cinema eye

『ユー・ガット・メール』

鑑賞日00/1/28(ビデオ)
 トム・ハンクスとメグ・ライアンがE-MAILを通じて恋を育む話題作。秋から冬のニューヨークを舞台にした洒落たロマンチック・コメディです。いかにも女の子受けしそうなストーリーや設定ですが、少々甘ったるいショート・ケーキのようでもあります。

 メグ・ライアンは母の代から地域で馴染みの小さな児童書専門の本屋を経営。ところが大手安売りブックストアチェーンの御曹司トム・ハンクスが、近くに新しくチェーンストアをオープン。2人は商売敵として激しく反発します。しかし、実はこの2人はお互いの名前も職業も知らないままに、親密にE-MAILをやり取りする「メル友」だった…。

 まあこの筋立てを聞いただけで、後の展開は大体想像がつくというものです。実際、映画はその通りにストーリーが運び、観客の期待を裏切ることのないエンディングを迎えます。つまらないと言えば、これほどつまらないストーリーはありません。映画に刺激を求めるタイプの人には、見るに値しない作品でしょう。

 逆に映画にロマンチックな夢物語を求める人には、これ以上ないくらいキュートな作品です。登場人物に悪人はいないし、映像はキレイで洒落ているし、何と言ってもメグ・ライアンのブリっ子ぶりが見事です。いい年した大人が何やってんだか、というくらい純情なラブストーリーですから、お子さまも安心。付き合い始めたばかりのラブラブカップルが二人で見るならこれ以上ない作品です。

 と言うことで、僕個人としてはあまり心を動かされることのない映画でしたが、破綻が少なくマーケティングはしっかりできているな、という感じでした。

今回の木戸銭…800円