cinema eye

『トイズ』

鑑賞日94/2/26(ビデオ)
 ロビン・ウィリアムス主演のコメディですが、どうもイマイチな感じを受けました。ご存じの方も多いでしょうが、おもちゃ会社を舞台にした反戦映画(?)です。その死に際して自分のおもちゃ会社を息子に譲らず敢えて軍人の弟に譲った父。その意図が判然としないまま息子は軍人の叔父を社長として迎え入れるが、叔父はおもちゃ会社を新しい軍事兵器の開発工場とし、それに気づいた息子は叔父の野望を阻止しようと立ち上がる、のですが。。。

 コメディなのかファンタジーなのか、結構真面目なのかふざけているだけなのか、このあたりのバランスがうまく取れていないような感じがするのです。話が結構現実的なシビアな内容なのに、全体の演出は極めてファンタジックで、リアリティなんかかけらもないんですよね。一体この映画は誰に向けてどんなメッセージを発信したいのか、どうもつかめない。大人のためのファンタジー・コメディということなら、もう少し大人が見て鑑賞に耐えられるような作りをしてもらいたいのに、作りが粗雑過ぎて感情移入する前に突っ込みを入れてしまいたくなります。同じようなファンタジーなら例えば『ニューヨーク東8番街の奇跡』のように、もっと上手に大人を酔わせて欲しいと思います。

今回の木戸銭…700円