cinema eye

『釣りバカ日誌』

鑑賞日92/3/5(ビデオ)
 寅さん映画の併映作品として始まりながら、いまやすっかり松竹の看板シリーズに成長したその第1作。疲れた時には肩のこらない喜劇が一番と思い借りてきました。

 「ビッグコミック・オリジナル」で連載中の原作とは設定が若干異なっていますが、基本的な人間関係は同じで、釣り一筋の駄目社員ハマちゃんと、その愛妻みち子さん、それにハマちゃんの会社の社長で釣りの弟子のスーさん、という三者の絡み方は変わっていません。

 まあ、いかにも松竹ぽい喜劇ですね。主演の西田敏之も石田えりも三国連太郎も、とっても良い人で、悪い人間もこすからい人間も出てこない、本当にほのぼのとしたお話しでした。そういう点では原作の味を良く出しています。

 しかし、本当に原作で楽しいのは、地位の逆転現象なんですよね。えらい社長よりも、平のハマちゃんの方が楽しいし実は力もある、みたいな夢物語が原作の良さというかサラリーマンに受ける原因なのでしょうが、それが十分生かされていたとは残念ながら今回は言えませんでした。もっともシリーズはその後も作られていますからその点はどんどん変わっている可能性は大ですが。

 まあ、こうした映画が好きな人には暇潰しには良いと思います。

今回の木戸銭…600円