cinema eye
鑑賞日94/12/17(ビデオ)
ジャパン・バッシングを題材にしたということで話題になった映画でしたが、噂に聞いていたほどひどい内容ではなかったですね。確かに日本に対する誤解や偏見もいろいろあって、日本人の目からすると奇異に映るシーンもありますが、まあ過去のハリウッド映画でもたいていあんなもんでしたから今さら、という気がします。日米合作映画ですら変なところは多いですものね。
で、映画自体は結局ハリウッド刑事映画の定番パターンなんですよね。つまり仕事はできるが上から疎まれている変わり者のベテラン刑事と若い正義感溢れる刑事のコンビが、最初は衝突しながら最後は協力して事件を解決する、という黄金パターン。ただ、その味付けに話題の日本たたきを取り入れてみただけです。思ったよりも気をつかっているな、と思ったのは、いろいろとアメリカ人からすれば理解しがたい日本人の行動をデフォルメして描くのですが、一貫して主人公のショーン・コネリーが日本かぶれでそれを比較的善意に解釈してくれているのですよね。もっともっと皮肉に描かれても不思議ではないと思うのですが、異文化をとまどいながらも理解しようとする心理が見えて、これはかつての強いアメリカ時代ならあり得なかっただろうと思います。
映画としてはそれほど見せ場もないし、説明不足というか、消化しきれていない感じもしていまいちなのですが、まあ話題作ということで見ておいても損はないかな、という程度でした。
今回の木戸銭…800円