cinema eye

『ウインズ・オブ・ゴッド』

鑑賞日97/6/29(ビデオ)
 売れない若手漫才コンビが、自動車事故のショックで、1993年から1945年にタイムスリップするSF・コメディ・ファンタジー・社会派映画。なんか何でもありの欲張り映画のようですが、結構低予算で軽く作られている割には面白い映画でした。

 PKO問題で揺れる1993年夏の日本からいきなり敗戦間際の日本の特攻基地にタイムワープした漫才コンビ。国のために命を散らす若者たちを理解できずパニックする彼らだが、次第に当時のエイリアンにも見える特攻隊員たちも、それぞれに人生を生きる普通の若者だと理解していく。そして、それとともに彼らもまた特攻思想に影響を受けていく。

 主演の今井雅之が原作・脚本も手がけるこの映画、かなり演劇的に作られています。低予算とあいまって、映画らしい映像美を楽しむことはできません。しかし、ストーリーや演出は独特のノリがあって、大作主義に毒されている日本の戦争映画に比べてずっと軽やかで新鮮です。こういう映画がこっそり作られているあたり、日本映画もまだまだ芽があるのかも知れません。

今回の木戸銭…800円