私の好きな手塚作品

どろろ

まずは「どろろ」。「ブラック・ジャック」ほどメジャーじゃないけど私にとって手塚作品の中ではピカイチの作品です。 小学生高学年の頃、少ないお小遣いを工面して一生懸命サンデーコミックス版(秋田書店)の手塚マンガを集めてました。「バンパイヤ」「海のトリトン」「ブルンガ一世」「魔人ガロン」「サンダーマスク」などなど町内に二軒しかない書店で入手しました。僻地だったこともあり、コレクターとしてはお粗末な環境でした。当時はまだ、講談社の手塚治虫漫画全集は発売されてなくて、チャンピオンコミックスとサンデーコミックスが私の手塚漫画の原点かも。そんな当時、読んだ「どろろ」は強烈な印象が残ってます。百鬼丸の悲しい身の上、グロテスクな乳飲み子時代、魑魅魍魎が跋扈する世界、ハッピーエンドともアンハッピーエンドとも取れる突き放したようなエンディング、それにそれに・・・やっぱり百鬼丸がかっこいい、これにつきるでしょう。体中が作り物で刀が腕に隠されているという設定はなんだかサイボーグみたいですよね。ヨロヨロになってる着物 とか、惜しげもなく開かれている胸元に色気を感じている女性ファンも多いとか。

 どろろというと差別用語が話題になっていて、版を重ねてくると用語の変更、削除が行われてて、当時の本と今の本を比べてみると「うわーこんなにも違う!」とびっくりするくらいです。アニメがビデオ化される時なんか百鬼丸の腕が生えてくるシーンまで削られてしまいました。そんなわけで、現在再放送は絶望的で、二本の ビデオソフトと東京で行われる上映会くらいでしか観る事は出来ません。密かにLD-BOX化を望んでいる人は 多いと思われます。と書いたらなんとLD-BOXがついに発売!!ファンは仰天しました。カットなしで収録してくれて感謝感激。そののちのWOWOWで放送されたバージョンは、音声カットがありました。WOWOWで放送されたことによって新たなファンが増えた模様。

バンパイヤ

この頃の絵柄が大好きです。ペンタッチが丸っこくて、のりにのって描いてる感じがなんとも好きです。さて、バンパイヤといえば間久部緑郎(ロック)の魅力に尽きるでしょう。それまでロックの役柄と言えば正義感あふれる少年役で、このバンパイヤでの徹底した悪役ぶりは沢山の女性ファンを獲得しました。まさにイメージカラーは黒ですね。「今の時代に実写で映像化するのだったら、誰がロックを演じるのか」というお題で知人と話し合ったのですが、あの魅力を出せる人は今の芸能界にはいないんじゃないか、という結論に落ち着きました。アニメになったら、声優さんは「透明感があって若々しく、リンとした声の響きの人」・・・誰やソレ。 さてさて、「バンパイヤ」の実写は昭和43年にTV放送されました。「懐かしのアニメ」系特番で「あの水谷豊が!」とかいってよく放送されるので若い方でもご存じだと思います。(ちなみにトッペイ役)狼に変身するシーンは実写とアニメの合成で、今見ても遜色ありません。変身後の狼がマンガタッチなのがパイロット版で、リアルっぽい方が実際に放送された方です。私は数年前に上映会で二話分観たのですが、もうフィルムが全話現存してなくて、全話LD化は出来ないのではないか、という噂でしたが、このほど、マスターが現存 していて、ついにLD化しました。私は買っていませんが、見た方、ラストを楽しみにしてますんで、ネタばらしはやめてくれるとありがたいです。話を元に戻して、その上映会で観た話で、何が面白かったかと言いますと「第一話で虫プロを探してあちこちの人に『虫プロどこですか』と聞きまくる水谷豊」と「秋吉台でルリ子さんを穴に突き落とした後、いきなりどこからかギターを取り出して岩の上で『ロックのバラード』を歌いまくるロック」でしょう。インパクト強でした。

