OREGON No.34 971119
 今日は、Speech Pathologist(病理学者?)のDave Johnsonさんの話から。
 たまたまDaveさんとパソコンの話をしていたときに話題があがって、言語指導について話を聞くことができました。彼が担当している内容は、下の表の通りです。
<指導内容>
@明確に発音することを目的とした指導
Aボキャブラリーを増やすことを目的とした指導
B聞き取りを中心とした指導
C声色を中心とした指導
D流ちょうな発音を目的とした指導
 言葉を話すときに、音がはっきり出せない子、言語の力が少々弱い子、聞き取りの困難な子、声がうわずってしまう子、言葉に詰まってしまったり同じ言葉を繰り返していってしまう子、を対象にして指導してみえます。
 実際に、言語学級へおじゃまして部屋の様子も見せてもらいました。部屋の広さは日本間にして4〜5畳でしょうか。校舎の造りから言ってたまたまかもしれませんが窓はありません。机が2つにパソコン1台、本棚には各種のテキストや道具(指導に使う物)が入れてあります。入り口が2カ所ありますが、一つは使われていないようです。担当学年は、1年生〜5年生くらいまでだそうです。2人一組で子供たちが来ます。来ると言うよりは先生が迎えに行って、一緒に来ると言うべきでしょうか。指導の時間は30分です。
 指導の様子も見ることができました。A君(言葉を流ちょうに言えない)とB君(rの発音に問題があり、流ちょうさにも欠ける)ともに2年生です。A君の授業は、本をゆっくり読むことから始めました。とにかくゆっくり読ませます。速くなったときにはストップを書けてもう一度言い直します。このときに使っていたのが信号のマークです。赤はSTOP、黄色はRELAX、そして青がGO GENTLYだそうです。信号マークが出たときには落ち着いてやり直しです。A君が一段落すると、こんどはB君の授業が始まりました。単語の発音からでした。「r」を含む単語の絵を見せて発音させます。これまたはっきりゆっくりと読んでいきます。このとき怪しい発音だと、先生が発音してみせ繰り返し練習します。どちらの子にもほめること認めることを先生は忘れません。こうして自信をつけていくのだそうです。最後は3人でカードゲーム。絵が描いてあり、隣の人のカードを取っていくのですが、とるときに「○○さん。△△のカードを持っていますか」ときいてからとります。このときに言語指導が自然に行われます。
 言語指導でもっとも大切なことは、リラックスだそうです。緊張したり興奮したりすることで自己のコントロールを失うのだそうで、リラックスすれば自分のコントロールを取り戻し、発音のミスをなくしていけるそうです。

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