cinema eye

『逃亡者』

鑑賞日94/9/6(ビデオ)
 話題作だった『逃亡者』をようやくビデオで見ることができました。

 うん、さすがに面白かったです。ストーリーはあらかじめ知っていましたが、それでもドキドキさせられるのは、やはり脚本や演出の力以上に、主役2人の魅力でしょうね。特に追う立場のトミー・リー・ジョーンズは素晴らしいの 一言に尽きますね。前半では冤罪で追われるハリソン・フォードにとって、嫌な脅威的な相手だったのに、ラストではその優秀さが逆に彼の救いになる、頼りがいのある男に変わります。シカゴ市警が徹底してお間抜けに描かれているだけに、余計にその切れ者ぶりが強調されますね。

 ただちょっと不満だったのは、全体に話の展開が乱暴で荒いことでした。特に話の大本であるリチャード・キンブルが妻殺しで死刑判決を言い渡されるところですが、映画で見ている限りでは、有力な物証もないのに状況証拠だけで死刑判決が出るだろうか、というのがとても疑問でした。キンブルを陥れようとするためだったらもう少しやり方があるだろうに、わざわざ義手なんて特徴のある人間を使って妻を殺したりするのも変な感じです。医者の犯罪ならやはり薬物を使って欲しいですね。それとやたらと警察が銃を撃ちすぎなのではないか、と思います。いくら殺人犯相手とは言え、銃を持たない容疑者にあそこまで乱射しますかねぇ。シカゴ市警が愚かすぎるのも演出上必要だったかもしれませんが、ちょっとひっかかりました。

 まあ細かいところではアラもありますが、トータルに見れば面白い映画でした。

  今回の木戸銭…1400円