わが心の小宇宙〜万華鏡

国際万華鏡展 展示用作品製作「To-Be(あるべき姿)09」

東京銀座で行われた「2009国際万華鏡展」への取り組みについての記録
今回は、万華鏡内に正多面体を映し出す万華鏡「To-Be」を製作出品しました。

作品「To-Be」

作品名
To-Be(トゥービー)・・・あるべき姿
製作材料
木材、ガラス、電気部品(蛍光灯、モーター)、プラスチック、安定化電源装置、手回しオルゴール
大きさ
25(縦)×35(横)×40(高さ)cm
特徴とアピールポイント
今回の作品は内部の鏡の形を三角柱錐台になるように角度を割り出して切り出し、正20面体と巨大半球ができるように設計した作品です。オブジェクトはシンプルなもの(貝殻や貝の裏側の模様)を使い今までの色鮮やかな世界から、こんなものからこんな像が生まれるのかというそのものが本来持っている輝きと美しさを引き出すことを目的に万華鏡を開発しました。また、前回に作品に続いて回路周りのオールユニット構造や、振動対策なども考慮した作品になりました
三角柱錐台を作るにあたって大切なのは三角形の角度です。エクセルを使って計算しても切り出すところは人間がするので、小数点第3位なんて長さは切り出せません!
そこで、何度も模型を作って製作しこの角度ならなんとかなるという値を見つけ製作しました。それまでに半年以上かかりました。しかしながら出来上がって見た万華鏡の像の美しいこと!苦労してやり遂げた成果であると自負しています。また、今回は手回し式オルゴールを内蔵してサウンドも奏でるようにしてあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞいた時の様子


今回の作品は筐体に2つの覗き窓があります。これは全く形状の違う2つの万華鏡が設置してありその違いを楽しんでもらおうという狙いからです。向かって左が下の写真のような大きな半球状の万華鏡像を作り出しています、見た図形がまず大きくインパクトがあるように三角錐柱を設計しました。また、右側が正20面体を映し出す三角錐柱が仕込んである部分です。真珠貝の中にきらめく真珠のように正20面体の空間に立体に見える多面体が特徴の空間を演出しています。下の動画でもその様子を紹介しています。


いちばん上の2つは外観の様子を写したものです。特に今回の作品は、中からの光がなくても外光があれば内部を見ることができるように設計しています。また違った一面を見ることができます。中央と下の左側は、正20面体が表示される様子を映し出しています。動画ではなかなか伝わりにくいですが、中にできた立体の正20面体が美しく輝いている様子がわかっていただけたら嬉しいです。中央と下の右側は、一番下の動画は半球状の万華鏡の映像様子です。中央の2つのみオルゴールの音がコラボレーションしている感じが収録されています。

 

動画を見るときは、一度動画内をクリックしてから、再生ボタンを押してください。

 


筐体の内部を写したものです。完全にパーツを取り外し可能な設計にしてあります。どこが壊れてもすぐにパーツの交換が可能なようになっています。また、配線の部分もはんだ付けをせずにジョイント結線で構成したため、位置の移動や微調整も簡単に行うことができました。
また下の写真は正20面体のオブジェクトの様子を少しだけ公開しています。クリスタルガラスをベースにして、その上に海のものを中心に配置しています。輝きを出すように少しだけ光物を混ぜ込んでいます。これがあのきらきら光っている部分になっています。印象的な紫色の部分は実はヒトデのオブジェを封入したものによる効果なんです。

「UNIVERSE」
  紹介カード

「To-Be」の作品紹介カードです。
像の中に正20面体が見える様子をイラスト化したものを左上部に配置し印象付けました。また、見える像の写真も少し立体化させて浮き出るような感じにして、この作品の像は平面ではなく空間に浮かびあがっているようなそんなイメージを伝えるために工夫をしました。

また、節電をしているため、簡単な取扱説明も載せています。