OREGON No.25 971105
 今回はFood Bank(フードバンク)の話。
 今日のボランティア活動として、Food Bankに行きました。このFood Bankと言う言葉は聞き慣れないかもしれませんが、こちらではよく耳にする言葉です。
 最初に、Food Bankとは何なのかについてお話ししましょう。この組織は、様々な理由から食糧が確保できない人たちに、食糧を提供しようとするものです。この組織は非営利団体です。「こんな目的でこんな事をしたいから・・・」と言う趣旨を伝え、地元の企業や近所の方に寄付を募って運営しています。職員には最低限の給料は支払われますが、それらは全て地域や国の寄付からきているそうです。中にはボランティアの人も働いています。時には、刑務所の刑期が終わりかけている囚人の人たちも手伝いに来るそうです。オレゴン州にはFoodBankは1カ所しかありませんが、他の州では2カ所くらいあるといってみえました。
 Food Bankは、オレゴン州中から寄付された食糧を管理し配送しています。管理する意義は、州内のどの地域へも平等に配給が行くようにするためだそうです。寄付された食糧は、オレゴン州中からこの場所に集められ、食べ物の種類別(缶詰とかパスタとかスナックとか)に分類します。このFood Bankにある食糧は1箱あたり40ポンド(18kgくらい)で、倉庫の中には7700トンくらいの食糧が詰まっています。これだけの量が、およそ2ヶ月間で回転していくということです。しかし、広いオレゴン州のことですので、これだけあってもそれぞれのエージェンシーには少量しか届けられないのが現実のようです。各地域にはオレゴン州だけでも300を越えるエージェンシー(実際に食糧を配ってくれる協会)があります。このエージェンシーの要望に応じて、Food Bankが食糧を送ります。
 食糧の寄付については、国からのもの(USDAと書いてある。全体の10%以下しかない。)の他に、近所の人や企業からのものがあります。学校や公民館のような施設には、Food Bankのための段ボール箱がおいてあります。スーパーマーケット等の食料品店は、賞味期限が切れた商品を寄付してくれるそうです。賞味期限切れでも、国の定める条件を満たしていれば飲食可能だからです。おもしろい寄付の方法があります。例えば、パーティーの会費の変わりに缶詰を5つとか、映画鑑賞会の入場券代わりに食料品を5点以上とか・・・。こういう形での食料品収集はなかなか工夫してあるなぁと思います。
 こうして集めた食料品は、おなかがすいている人なら誰でももらえるそうです。協会の人たちも、もらいに来る人を信じて渡しているそうです。ただし、チェックをしながら渡していると行っていましたので、何度ももらう事はできないようです。しかし、このボランティアに甘えて仕事に就かない人がいるのも事実で、問題も多くあるそうです。

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