わが心の小宇宙〜万華鏡

万華鏡製作工程の様子

作品「レインボウシャワー」を例に製作の様子を紹介します。

展示物製作工程

万華鏡の製作は、3つの工程に分けられます。1つ目は内部の鏡の形状の決定と組み立て
2つ目は、筐体(まわりの形状)の決定とその材質の決定と組み立て。3つ目に、先端部のオブジェクトの形状の決定。オブジェクト内に何を素材にして封入するのかの決定と組み立て。
という工程を経て作品が完成します。材料もこだわらなければ市販のものや、ホームセンター、100円ショップで簡単に手に入るものを利用することができます。
次に、これらの工程を写真を交えて説明します。

 

製作工程 の様子

まずエクセル等のパソコンソフトで、筒の内径の半径を設定すれば自動的にあらゆる三角形の角度のミラーの幅が得られる表を製作して、鏡の幅をどれだけにすれば筒に収まるのかを計算します。今回の作品では、3枚の鏡を正三角柱に組み合わせることになりました。内径の半径を17.5mm、すべての角度を60度に設定して、幅が30mmにすればよいことがわかりました。また、長さは筒の長さ200mmで製作します。

製作工具です。穴あけ用の電気ドリルとのぞき穴用の6mmドリル、幅を測定するノギス、長さと直角を調べる差し金、ガラスのバリをとるための砥石などを使います。 

こちらはその他の工具です。ガラス固定用のビニールテープ、はさみ、カッター、木工用ボンド、速乾性ボンド、クリップなどです。印をつけるためのマーカーも使います。

材料は、90mm×200mmにカットしたスパッタリングミラー(万華鏡専用鏡)外側用の筒(ABS製)内部の筒(ラップ芯)、オブジェクト用のプラケース、ガラスビーズなどです。

まず、ガラスカッターで30mm×200mmにカットします。定規などでしっかりと押さえながらカッターで幅に傷をつけて行きます。このあとそれを割ります。

背面には、保護シートが付いています。この面を万華鏡に使うのですが、傷をつけないよう丁寧に切り取っていきます。また、周りにバリが出た場合は砥石を使って周りをさっと削ってやります。このとき力を入れないのがコツです。

3枚にきれいにカットできました。表面に何かしらの傷や、損傷がないのをしっかり調べておきます。特にひび割れがないか確かめておきます。確認後3枚を1mmの隙間を開けながらビニールテープで貼り付けます。うまくできたらゆっくりと青い保護シールをはがします。

1mmの隙間を開けたのはこれを組み合わせるときのマージンになる部分です。この部分がないとうまく組み合わせることが出来ないばかりか、鏡の破損の原因になります。3枚の鏡をお互いに組み合わせて正三角柱にしていきます。完成後しっかりとビニールテープを巻き、緩衝用の隙間テープを両端各3か所に取り付けます。

はめ込む筒です。この筒は2重構造になっていて、筒を先端部分だけ回転させられる仕組みにしてあります。製造過程は秘密なので写真の公開はありません。しっかりと筒が抜けないように工夫してあります。

この筒に先ほど製作した鏡の部分をはめ込んでいきます。ゆっくりと慎重に入れて行きます。また、このとき埃が入る可能性があるので、エアダスターで払っておきます。

鏡が設置された様子です。この時点できれいに像ができるかをチェックをしておきます。少しでもずれていればやり直しです。

オブジェクトを先端部に仮止めした様子です。どのように見えるのかここで確認して、中に入れる具などを検討します。

透明なガラスビーズをメインにした構成で、そこに貝殻や、アクセントになる色のビーズを入れました。虹のような色合いになるように何度も確認をしながら調整しました。また、きらめきが出るように金色も混ぜました。

暗くなってものぞけるように、7色に変化するLEDを設置しました。電圧を1.5Vにしたので抵抗をつけなくてもダイレクトに発色させられます。また、ボタン電池を使ってコンパクトにしています。

最終的なチェックをしています。しかし、このときが一番楽しくていろいろと試していると時間も忘れ素敵な時間を過ごすことができます。

先端部分の完成です。暗いときにはスイッチを入れて楽しむことができます、また、オブジェクトの部分の具材は簡単に外して交換することができます。