幹事クリタのコーカイ日誌2021

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11月1日 ● 選挙に風は吹いていた。

 今回の選挙は興味深いことがいくつかありました。雑感として書き残しておきます。まずテレビ局の事前予測が大外れだったこと。各局横並びの選挙特番スタート時に出口調査で得られた結果予測を夜8時に一斉に表示していましたが、自民党がかなり勝つだろうと予測したテレビ朝日でさえまだ足りませんでした。反対に立憲民主党は各局とも110議席以上の予測をしていたのに二桁の惨敗。これだけ出口調査による予測と結果が外れるようでは全く信頼できません。来年の参院選ではどうするつもりでしょうか。

 次に大物ベテラン議員がバタバタと小選挙区で負けたこと。これは「風が吹かなかった」と言われている今回の選挙でしたが、確実に風が吹いたのだと思います。落選した議員は甘利明や石原伸晃など自民党もいますが小沢一郎や辻元清美など野党もいます。与野党関係なく有権者がベテラン議員にNOを突き付けたのです。与党だから、野党だからということではなく、これまでの政治を作ってきた政治家たちは実は何の役にも立っていないのではないかという意志表示だと感じました。

 同じ文脈として維新の躍進も捉えることができます。個人的には維新については全く賛同できないのですが、ただ今回維新は自民党とも野党連合とも違う第3極を目指しました。この戦略は大当たりでした。自民党にも批判的だが野党にも全く信頼を置けないと感じている無党派層の受け皿に唯一なれたのが維新でした。本来なら右寄りの維新に対し左寄りのれいわが同じ戦略を持つべきだったと思いますが、山本太郎は野党連合に加わってしまったのが大失敗でした。

 大物ベテラン議員が落ちるのも維新が躍進するのも、要は有権者の多くがこれまでの政治にウンザリしている証拠です。それは単に政権を担ってきた自民党だけではなく立憲民主党を筆頭にした野党に対してもです。むしろより野党に対して呆れていると言った方が近いでしょう。自民党への批判の多くは安倍菅政権下での不祥事の数々についてがほとんどでしょう。本来の政治の部分よりもその姿勢であり倫理についてです。しかし野党、特に立憲民主党についてはもはや存在そのものについて疑問を感じていると言って良いと思います。トヨタ労組が候補を下ろすのも無理ありません。

 最後に今回の投票率はそこまで高くはありませんでしたが、若い人たちが以前よりも選挙に積極的に関わっていこうとしている勢いを感じました。それが事前予測を外したり、ベテランが落選したりという結果を招いたのではないかと思います。これまでの方程式が通用しなくなっているのです。そして単純に投票率が上がれば、また若者が政治参加すれば自民党が負けると思っている人たちに、そうじゃないんだということが示されたと思います。これを受けて参院選がどうなるのか興味深いです。



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