映画ジャングル大帝を観ての夫婦対談 パート2

(お)では続きをしましょう。
(ひ)まずヒゲおやじ声優上手い!!さすが富田耕生さん。
(お)上手いっスねー「わしが悪かった!!」でシズマ博士を思い出しました。ロボ、早く観たいで
   す。来年が待ち遠しいです。
(ひ)そのシーンはまだ早いです。
(お)最初のヒゲおやじとレオの対面シーンですが、「おまえは・・・」と引っ張ったんで気に
   なってましたが、あれ、初対面だったんですねぇ。原作ではとっくに知り合いだもんで...。
(ひ)このころから気になり始めていた訳ですが、レオが人間の言葉を話さない、いつ話すんだろう
   と気になって気になって。
(お)私も気になってました。原作ではルネでさえカタカナですがしゃべれるという設定でした
   から。
(ひ)まあ、しゃべらなくても演出でなんとかなるところもあるでしょうがラストシーンくらいは...
(お)そのシーンはまだ早いです。
(ひ)オルゴールの設定は原作には?
(お)ありません。ルネは「しゃべるライオン」として物珍しさでサーカスに売られるのです。
   スターになってサーカスが火事になるのも同じです。こうしてみると割と似てますね。ちなみ
   に、ルネは原作では耳の先黒くないです。
(ひ)都会に憧れる妄想シーンなんか杉野さん楽しそうな感じですが、あれは映画用オリジナルです
   か?
(お)原作にもあります。その事忘れて「都会のブッチー」っぽいなーと思ってしまった私です。
   王宮は原作では作ってましたけど、映画では何だか遺跡の様に最初からあったようになって
   ますね。
(ひ)全体を通じて思うことですが、竹内さんの脚本ダメですね。
(お)ああーーっまたーーこいつはーー!!(だからこの対談がブラックだと言われるんやーっ)
   で、何で?
(ひ)あの脚本は、原作を尺に納める為に書かれた脚本であって、もらった尺をフルに使う脚本では
   ない訳です。
(お)あれはあれで、映画だけ観た人が納得できるように作っているので、全体を通して観れば
   頑張っているなーと思えない?
(ひ)私は納得していませんし、映画として観るのであれば、非常に散漫な脚本です。あれは初め
   に、レオありきで、レオを知らない人が観たら、全然わからないと思います。
(お)白いライオンレオを知らない人っていないと思ふ。まあ、子供は知らないのかなぁ。
(ひ)子供向けの映画だったのでは。
(お)はっ矛盾を作ってしまった・・・親が知ってりゃ良いんです。
(ひ)まあB・Jよりは興行収入もイイでしょう。もう、松竹は騙せないと思いますが。
(お)人聞きの悪い事を・・・(汗)今度は東宝だってか?そういえばおふくろさんって眉毛が村山
   元首相ですね。
(ひ)話は変わりますが、サーカスも死斑病も余分なエピソードだと思うんですが・・・。
(お)そうするとキャラクターのとる行動の必然性がなくなると思うんですけど・・・。
(ひ)ていうか〜、それぞれのエピソードが短すぎて、なんとなく並べているだけって感じがする
   んです。
(お)印象に残ってない、と?
(ひ)ハムエッグの行動の方が印象が強いので、そっちの方をもっと観たかったと思ってしまいまし
   た。
(お)そうですね、キャラターが多いせいか、誰が主人公、と聞かれても説明が出来ない、誰なんで
   しょ?
(ひ)先ほど言いましたが、あの上映時間であれだけのエピソードを詰め込むのが間違いなんで、
   原作を無視したオリジナルをやるか、ちゃんとパンジャから始まる最初のエピソードを映画化
   した方が良かったのでは?で、来年にラストを含めた完結編をやる、と。完結編だけで4時間
   は欲しいですね。
(お)それだとどう考えても一日三回しか上映出来ないんで大変ですね。少しでも上映回数増やす為
   に配給元は映画の時間を短くしようとするんですから。
(ひ)岐阜では一日三回しか上映しなかったじゃないですか。午後はヘラクレス上映してましたね。
(お)あれはねームチャクチャでした。
(ひ)一回70人で一日三回、このデータが松竹本社に行く、と。手塚治虫はやっぱりダメだ、と。
(お)あーーっまた今回もトドメさしてどうするーーっ!?
