OREGON No.61(最終号) 971219
 長かった3ヶ月90日に及ぶ研修が、今終わろうとしています。今回は、このオレゴンレポート最終号として、この3ヶ月を思い出し書いてみます。
 思い起こせば9月。8時間の長い飛行機旅の末、我々はオレゴン州ポートランド空港に降り立ったのでした。その当時は、とにかく治安を気にして周りの人や荷物に神経をとがらせていたものでした。また、飛び交う英語に対して、テニスボールを目で追う観客のようにきょろきょろしていたのを思い出します。この当時は、アメリカで見る物全てが新鮮で、建物、行き交う人々、食生活・・・と、どれも日本と比較し、良い悪いといろいろ考えたものです。
 ポートランド近辺で、2週間弱の語学研修や学校の概要などの勉強を終え、いよいよホームステイに入りました。英語についてはそんなに心配していませんでしたが、いざとなると緊張しました。しかし、以心伝心というすばらしい力が人には備わっており、なんやかんやと言いながらも理解し合えました。また、わかりづらい所もお互いの一生懸命さや雰囲気で伝わっていきました。幸いなことに、私がお世話になったMr. & Mrs.Cyrはとても良い方で、私の英語らしき言葉を聞き理解しようとしてくださいましたし、いつも温かく私を受け入れてくださいました。私が知りたがる事は何でも丁寧に教えてくださいました。見ず知らずの日本人を迎え入れてくれた上に、ここまでしてくれるアメリカ人の心に感激しました。
 Halloween、Thanks giving dayなど、こちらの文化もたくさん経験することができました。Halloweenでは、レポートにも書きましたように、老いも若きもみんな真剣に楽しんでいる様子が、アメリカらしいと感じました。Thanks giving dayでは、「感謝する」と言う大切なことを、高学年と低学年の交流や家族の交流を通して再確認する姿が印象的でした。ふだんの生活の中には、もっと多くの文化・習慣があり、それについても学ぶことができました。(今では当たり前のようになってしまっていて、何が習慣なのか気づかなくなっています。)
 この研修を通して、何が一番学べたか・・・と、聞かれたら、私は迷わず次のよ うに言います。「我々は、アメリカと日本をどうしても比べたくなるが、歴史的な背景や文化・習慣の違う国を単純に比べてはいけない。また、生活や文化のある一部分だけを輸入しようとしても、それだけでは何の意味もなさない。」家庭での生活、学校での生活、社会での生活、何をとっても違って当たり前です。それぞれの国にあった方法で、それぞれの国にあった目標を定め取り組むことが大切です。ただ闇雲にアメリカのやり方を取り入れようとしても、臓器移植と同じく拒絶反応が出てしまいます。部分的強化だけではなく、調和を考えて良さを取り入れていくことが大切です。常に、状況や背景を考えながら、お互いの良い面や問題点をはっきりさせて、いろいろと試みをすることを大切にしていきたいです。

OREGONレポートのメインページへ