cinema eye

『さびしんぼう』

鑑賞日93/7/15(ビデオ)
 大林監督の新作が話題になっているところなので、旧作ももう一度振り返ってみようと、ビデオを借りて見ました。8年も前の映画ですし、いまさらストーリーを語るようなことはしませんが、やはり胸を締めつけられるような大林ワールドのセンチメンタリズムはなかなか心地よいものがありました。青春の醍醐味は、やっぱり失恋だよなぁ、と改めて思ったりして。。。  それにしても、当時は「おたく」という言葉も「冬彦さん」も流布していなかったから良かったものの、今なら必ずこの映画の主人公は同級生からそう言われなき(でもないか)非難を浴びていたことでしょうね。母と息子の疑似恋愛というテーマは不変のものなのでしょうが、娘であり息子と同い年の娘時代を絡めるところに、この作品の妙味がありますね。

 役者は大林組総出演ですが、『ふたり』と比べれば、やっぱりみんな若いのが嬉しい。小林稔侍が尾美としのりと一緒に風呂に入るシーンに妙に感動したりするのは、やはり実際に息子を持ったからでしょうね(笑)。

今回の木戸銭…1600円