(ひ)来年は手塚プロの方、手塚作品諦めて、寅さんのアニメ化企画持ってって下さい。作画は
   日本アニメーションで。
(お)こ、こうきたか・・・(汗)
(ひ)あなたは印象に残ったシーンとかあるんですか?
(お)メリーの口元が杉野さんしてるなぁ、と。あとルッキオ。さすがへきへきがやってるだけあっ
   てスンゲーカワイイです。
(ひ)何か酷い事ばかり言って印象悪くなるといけないので、ホロリとしたシーンをひとつ。ライヤ
   がいまわの際のシーンで、私、泣けてしまいまして。
(お)わざと原作読ませなかった真実はここにある!!ラストシーンでうるうる来るのはわかっていた
   んで、ライヤが死ぬシーンで鼻ズルズルいってるのを聞いて「してやったわ!!」と心の中で
   ほくそ笑んだ私です。
(ひ)原作は読んでなかったんで、はたしてルネが死に目に間に合うかどうかは知らなかったんです
   が、手塚さんの事だから、絶対間に合わないだろうと思ってとりあえず泣いときました。
(お)それにしてもバルコニーでバッタリ倒れたライヤを見て「あーお母さん死んだー」と言った
   幼児がいましたね。まだ死んでない、死んでないと心の中でツッコミ入れときました。
(ひ)子供にとって、テレビや映画の中では、よく人が死にますから、倒れたら死ぬのが当たり前と
   思ってるんじゃないですか?
(お)そういえば、吹雪のシーン、CGきれいでしたね。
(ひ)まあ、ああいうとこにはCG使って良し。シマウマ不可。
(お)何かこだわってますね。思い出しました、月光石の結晶ってマテリアですよね〜(今ちょうど
   FF7やってるもんですから)
(ひ)あと本編で触れておきたいシーンは、レオの失明わかんなかったですねー。
(お)雪目になって見えにくい、という描写はありましたが、あのヒゲおやじの反応を見ると失明し
   てるの?でも、セリフで言ってくれないんで映画だけ観るとわかりづらいですね。
(ひ)レオがしゃべってくれないんだから、なるたけヒゲおやじに説明してもらわないとこっちは
   わかりませんよ。
(お)ラストシーンで、ルネにレオの話を聞かせると言ってましたが、あのシチュエーションだと、
   ルネはレオの毛皮を見て「よくもお父さんを殺したなー」と勘違いしないのか?と思いまし
   た。ルネはしゃべれないけど人間の言葉は判る、という設定なんでしょうか。
(ひ)一応、ヒゲおやじはルネの命の恩人だから、そんな勘違いはしない、という事でしょうか。
   で、スタッフクレジットのEDですが、手抜きですね、あれは。
(お)もののけ姫より良いですよ。
(ひ)上を見ずに下を見て安心するという事ですね。
(お)もう作ってくれるだけで有り難いと思わないとダメですかね、手塚アニメ。もう新作観れない
   と言われたら寂しいですもん。
(ひ)全体的な感想としては、ジャングル大帝とタイトルが付いていても、やはり主役はハムエッグ
   だったと。
(お)だだだーっ「ハムエッグ」。というタイトルが出る映画のOPって何だかなぁ。
(ひ)ハリウッドの映画では、俳優のランク順に名前が出ます。で、タイトルより先に出るのが
   ギャラが高い役者です。
(お)「バットマン&ロビン」のシュワちゃんの扱いの大きさったらもう・・・ねぇ。
(ひ)パンフの話を最後にしましょう。
(お)シングルCDが付いて600円はオトクで、しかもサイズが大きいですね〜。
(ひ)見所はやはり、「イマジン学園」でしょう。
(お)最初TVで見た時は「手塚チックな絵やな〜」と思っていて、その後手塚プロ訪問して、お話
   聞いて間違いなかった!!と思いましたもん。
(ひ)このパンフも、適当に写真並べただけの様な気がします。あと、子供に読ませる絵本の替わり
   を狙っているんでしょうか。
