OREGON No.29 971113
 今回は、ハンティングの話。こちらに来て3回ハンティングに連れていってもらいました。獲物が毎回違い、それに伴ってハンティングの方法も違うのでここに書いてみたいと思います。
 まずはキジ狩りから。これには散弾銃を使います。3〜4人で銃を持ち、犬を放してちょっとした草むらの中を歩きます。歩くときには、誰がどこにいるかを確認しながら歩きます。もし、キジが飛び立ってきたら、すかさずねらって打つようです。しかし、キジは賢いのかたまたまいなかったのか、この日は収穫なしでした。
 ついでは鹿狩り。使うのは普通のライフル。鹿狩りは10月下旬からの2〜3週間がハンティングシーズンだそうで、カートさん(ステイ先の人)とその友達も真剣です。「どこでやるの?」と聞いたら、「Here!」え〜っここでやるの?と驚いてしまいました。「ここ」とは、家の真ん前です。2人が山へ入り鹿を道へ追い出します。他の2人はイスに座って鹿が道に出てくるのを待ちます。待つこと2時間。結局鹿は現れませんでした。
 一番盛り上がったのはエルクと呼ばれる大きな鹿狩り。普通の鹿のハンティングシーズンが終わると、年にたった5日しかないエルクのシーズンだそうです。カートさんだけではなく、全てのハンターが気合いを入れます。例えば、山の中に入っていくと、各所がキャンプサイトになっていて、大小さまざまなキャンピングカーが並んでいます。自家用発電器を持ち込みライトアップしているところもあります。ほとんどのハンターは5日間泊まり込みのようです。仕事はどうしているのか考えてしまうあたり、自分は日本人だなぁと思いました。私たちカートさん一行は朝5時に起きて山に向かいました。山中にはハンター仲間10数人がたき火を囲んで明るくなるのを待っていました。数台のピックアップトラックに分乗しさらに山の中へ移動しました。先頭車両がエルクを発見しちょっと緊張しましたが、結局逃げられたようです。山の頂上付近から、いく手にか分かれて山を下りながらエルクを探しました。道無き道を進みますのでとても疲れます。途中には、エルクが角をこすりつけてできたという、部分的に皮がはがれた木があります。鹿の糞もたくさん見つかります。しかし、エルクを一頭も見ることはありませんでした。下にある道には迎えのトラックが回ってきており、それに乗ってキャンプサイトまで戻りました。
 こちらの人たちは、当たり前のようにハンティングをします。それには秘密があります。ハンティングのライセンスはお金を払えば誰でももらえるのです。ただし、12歳以下は講習を受けてテストされ、それに受からなければライセンスは出ません。こんな状況ですから、私のステイ先のサイ君14歳も銃を持って立派なハンターとして活躍しています。アメリカの銃はよく問題になりますが、正しく使っている人にとっては、銃の規制は迷惑な話になっているようです。

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