cinema eye

『ウォーター・ボーイズ』

鑑賞日02/6/28(ビデオ)

 久しぶりに日本映画の爽やかな青春映画を見ました。僕が一番好きなジャンルの作品で、とても見ていて懐かしく、かつホッとする作品です。

 進学校の高校水泳部を舞台に、文化祭でシンクロナイズドスイミングを披露する羽目になる男子高校生たち。普通のどこにでもいるような子どもたちが、少しずつ輝きを増していく様子が本当に自然に描かれています。

 この作品が素晴らしいのは、高校生の描き方に奇を衒っていないところです。敢えて「いまどき」の高校生にせず、いつの時代にも共通するような“高三の夏”の雰囲気を演出していて、20代でも40代でも「懐かしい」と思うような世界を作り上げています。

 主役の妻夫木聡、ヒロインの平山綾がとても好感が持てる演技をしていますが、それとともに脇を固める大人の役者たちがまた出しゃばりすぎずによくサポートをしています。竹中直人、柄本明ら癖の強い連中も抑え気味ですし、教師役の杉本哲太が本当にリアル。真鍋かおりも頑張っています。

 「ああ、高校生の頃は楽しかったなぁ」と大人が自分の青春を思い出すことができる佳作です。

今回の木戸銭…1400円