cinema eye

『天使にラブソングを・・・』

鑑賞日94/1/7(ビデオ)
 僕の好きなウーピー・ゴールドバーグの傑作コメディ。いやぁ、やっぱりハリウッドのコメディは面白いわぁ。底抜けの明るさ・健全さ・飽きさせないテンポの良さ。。。どれをとっても素敵なんですが、中でも音楽の質の高さがこの手の映画を作った時に一番ハリウッド製映画の強みでしょうね。

 今回のストーリーは、殺人事件を目撃してしまったウーピーが修道院にかくまわれてのドタバタ喜劇なんですが、中でも修道院の尼さんたちが個性的で楽しいです。何だか見ているだけで微笑ましいようなキャラクターの尼さんたちばかりで、これにはさすがのウーピーもちょっと喰われたかな、って感じがします。

 もちろん、コメディエンヌ・ウーピーは健在で、決して上品ではないけれど、なぜか親しみと好感が持てるキャラクターを軽く演じています。もちろん、上品でないとはいえ、映画後半では、どんどん尼さんらしく妙な気品が出てくるのが、また うまいんだな、これが。

 あと映画の中で面白かったのが、ウーピーを殺すように言われても尼さんだから殺せない、というギャングたちの発想。これなんか文化の違いをしっかりと見せられましたね。イタリアあたりならカソリックの本拠ですから、そういうことも素直に納得できるのですが、プロテスタントの国アメリカでも、やはり宗教心の強さは 意外と変わらないのかもしれません。日本なんか信長の比叡山焼き討ち事件をとってみても、大量虐殺に対してどうのこうのという印象はあっても、それが殺されたのは僧だからとんでもない、という議論にはならないでしょう。

 てことで、これは結構楽しい映画でした。「暇つぶしに」と言うよりもっと積極的に高く評価しました。

今回の木戸銭…1400円