cinema eye

『座頭市』

鑑賞日04/6/16(DVD)

 「座頭市」と言えばもちろん亡き勝新太郎の当たり役。それを敢えて北野武がメガホンを取って主演して再映画化。見事に現代に座頭市を甦らせました。

 ストーリー自体は特に新味はありません。敵討ちを狙う姉妹に市が手を貸す、という時代劇の常道。ただそれを現代的なスピード感で再現したことがこの映画の素晴らしいところです。

 コメディの要素をたっぷり入れ、さらに音楽とダンスも組み合わせて、エンターテイメントとして徹底しています。それを「邪道」と思う人もいるかも知れませんが、そうでなくては21世紀に座頭市を復活させる意味はないと思います。

 しかもこのエンターテイメントはブロードウェイのミュージカル的な気取ったものではなく、たけしが育った浅草的なエンターテイメント。その下から出てくるエナジーが心地よく感じます。



  今回の木戸銭…1200円