わが心の小宇宙〜万華鏡

万華鏡誕生物語

万華鏡の誕生から、日本への伝播。また、現在の様子について

万華鏡の誕生と歴史

万華鏡は、1816年にスコットランドのデビッド ・ブリュースターという物理学者が”Kaleidoscope”という名前で特許を申請したのが起源と言われています。
彼は、灯台の光をより遠くまで届かせるために鏡の組み合わせを工夫している最中に
万華鏡(kakeidoscope)を発見しました。それを元に開発をしたようです。
その後アメリカに伝えられて、1800年代中頃にはガラスアンプルに液体とともに具が入れられたものが誕生しました。これらがイギリスに逆輸入され普及しました。
その後、アメリカやイギリスで玩具として広がっていきました。

”Kaleidoscope”カレイドスコープはギリシャ語を元にした造語で、”Kalos”=美しい、 ”Eidos”=形、
模様、”Scope”=見るもの の3語を合わせた合成の言葉です。

 


日本での歴史

 日本には、1819年(文政二年)頃に入って来たと伝えられ、
「紅毛渡り更紗眼鏡流行 大阪にて贋物多く製す。」という記述が「摂陽奇観」にあり、発明後わずか3年にして日本でも伝わり、インターネットや通信手段が発達していなかった当時にしてみれば、その速さには驚くべきものを感じます。
 その後1847年(弘化4)、1856年(安政3)兵法の翻訳書「さんぺいたくちき」にも、「かれいどすかふ」 として登場しました。

 明治時代に入ってからは、「ひゃくいろめがね」という名前で知られ、その後更に改良され
「ばんかきょう」や「にしきめがね」などと呼ばれていました。
1891年頃(明治24年頃)に流行し、現在は観光地の土産物屋に郷土玩具として並ベられています。

現代での万華鏡

 1982年の「スミソニアンマガジン」での特集記事でブームが生み出され、コージー・ベーカー女史が1985年に世界初の万華鏡本「Through the Kaleidoscope」を出版しました。
コージー・ベーカー氏の最愛の方が亡くなられ、悲しみに沈んていた時に知り合いの方が万華鏡を見せてあげることがきっかけで彼女を勇気付け、元気ななられたと聞いています。やはり万華鏡にはそんな力があるのかもしれませんね。
 同年に世界初の大規模な万華鏡展示会を開催され、これをきっかけとして、万華鏡を見直そうという運動を始められました。その後1986年に「The Brewster Society」を設立、そして、米国万華鏡協会が発足し、1989年にスミソニアン・インステュテュートがスポンサーになり、展示会が全米18都市で開催されました。このようにしてアメリカで「カレイドスコープ・ルネッサンス」として再発展していき、万華鏡のブームが巻き起こり、現在アメリカでは150人以上の万華鏡作家が万華鏡の芸術品を作り続けています。
 日本でも、この万華鏡の美しさに惚れ込み、多くの万華鏡を作る芸術家が増え始めています。