cinema eye

『夜逃げ屋本舗』

鑑賞日92/12/1(ビデオ)
 期待していながら公開時に見逃した『夜逃げ屋本舗』をようやくビデオで見ることができました。

 ストーリーはご存知の方もいらっしゃると思いますが、中村雅俊が社長の「夜逃げ屋」は、さまざまな事情で借金に首が回らなくなった人々を、なるべく迷惑をかけずに夜逃げさせて、立ち直りのきっかけを与える新商売。しかし、迷惑をかけずに、とは言え、借金を踏み倒して逃げるわけですから、当然債権者(この 場合はサラ金やカード会社)は怒って探すわけです。

 そのライバルになるカード会社の調査官に大竹しのぶ、その他、高木美保・益岡徹・石野陽子・谷啓・石原良純・仲谷昇・西村知美・レオナルド熊などの個性的な役者が脇を固めて法ぎりぎりのきわどい追いかけごっこを繰り広げます。一応社会派コメディの作りになっていますが、かなり金融関係の「HOW TO」的な部分も多く、そういう意味でも楽しめます。

 テーマとしては、若者のカード破産などが話題になっている時にタイムリーなものなのですが、少々演出が力不足かな、という印象でした。もう少し面白くなったろうに、て感じもしました。それになんたってマンガ『ナニワ金融道』には負けます。あの迫力と厳しさを超えられないのは、映画の表現力の限界だったのか、作った方に問題があるのか。作り手の問題と思いたいですが。

今回の木戸銭…900円