cinema eye

『卓球温泉』

鑑賞日99/6/20(ビデオ)
 昔は温泉場と言えば卓球がつきものでしたが、温泉ブーム以降はいつの間にか こじゃれてきてしまい、ダサイと言われる卓球台は姿を消してしまいました。しかし手軽で誰でも楽しめる卓球の復権を目指して(?)作られたのがこの映画『卓球温泉』です、というのは嘘ですが、とにかく見事に卓球をやりたいなぁ、と思わせる卓球宣伝映画にはなっています。

 松坂慶子演じる主婦は、全く家庭にも自分にも見向きもしてくれない夫(蟹江敬三)と息子(窪塚英介)に絶望して、ラジオのパーソナリティ(牧瀬理穂)にそそのかされるまま家出を決行。行った先は昔に夫と訪れた竜宮温泉。かつてのにぎわいもなく、また思い出の旅館も女将が死んで跡継ぎもなくたたむ寸前。しかし、そこで温泉街復興を目指す人たちに担がれて、卓球を軸にしたキャンペーンを彼女が始めることになる。。。

 とまあ、いかにも最近の日本映画によくあるコメディです。家庭問題や社会問題を絡めながら悪人が出てこないハートフルなコメディ。なんでも周防監督と一緒に仕事をしているスタッフが作った作品ということで、確かに全体のトーンも『しこふんじゃった』あたりと似ています。

 まあ本家の周防監督が作っていれば、もう少し全体に締まりがあったのかも知れませんが、そこそこ面白い作品に仕上がっています。絶賛するにはほど遠いですが。

今回の木戸銭…800円