cinema eye

『スターウォーズ エピソード1〜ファントムメナス』

鑑賞日99/9/17(劇場)
 前シリーズの大ヒットを受けて、それ以前の物語を映画化するのはかなり苦心するだろうと思います。結末はみんな知っているし、それとの帳尻は合わせなくてはいけないし、もちろん面白くなければいけないし。ルーカスにしてみればかなり過酷な要求が突きつけられている中でのエピソード1の製作だったわけですが、それなりのレベルで達成できたのではないかと思います。

 もちろん、今回の主人公アナキン・スカイウォーカーが将来のダースベイダーになるわけね、と思いながら観客は見ているのですから、これはかなりのハンデです。結局SFXしか見るべきものがなかった、という批判も外れてはいません。

 しかしそれはこの作品を独立した一個の映画として見ているからこその批判です。これはあくまでも連続スペースオペラの第1回だと思えば、山場をうまく作りながら、登場人物や背景の説明も丁寧にあって、実によくできた第1回です。R2D2やC3PO、ヨーダやオビワンの若い頃(ヨーダはほとんど差はありませんが)を見るのも楽しいですし、個性的なキャラクターの数々、20年前と比べたらはるかに進化したSFX技術の高さについて堪能するのもまた一興だと思います。

 まだ物語は始まっていません。アナキンがいかにしてダースベイダーへと成長していくのか、そしてルークやレイアはいつどうやって生まれたのか、ハン・ソロにも何らかの登場チャンスはあるのか、など、とにかく次のエピソード2、そして3を見る気にさせるだけのイントロダクションとしては、実に良くできていたと思います。
今回の木戸銭…1200円