cinema eye

『追跡者』

鑑賞日98/6/26(劇場)
 リチャード・キンブルの逃亡劇を描いた『逃亡者』。今度は彼を追ったジェラード警部を主役にして作った映画がこの『追跡者』です。主役のジェラードを演じるのは前作と同じくトミー・リー・ジョーンズ。相変わらず渋いです。今度彼に追われる逃亡者はウェズリー・スナイプス。さすがアクションスターだけに、一筋縄ではつかまりません。手に汗握る見どころの多い作品に仕上がっています。

 今回は前作と違って主役が逃げる方から追う側になったために、警察内部のスタッフが丁寧に描かれています。前作ではキンブル対ジェラードという1対1の対決が中心でしたが、今回はジェラード1人で追うのではなく、彼を中心としたチームで逃亡者を追っている様子がよくわかります。観客はなぜそこまで丁寧に追うスタッフを見せていくのか、と疑問にさえ感じることでしょうが、後でそれがこの映画の大事なポイントだったことがわかります。このあたり、よく伏線が張られています。脚本と演出の冴えが感じられました。

 謎解きのサスペンス色とアクション色がほどよく混ざり合って、見る者を飽きさせない作り、役者陣もそれぞれ個性的でいい味を出していますし、派手なカーアクションや銃撃戦もあってサービス満点。特筆すべきような点はありませんが、欠点を探すのが難しい良くできた作品です。

  今回の木戸銭…1400円