○蛭川巡検(平成13年2月25日) 恵那郡蛭川村にて

 久しぶりに友の会行事がありました。今回は蛭川村での鉱物採集です。

 この日は快晴!のはずだった・・・のに、集合場所に近づくにつれ何だか天気が怪しい・・・。雲が突然出てきて日差しはさえぎられるは、雪がちらほら舞ってくるは、今日はいったいどうなることだ?!というおそれがちょっとありましたが、結局天気は晴れでいい感じでした。風がちょっときつかったこと以外は。
 さて、本日の巡検参加者は講師の方を入れて6名。目的地は蛭川村のとある鉱山跡地です。恵那駅に集合して、早速現地に向けてスタートしました。30分ほどで現地に到着し、講師の方と合流。そこで、その鉱山跡地についての歴史や産出する鉱物の話を聞きました。現物も見せていただき、頭にそのイメージを焼き付けて、はやる気を押さえながら目的の場所へ移動しました。
 採集場所は、鉱山跡地のいわゆる不要物を捨てた場所。ここからは、輝水鉛鉱と呼ばれるモリブデンの元がたくさん見つかるようです。他には、雲母・ホタル石などが見られます。また、本当にまれですが、水晶・トパーズなども見つかるそうです。が、残念ながら今回は発見できませんでした。
 昼になり、採集した鉱物を見せ合い好流会を持ちました。やはり輝水鉛鉱が圧倒的に多かったです。また、ホタル石、金雲母なども採集できました。昼食をとりながらこのあたりのことを交流し、その後、午後の部としてもう一度採集へ出発。参加者が大人5名という事もあって、皆自己中状態で探すのみ。結果、大量の輝水鉛鉱が集まりました。
 時間もたち、講師の方も次の用事があるということで、本日の活動はおしまい。講師の方が返られた後、もうしばらく別の場所を探しましたが、そんなに多くの収穫はありませんでした。しかし、実にたくさんの、輝水鉛鉱と、講師の方にいただいた長石が、本日のおみやげになりました。
 まず、がらがらした斜面を上から下からいろいろながめ、目的の鉱物がありそうな場所を探します。
 転がっている岩石を拾うのもよし、埋まっている岩石を掘り出して叩き割るのもよし。熱心に探す参加者たちです。
 早速、参加者が輝水鉛鉱を発見。ころころと転がっている物ですと、手の上にのる位の物もあります。アルミニウムをくちゃくちゃにしたような光り方をしていました。
=輝水鉛鉱とは・・・=
 ふつう卓状または樽状の結晶をつくるが、葉片状や鱗片状、粒状のものもある。色は灰色で、条痕も同じである。不透明で金属光沢を持つ。熱水鉱脈中、および花崗岩質岩石中に生成する。脂のような触感がある。
化学式MoS2

   (「岩石と鉱物の写真図鑑 日本ヴォーグ社」より引用)
      
 とりあえず、お昼ご飯をたべて食後のコーヒーを飲む参加者たち。しかし、この写真の左側の机の上には、とってきた岩石がずらりとあり、気になりました。この後、交流会を行い、講師の方にとってきた岩石に含まれる鉱物名を鑑定していただきました。
 とってきた岩石に含まれていた鉱物。左は何度も出てきている輝水鉛鉱。層になって、岩石中にあることがわかります。上は金雲母。金色に光っていたので黄鉄鉱かと思いましたが、よく見ると結晶がサイコロ状ではなくぺらぺらだったことが、鑑定の決め手でした。
 昔は鉱山の仕事場であったことを物語る大きな機械。今では雨風にうたれさびついていますが、一昔前はきっと大きな音を立ててバリバリに動いていたことでしょう。
 きっとここに岩石が集められ、ここを通ってこちらへ運ばれ、ここで岩石が砕かれて・・・と、昔の仕事ぶりを想像してしまいました。


おまけコーナー
 今回の巡検には、地元に詳しい講師の方が参加してくださいました。その方に見せていただいた鉱物のいくつかの写真を撮らせていただきましたので、ここに紹介させていただきます。


水晶


黒水晶


長石


白雲母

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