記念写真を撮っている隙に、私は岡田先生の本を買い、サインももらいました。
  「オタクアミーゴス大阪に行きます」と行ったら「どちらの部ですか?」と聞かれたので、「昼の部です」「ああ、後の
  部は体力が続かないから昼の部の方が良いです」と言われました。私の選択は間違ってなかった!!
(夫)同人誌を読む限り、フランスでの話しか載ってなかったのに、きゃつは何故日本に?
(妻)コミケに来るかもって話は聞いてたんですが、まさかほんとに来てるとは。しかも岡田先生のとこにいるとは。
  あっそう考えると、あの時撮ってた写真はフィギュア王に載せる写真だったかも・・・。
(夫)希望どおり、日本人の彼女が出来ると良いですね。そして、やっぱりプラグスーツ着せたりするんでしょうか。
(妻)日本のアニメで日本語覚えたくらいなら、それもありえるなぁ。

(妻)で、新年が明けたわけですが、今年の抱負は?
(夫)まず、メンコミの電脳版と通常版のスペースは取ったので、それに参加する為にエロ同人誌を作る。あと、
  春先に西條君とF社に持ち込み。モンスタージャパンさんの広告イラストを毎月上げる。夏コミと冬コミに新刊
  出す。今年中に岡田君と集英社に持ち込み。
(妻)私は今年中に「ねこトレック」の今まで描いた原稿を同人誌にまとめる。手塚MLの同人誌の編集をして、夏コミ
  に発行する。自分のとこの手塚サークルの新刊も出す。あとガーデニングの本も描きたいな。
(夫)よく考えたら「駄作戦」の事忘れてた。ずっと忘れていよう。
(妻)細江さんの鉄拳が飛んでくるよ。ロケットパーーーンチと。
(夫)じゃ、駄作戦も描きます。
(妻)目先の目標は共通な「機能的な部屋にする」だよね。
(夫)何とか正月中にそうしたい。
(妻)(・・・こいつは全体を見ずに、せせこましいとこから片づけるから結局片付かないんだけど、黙っていよう)

夫&妻
ではでは、今年もよろしくお願いします〜!!

1999.1.2 AM3:05