 ところで、秋田書店刊のサンデーコミックス版バンパイヤ全3巻ですが、つい最近全4巻として出し直されましたね。(1,2巻を1,2,3巻と編集し直したのです)主人は何を思ったか4巻を見て「おお〜っあのウェコ編の続きが読める!」といそいそと購入して・・・「騙された!!」と言ってました。(あ〜あ、全体の本の厚さを見ればわかるのに・・・)

 講談社の手塚治虫漫画全集の第4巻が、手塚先生が亡くなってから発売された訳は、先生はバンパイヤの続きを書き下ろしで収録したくて発行しなかったんだそうです。(同様にいつまでたっても単行本化されなかった『プライムローズ』が、死後発行されたのも、先生が全面的に書き直したかったからだそうです)全集の4巻はちょっとだけ余分に収録されてますので要チェックです。 手塚先生のマンガで未完の作品数あれど、これほど続きが読みたい作品もないんじゃないかと思います。

リボンの騎士

男の子の心と女の子の心を持ってしまったお姫様の話・・・サファイアは子供心にも可愛くてキレイで、カッコ 良くてドキドキしたもんです。九月生まれの私の誕生石がサファイアで、それを知った時、とっても嬉しかったのを覚えています。しかも宝石のサファイアって私の好きな藍色。 マンガの話ですが古い順に並べてみると「少女クラブ版」「双子の騎士」「なかよし版」 「少女フレンド版」があります。

「少女クラブ版」は日本初のストーリー物の少女マンガで、「なかよし版」は「少女クラブ版」の焼き直しです。「少女フレンド版」はアニメが放映されたのをきっかけに原案・手塚先生、絵は虫プロの人で 途中で終わったマンガです。(全集なかよし版あとがき参照)「少女フレンド版」だけ単行本化されてません。 「少女クラブ版」の続編でサファイヤとフランツの子供(男の子と女の子の双子)が主役である「双子の騎士」 ですが、また後日、書きたいと思いますのでここでは「少女クラブ版」と「なかよし版」の事を書きます。

「少女クラブ版」は等身も低く、チマチマした印象を受けますが、こっちのほうがフランツとサファイアの結びつきの強さが出ていてほほえましく読めます。サファイアの足がとても色っぽいです。(何見てんだわしは)アニメ版とは話の流れが違うので、初めて読んだ時はハラハラしました。「なかよし版」よりも感情移入して読んでしまいました。

 「なかよし版」は頭身もアニメ版風で、ここのエピソードをそのままアニメに持ってたのも多く、(ビーナスさまの話など)まずはこちらから読む事をオススメします。 フランツがサファイヤを勘違いで憎んでいて、サファイヤが女物のカツラをかぶって、サファイヤ=亜麻色の髪の乙女と判って相思相愛となるシーンが好きで何回も何回も読んだモノです。知人はこのシーンのフランツのサファイヤに向けて言う台詞が身悶えするほど恥ずかしいんで気に入ってるみたいです。(笑)アニメには出て きませんがフリーベも可愛くて好きです。女騎士で強いのに、サファイヤが男だと思って結婚を迫る女らしさが ミックスされて良いです。

 さて、アニメの話ですが、最近BSで放映されたのでエアチェックされた方も多いと思います。私は今まで 全話録画に三回チャレンジして、この前の放送でやっとパーフェクトに録れました〜。大人になってから観る と、また違った見方が出来て興味深いです。子供の頃は何も思ってなかったけど、ヘケートがカワイイ〜ん だなこれが。登場する時のBGMまでカワイイ。(原作版(なかよし版)のヘケートも良いぞ〜吾妻ひでおのミャアちゃんの元キャラ?と思うのは私だけかな?)一応幸せになるのも嬉しい。
 話を元に戻して、アニメ版のシリアスな最終回にかけての盛り上がり方が好きです。中盤の区切りと言える「たいかん式」の盛り上がりも好きです。フランツの声優さんは途中で代わって、元に戻りましたね。何かあったのかな?フランツはアニメ版の方が好きですね。知人宅は、幼稚園の女の子に観せたら、何時間も全話繰り返し繰り返し観て、通っている幼稚園でお友達にリボンの騎士の話題をふっても通用しないけど、先生は分かってくれる、という事態が発生したそうです。微笑ましいエピソードですね。王子様とお姫様と宝石とリボンっていつの時代の女の子にも受けるお話だと思います。親から子へ安心して観せられるアニメは少ないのですが、その中の優れた一つだと、私は思います。

