cinema eye

『しこふんじゃった。』

鑑賞日92/2/18(劇場)
 ようやく邦画期待の新作『しこふんじゃった。』を見ることができました。周防正行監督・本木雅弘主演のコンビは、あの傑作『ファンシィ・ダンス』以来。前回の「お寺」から今回は「相撲」と、取り上げるテーマが日本人してて好きです。

 さて、映画は軟派な大学生のモックンが、単位欲しさに柄本明が監督する大学相撲部に無理矢理入れられ、最初はいやいややっていた相撲に最後はのめりこんでしまうというストーリー。このあたりも前作と共通するものがあります。

 なんと言っても見物はモックンの裸体(笑)でしょうね。なんだかんだ言っても、貧弱で醜い体をした役者がやっていては2時間近く男のふんどし一丁の姿を見ている気になりません。女性なら、モックンのお尻見ているだけでも楽しめる事でしょう。

 映画としては、そこそこの青春コメディといったところでしょうか?最初は相撲をなめていた寄せ集めの素人部員たちが、次第に相撲に目覚めていく様は、なかなか青春していて好感が持てます。マドンナ役の清水美砂は、イマイチかなぁ、と思いましたが女性部員正子を演じた女の子(名前がわからない)の熱演は光るものがありました。

 話しや作りは全体に安っぽいし、かなりご都合主義な所も多い映画ですが、なんだか全体に流れる「冷めた爽やかさ」みたいな空気が心地よいと思いました。

 それと柄本明・竹中直人をはじめ、役者みんなが結構様になった稽古を見せてくれたのには、相撲ファンとして驚きました。大体日本映画のスポーツシーンは、あまりに下手で見ていられないのが普通ですが、これはまあ3部の大学相撲部という設定(素人同然?)が幸いしたにせよ、それなりに見えましたから。もちろん、あくまでも映画ですから取り組みの展開には無理はありますが、まあまあ見られたと思います。

 余談ですが、映画でスマイリーが「お尻を見せる必然性がない」と言ってタイツをまわしの下に履いて出てきますが、先日の国際アマ相撲では実際にパンツ着用で行われました!日本の選手は「恥ずかしい」とパンツをまわしの下に入れてしまったそうですが、なんともはやな話しです。

 相撲のまわしは文化なのだから恥ずかしくなんかない!まあ、プロの相撲協会はそんな馬鹿なことはしないと信じているからいいけどさ。

今回の木戸銭…1000円