OREGON No.56 971214
 今回は、Yamhill Grade Schoolの定年退職・人事異動・給料について。
○定年退職
 Yamhill地区の定年退職(聞くところによるとオレゴン州全体?)はとてもユニークというか寛大な方法というか、日本とはちょっと違います。定年退職の方法には2通りあります。一つは勤務年数で30年間勤めあげると退職となります。そしてもう一つは、対象年齢に達した場合の退職です。これには3通りあって、55歳か58歳か65歳のどれかの年齢に達したときに退職となります。ですから、40歳にして教員になった人は69歳まで教員を続けても良いわけですし、その途中の決められた年齢で退職しても正式な退職扱いになるわけです。しかも、おもしろいことに同意書(勤務に関する諸条件は、学区ごとで教師側と行政側で交渉して決められ、同意書というか契約書を作ってあります。)にはYou may retire.という書き方がしてあります。ここらあたりも日本とは違うように思いました。
○人事異動
 12月になり、日本では人事異動のあれこれが始まってくる時期です。長期に渡って一つの学校に勤務されている先生や、計画的に配置され異動対象になっていらっしゃる先生など、この時期に自分がその対象になっていると身の回りがあわただしくなってくるのではないでしょうか。それに対し、こちらの人事異動は基本的にはなしということになっています。ですから、教員になって退職するまでその学校に勤務することもできます。しかし、結婚や配偶者の異動、その他の事情でやむを得ず異動することや、本人の希望で隣の学校に異動することもあるそうです。ここの教員は学区で採用されているので、基本的にはこのYGSが所属する学区内のみの人事異動になっています。
○教員の給料
 YGS及びこの学区では、給料は単なる勤務年数のみでは決まりません。大学卒業を基本に、大学卒業+○○時間の実習、大学院卒業、大学院+○○時間の実習というようなランキングがされています。ですから、同じ年に教員になったとしても実習時間や学歴で既に給料面での違いがあります。そこで、ここの教師たちの中には、夏休みやあいた時間を使って、実習(講義?)を受けるようにしている者もいると聞きました。また、休み中は全く勤務がありませんので、給料もなしになっています。しかし、これでは夏休み中など収入なしで生活できなくなってしまいますので、プロスポーツ選手のように年間いくらという事にして、12ヶ月で割った分を月給として受け取っているそうです。アメリカでは、基本的に地元の税金で学校が運営されていますので、裕福な地域や人口の多い地域は一般的に給料も高く、そうでないところでは、安い給料になっているようです。

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