海のトリトン

何だかいまさらって感じですが、海のトリトン(以下トリトンと略す)の事について書いてみようかと思います。私がトリトンという作品に初めて出会ったのは、東海地方の多くの人と同じ様な境遇かと思いますが、小学生の夏休みの頃、午前中のアニメ再放送の時間枠で放送していたのを観ていました。あの頃はアニメなら片っ端から観ていて、アニメの再放送も頻繁にしてくれる良い時代でした。トリトンはふしぎなメルモとセットで再放送されており、毎年夏休みになると放送される年中行事の様なアニメでした。何年か後からはトリトンはキューティーハニーに変わってしまいましたが、トリトンの海を舞台とした内容は夏休みとマッチして、海の涼しげな印象と、見知なる海への憧れといった当時の快い思い出があります。

 アニメの内容ですが、いまさらって感じなので省きますが、ピピの声優さんは広川あけみさんと行って、広川太一郎氏の妹さんという話を聞きました。ピピって生意気であんまし好きではないのですが、そこが良いっていうファンも多そうです。トリトン役の塩屋翼氏は、ガッチャマンのつばくろの甚平の声を演じていますね。最近でははれときどきぶたで、怪しい小学生、武蔵小金井くんを演じてて驚きました。かわいい男の子好きなお姉様方にはオオウケだなぁ、と思っていたら、トリトンのあの少年期の不安定な生意気な、それでいて母性本能を刺激する姿と声は話題になり、アフレコ当時から熱狂的ファンもいたそうです。ラストでは正義とは何か、という(ネタばらしになってしまうので、詳しくは書きませんが)当時としては珍しい終わり方をしていました。

 さて、原作のトリトンですが、原作があること事体知らない人もいるんじゃないでしょうか。私が初めて読んだ時は小学生の同級生の男の子の家ででした。サンデーコミックスの魔人ガロンとトリトンの3巻を見せてもらい、当時手塚ファンになりたての頃だったので、これ幸いとサンデーコミックスのシリーズを集めたものです。その男の子に手塚ファンだったのか聞くのを忘れてしまいましたが、その子家に遊びに行かなかったら、ひょっとして手塚ファンになってなかったかも。貴重な体験でした。話を元に戻して、原作はサンケイ新聞ではじめは「青いトリトン」というタイトルだったのが、途中から「海のトリトン」とかわり、現在でも入手しやすい形で出版されています。血の繋がらない育ての母と兄がいたり、オリハルコンの剣は出てこなかったり、ピピはピピ子という名前だったりと、アニメと違う点を数えたらいっぱいあります。決定的な違いはピピ子と結婚して、7人の子どもをもうけている事でしょう。中学生の頃、原作とアニメの違いを同級生に話したら、その子が他の人に話すのを聞いてたら、自慢げに「7人の7色の子どもが生まれて・・・」ちゃうちゃう、「虹の七色の名前を付けた」じゃい、心の中で突っ込みました。(訂正は何故かしなかった私)好きなシーンは、ピピ子が大人に変体するシーンですね。

知人に聞いたのですが、手塚先生のサイン会で「トリトンを描いて」というあるファンの希望を受けて、手塚先生が原作調のトリトンを描いたら「ニセモノだ!!」と手塚先生に言った、というとんでもないばちあたりなファン(いや、ファンとは言えないか)がいたそうです。な、何て失礼な!!
このあと、「旋風Z」「赤い雪」「火の鳥」「0マン」「三つ目がとおる」「ふしぎなメルモ」など書こうかと思っております。

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