cinema eye

『ワイアットアープ』

鑑賞日94/7/1(試写会)
 ケビン・コスナー主演の話題の大作西部劇『ワイアットアープ』を昨日試写会で見てきました。話題作だけに試写会とは言え立ち見も出る盛況ぶり。特に女性客の熱気にせっかくのエアコンも効かないくらいでした。

 で、感想ですが。。。一言で言って「無駄に長い」。3時間10分という、普通の映画2本分の長尺ながら中身は2時間分もないのではないか、というくらい 退屈な映画です。

 ワイアットアープと言うのは、かつての名作西部劇『OK牧場の決闘』の主人公でもある伝説のガンマンですが、ケビン・コスナーは、このアメリカ人なら誰でも知っている有名人を、単なるヒーローではなく新しい視点で、より人間らしく描き直そうとしたのだと思います。それがために、丁寧にワイアットアープの悩みや苦しみを描こうとして3時間を超える大作になったのだと思いますが、はっきり言って、それは映画を作った人間の自己満足の時間にしか過ぎないと思いました。見ている側にすれば、延々と同じような話を繰り返され、ちっともすっきりしない映画です。

 一体この映画をどういう映画に仕上げたいのか、ヒューマンな伝記か、ラブストーリーか、派手なアクション映画か?それはどれも正解であり、どれも当たっていません。全てを包括しようと試み、全てが中途半端になって、結局「ケビン・コスナーが出ていた長い長い映画」としか記憶に残らない映画になってしまっています。

 同じ監督・主演コンビで作った『ボディガード』も、考えてみれば同様に退屈な映画でした。アクション映画かラブストーリーかわからないような中途半端な出来の映画で、『ワイアットアープ』になってもそれは変わっていませんでした。残念です。結論。ですから『ボディガード』と同様、ケビン・コスナーの顔さえ見ていれば満足、というファン以外にはお勧めしません。

  今回の木戸銭…900円