cinema eye

『ロビンフッド』

鑑賞日91/9/9(劇場)
 ようやく念願の『ロビンフッド』を見てきました。かのケビン・コスナーの娯楽冒険活劇映画ということで、言わば品質保証された映画なわけですが、確かに期待通りの良い出来だと思います。見ていて退屈することもなく、それなりに楽しくドキドキしながら観賞できるし、ケビン・コスナーだけじゃなく、アジーム役のモーガン・フリーマン、代官のアラン・リックマン、マリアンのメリー・エリザベス・マストラントニオ(何て面倒な名前!)など、脇を固める役者も魅力的です。

 ただね、どうもイマイチ乗れないんですよ。現代風にロビンフッドを解釈、なんてよく映画評なんかに書かれていましたが、どうもそれが現代風過ぎて、なんかチャチに思えてしまいましたし、物語全体がオーソドックス過ぎて新味に乏しく、こんな所が今までの映画になかった素晴らしさだ、的な魅力に欠けているのです。ケビン・コスナーらしく良くまとまっているのが逆に平均点をクリアしただけの、突出した所を感じさせない優等生みたいな映画になってしまっているのだと思います。

 例えば同じような娯楽活劇映画として『インディ・ジョーンズ』シリーズがありますが、あのシリーズのような過剰なまでのサービス精神、徹底的に気味悪くするときはするし、笑わせる時は笑わせる、みたいな過剰さがこの『ロビンフッド』にはないのです。スピルバーグやルーカスの映画には「どうだ、面白いだろ」と制作サイドが子供のように自慢しているような可愛げが感じられるのですが、ケビン・コスナーの映画には「一生懸命作ってみました。いかがでしょう」みたいな謙虚さと真面目さがあって、それが『ダンス・ウィズ・ウルブス』のような映画なら良いのですが、こうした活劇映画になるとちょっと鼻につくかな、みたいな気がします。

 そんな訳で決して面白くなかったんじゃないけど、期待が大きかっただけに、うーん、残念でした、という感想です。

  今回の木戸銭…1000円