cinema eye

『スターゲイト』

鑑賞日95/1/26(試写会)
 アメリカで昨年秋大ヒットをしたSF超大作『スターゲイト』の試写会に行ってきました。まだ公開までには間があると思いますので詳しいストーリーは書きませんが、これは結構面白いです。まず単純なSFアドベンチャーではなく『インディ・ジョーンズ』シリーズのような謎解きがあり、『ベン・ハー』のスペクタクルがあり、しかも『T2』のようなSFX技術によるビジュアルショックがあります。

 俳優陣も存在感のある人が揃いました。『バック・ドラフト』のカート・ラッセル、『セックスと嘘とビデオテープ』のジェームズ・スパイダー、そして『クライング・ゲーム』のジェイ・デビッドソン。3者3様の鎬の削り合いもまた魅力的です。それ以外のキャラクターもなかなか魅力的だし。

 発端は1928年、エジプトで見つかった奇妙な遺跡。見たこともない文字と地球には存在しない鉱物でできた環。その謎が約70年の時を置いて米軍の手でついに解明された。それは異世界へと続く門「スターゲイト」だったのだ。人類の謎に迫るべく、彼らはその門をくぐる。。。と言うことで、とにかく金はかかっているし、発想は壮大だし、絶対日本では作れない映画であることだけは確かですから、ぜひ劇場でご覧ください。

 ああ、これではなんだか東宝東和の回し者だな、いかんいかん。難点も言うかな。まず女優にいまいち魅力がない。それに絶対パート2を意識しているようなラストがちょっとあざとい。アメリカ人が一番偉い、文化が違う連中は所詮野蛮人、侵略ではなく進出、という相変わらずのアメリカ的驕りを感じた。また銃器による悲劇を最初に描きながら、結局銃を持って戦うというのが選択肢としてベストだと思っているのも進歩がない。クリーチャーデザインがもう一歩。そして一番の欠点は、いろんな映画のいいところを取ってきてはいるが、それが逆に新鮮さを感じさせない原因にもなっているということ。みんなどこかで見たことがあるようなシーンばかりで、娯楽としては一級品だが創作物としては疑問ですね。『スター・ウォーズ』+『トータル・リコール』+『インディ・ジョーンズ』+『ターミネーター2』というのは誉め言葉であると同時にけなしてもいるということです。

 うーん、でもトータルすればやはり映画としては面白いです。かなり無茶苦茶な映画ですから、嫌いな人は嫌いかも知れませんが。

今回の木戸銭…1400円