OREGON No.44 971129
 今日は、ホームスクーリングと言う教育システムについてレポートします。
 アメリカにはいろいろな教育の場(公立私立学校、教会、他)があります。その中の一つがホームスクーリングです。学校ではなく家庭で学校教育を行おうという物です。アメリカではどの州でもこの制度が認められています。ただし、州によっては教師の資格がある人のみ認めると言うような決まりがあるようです。アメリカではホームスクールで学んでいる子供が2〜3%いて、ほとんどが母親が中心となり指導をしています。ホームスクーリングの子供たちは、SAT(Standard Achievement Test)と呼ばれる共通テスト(学力テスト)を受ける必要があります。また、保護者はホームスクーリングの計画と実践を報告する義務もあるそうです。こうすることで、子供の教育を受ける権利を保障しているようです。
 これを実践していらっしゃる、アレンさんと言う方に話を聞くことができました。ここオレゴンでは資格は必要なく、アレンさんも資格はないそうです。彼女の話から抜粋して書き出してみます。
 ○基本的には家庭で学習を行うが、時には家庭外で行うこともある。(理科の実験は学校で、牛の観察を牧場で、勤労体験を農家で・・・など)また、教会や図書館の利用もする。
 ○国の補助はなく、全て自費負担で行う。
 ○ホームスクーリングの長所
  ・社会の見方や価値観、モラル精神を正確に伝えられること。
  ・その子に応じたプログラムが組め、強い向学心を持たせられること。
   (障害を持った子供にも、適切な指導ができる)
  ・家族と過ごす時間が増え、家族の絆が強くなること。
  ・大人を見本とした態度が養えること。
 ○ホームスクーリングの短所
  ・指導する側のゆとりが無くなる。(家事を行う時間、自分の時間がない。)
  ・すばらしい教師や、多様な考え方をする人に出会うことができない。
 このシステムは、一度始めたからと言ってずっと行う必要はありません。子供や親の意向でずっと続けても良いし、次の年には学校に戻っても良いとなっています。いろんなパターンがあって一概には言えませんが、多くの場合親の意向でホームスクールが続くようです。(この方の場合、3人兄弟そろってホームスクーリング)地域のスポーツクラブに所属して一緒にプレーし、ほとんど学校の子と同じ様な生活をしている子もいます。逆に、ほとんど誰とも接触しない子もいるようです。話の最後にアレンさんは言われました。「ホームスクーリングがベストだとは思いません。いかに自分の子を育て上げるかという一つの手段だと思ってください。」みなさんはどう思いますか?

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