(お)無意味にでっかい絵が多いですね。これだったら普通のサイズで出しても変わらない様な。
   あと、声優さんのコメントとCGをどう作ったかがなかったですね。ちょっと残念。
(ひ)まあ、家族向けの映画のパンフですから。
(お)はー、やっぱりファンとしては色々考えちゃいますね。どうせ買うならこうあって欲しいと。

(ひ)ついでにハシゴして観て来た「もののけ姫」の話を少し、あっちはあっちでムリに引き延ばし
   てる気がしました。短編で作ればいいのに。
(お)なんか上手く行ってませんね。
(ひ)まあ「ジャングル大帝」と違って宮崎駿大先生ともなると金が集まりすぎて短編では収まらな
   い、という事でしょう。例えるなら、こじんまりした物でいいと言っているのに、勝手に
   でかいタンスを花嫁道具に買ってくる両親の様なものでしょうか。
(お)もう「パンダコパンダ」の様なキラキラした宝石粒の様な作品、観れないのでしょうか。
   「On Your Mark」がありますけど、もっと子供向きで・・・。
(ひ)スポンサーが子供向きに作れ!と言えばいいんですが、なかなか宮崎駿大先生ともなると
   ねぇ。
(お)もうブランドですよ、ブランド。
(ひ)「奴は暴走している!!誰か奴を止めろ!!」はっっまたロボに。
(お)とにかく、もう今回は「ナウシカ」+「シュナの旅」という印象がぬぐえません。どこかで
   観たシチュエーション、セリフがあちこちに。
(ひ)これから私は宮崎駿大先生ぐれいとの事を「口移し監督」と呼称致します。
(お)しかも女の子からばっか。
(ひ)「ジャングル大帝」と「もののけ姫」を見比べて感じた事は、手塚先生はストーリーを創る
   監督で、宮崎駿大先生は場面をつないで行く監督だなぁ、と思いました。
(お)宮崎先生は手塚先生のスターシステムに対抗して、シチュエーションを使い回しているのか?
(ひ)それは面白い見方ですね。あと、決定的に違うのは女の子の描き方ですね。宮崎駿大先生の
   女の子は、強くて胸がでかい。手塚先生はお上品で目がキラキラしている。
(お)手塚先生は戦前生まれで女の子に幻想を抱いているよーな・・・宮崎先生はもう好みとしか、
   はっこれでは同じだ〜。
(ひ)宮崎駿大先生は、百年かかっても「リボンの騎士」は作れないでしょう。それが良いとか悪い
   とか言うんではないですけどね。
(お)うーん、根本的に違うのでそれぞれのキャラクターを逆に創ったら、という想像してみたけ
   ど、ダメですね、ピンとこない。「もののけ姫」は大ホールで上映されていて、あんなに沢山
   客も入っているから、大ヒットという事で話題になってまた客が来る。いーなー。
(ひ)どちらの作品も今一歩でしたね。手塚プロにもう少し体力があれば「ジャングル大帝」もOVA
   で、ちゃんと原作通りの作品を出して欲しいです。あと宮崎駿大先生は、今後一時間を超える
   作品を創るのは禁止。
(お)もうそろそろ昔作った設定とかも品切れでしょう、宮崎先生。(もののけ姫は随分形も変わり
   ましたが)
(ひ)もっと映画映画した作品を創れる人はいないんでしょうか。
(お)なんだか新人でこれは!!って出てくる人もホントにいませんね。
(ひ)もう日本じゃムリでしょう。
(お)なんだか「日本のアニメ界の先は暗い」という結論になっちゃいましたね。
(ひ)だって暗いもん。
(お)何か悲しいですね。世界で「ジャパニメーション」(今は「アニメ」で通用します)といって
   チヤホヤされてますけど、裏を返してみればとても薄っぺらい内容で先は見えていて、過去の
   遺産を食いつぶしている。
(ひ)食いつぶすって、手塚プロの事ですか?
(お)こ、こ、こ、こ、・・・こいつは〜〜〜!!(首絞める)(またもやサクッと終わります)

H9.8.11 PM11:51