cinema eye

『海がきこえる』

鑑賞日04/2/5(ビデオ)

 スタジオジブリの小品。東京に出てきた大学生の青年が、学生時代の故郷の女友達とのことを回想するほろ苦い青春ドラマ。氷室冴子の原作をいかにもジブリらしいテイストで上手に見せてくれます。

 実を言うと、僕にはこの作品に対して思い入れできるような経験がほとんどありません。美人の転校生との甘い思い出もなければ、東京に出てきて故郷を懐かしく思うような経験もありません。青春ドラマというのは自分の青春とどれだけシンクロするかで、感情移入の度合いが全然違ってくるのですが、そういう意味では僕には印象薄い作品でした。

 ただ、映画自体の完成度はかなり高いと思います。単なるせつない甘い恋愛ドラマではなく、自分が何者で、自分の居場所をどこかを求める青春時代のせつなさと焦りがテーマになっていて、ファンならツボにはまる作品ではないかと思いました。

  今回の木戸銭…800円