OREGON No.20 971028
 今日は、ボランティア活動2日目の様子を・・・。
 昨日に続き、今日もTUALATIN SENIOR SENTERに行きました。2日目ともなると、このセンターに顔を出される方々とも多少は人間関係ができ、挨拶から気楽にできました。
 今日の仕事は「Meals on Wheels (昼食の配達)」です。これは、オレゴン州の各地域にあるコミュニティーセンターで行われている、高齢者のための昼食の配膳のボランティアです。聞くところによりますと全体では一日に3000食、年間に直すと100万食以上を無料で提供しているそうです。ボランティアの方が昼近くにセンターに来られ、私たちは一緒に3軒の家を回ることになりました。
 最初にいった男性の家は、体は自由に動きませんが社交的な人らしく、友達の方が遊びに来られていました。食事と一緒に折り紙で鶴を作り、プレゼントしたらとても喜ばれました。その家には中国の絵が飾ってあり、その中にある漢字をなんと読むのかと質問され、それらしく説明したらこれまた喜ばれました。5分ほどでしたが、楽しいひとときでした。2軒目に回ったところは一人住まいの女性で、車椅子の生活をしてみえました。一緒にいった方は、この女性は精神的な面で問題があるとかで、家の中には入ってはいけないと言われました。軒先でしたが折り紙の「かぶと」と一緒に食事を手渡し、「よい一日を」と声をかけるだけでしたが、笑顔で見送ってくださいました。最後にいった家も、一人住まいの女性の方でしたが、息子さんがたまたま来ておられました。部屋に入り、折り紙の「かぶと」と一緒に食事を手渡しました。「かぶと」はとてもかわいらしく見えるらしく、「pretty」を連呼していました。また、知り合いが東京にいるといって日本人の私をすごく気に入ってくださった様で、動かない手を差しだし長い時間握手をしていました。
 今日のボランティアの方は、火曜日にこの地域の食事配達をなさっているそうです。他の日には、他の地域で活躍しておられるようです。その日によって配達する家も配達する食事の数も違うそうです。しかし、この方は忙しいとか疲れると思ったことはないそうです。いろんな場合がありますが、人と人とのふれあいができて楽しいとおっしゃっていました。
 今日私が学んだことは、ただ食事を配るだけでなく、些細であっても一言をかけることの大切さです。食事は生きるための必要条件です。配って食べてもらえればそれで食事配達の意味はあります。しかし、食事と同じように、生きるために必要な大切なことを我々は忘れがちです。物質ではなく、生き物すべてが持っている非物質的な物、子供の頃には自然にできていた人間らしい姿、それを私はもう一度見つめ直して見るべきだと感じました。ボランティアをしている方々の心中にある、キラリと光るものに感動しました。

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