cinema eye
鑑賞日03/6/24(ビデオ)
大林宣彦監督の尾道三部作でも最も人気と知名度の高い作品。台詞棒読みの原田知世が実にキュートで、大林映画の真髄を見る思いです。
この作品の魅力はいくつか挙げられますが、やはり筒井康隆の原作を生かしつつ、尾道を舞台にすることで不思議な映像世界を作り上げたことが一番の魅力でしょう。古い町並みと、当時でも多分こんな言葉使いをあまりしなかったろうな、という丁寧な台詞。その古さがかえってファンタジーっぽさを生み出しています。
また後の大林監督作品で常に活躍する脇役陣が、この作品でもしっかりと柱になって支えていますし、チープな特殊撮影も健在です。ずっと進化していないところを見ると、あれも確信犯的にやっていることなのでしょう。
僕としては『転校生』の方が好きですが、『さびしんぼう』とはちょっと優劣つけがたい作品です。
今回の木戸銭…1400円